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2005年9月1日(木)   キムカツ
「晩ご飯食べた?」

「・・なわけないっしょ。」

「仕事」

「もちろん」

「ちょっと抜けて、一緒に晩ご飯しない?」

「いいよん。
 で、どこ?」

「元町」

「もしもし〜?
 今、ウチの会社は元町じゃないんですけど??
 って言うか、こんな時間に元町って開いてないでしょ?」

「待ってまーす」


毎度、強引なお誘いにも、空きっ腹な自分は抗う事もできず、
仕事そっちのけで元町まで走る。

涼しい夜風が気持ち良いが、台風接近のせいか高めの湿度が
今一歩爽やかさを演じきれないでいる。


「お待たせ」

「遅い」

「関内からなので・・ねぇ」

「まぁ、いいや。
 行こ!」


9時過ぎの元町は、案の定人気が無い。

見事な位に、店は閉まっていて、
ユニオンが細々と営業しているのが見える位・・・(^_^;)


「で、どこ行くわけ?」

「きむかつ」

「きむたく?」

「違うの、キムカツって店があって、
 週末すっごく混んでて、気になっていたから・・・」

「こんな時間、やってるの?」

「ラストオーダー22時」

「・・・そすか」


「キムカツ横浜元町店」
  045−212−1129
  横浜市中区元町3−124
  11:00〜22:30
  無休


確かに、開いていた。
人気の無い元町メインストリートに・・・

ひっそりと・・・という感じすらする入口は、
長い暖簾でお洒落に飾られている。

店は2階で、ちょっと見ると飲み屋にも見える小洒落た雰囲気だが、
客席数はそんなに多くは見えない。(33席)

さすがにこんな時間では満員になるわけもなく、
客もまばらだったが、何故か入口で待たされた。


「ここが並ぶほど混んでた?」

「うん、階段もびっしり・・と」

「人気あるんだ。」

「そうみたい」


通された席は60センチ四方くらいのテーブル、二人がけ。
料理を二人で食べるにはちょっと狭い感じがする。

メニューを見ると、キムカツというカツのバリエーションと厚切りカツ、
そして盛り合わせがあり、炊きたてご飯セットがあって・・・・

それだけかい(^_^;)

この店はカツしかない、専門店らしい。
カツとご飯のみのメニューは、潔すぎる(爆)

飲み物はテーブルに置いてある小さなメニューにしかないようで、
ビールはアサヒの生と黒生小瓶のみ。
後はサワーがちょっとと日本酒とワインがあるが、バリエーションは全然ダメ。

飲み屋っぽい雰囲気なのに酒のバリエーションが無いので、
ますますガチンコのカツ屋だ・・という事がわかってきた(^_^;)

オーダーしたのは3品盛り合わせ。(プレーン・ネギ・生姜味噌)
厚切りという普通のカツもあるようだが、ここのオリジナルを食べないわけにはいかない。

で、ご飯セットをオーダーして待っていると、
例によって客がどんどん入ってくる事態に陥った。
(私の場合、招き猫状態になる事が妙に多い)

ビールが出て、山盛りの千切りキャベツがドンと出て、
混ぜてもすぐ分離してしまうドレッシングやソースで食べているのだが、
なかなかカツは出て来ない。

ご飯が炊きあがるタイミングでカツを出す事を謳っているので、
その時間調整かもしれないが、結局二人で皿山盛りのキャベツを食べきってしまう事になった。


「しかし君は、客を呼ぶよねぇ」

「何だかねぇ」

「こんな時間にこんなに客が入るなんて・・・」

「人気なんでしょ?」

「らしいけど」

「仕事どう?」

「どうもこうもないわよ」


お互いに仕事上の愚痴を少し投げ合っていた時、
「キムカツ」がやってきた。

見た目は普通のカツなのだが、薄い肉を重ね合わせて低温でじっくりあげるソレは、
ジューシーでしかも柔らかい食感が特徴と言える。

しかし・・・・
これはカツとは別の食べ物に思えてしまう。

強いて言うなら、メンチカツに近い(^_^;)

オススメの食べ方はポン酢であっさり・・・とあるが、
やっぱりカツはソースかけてカラシ付けて食べたい・・と思ってしまうのだ。


「ごはん美味しい」

「そうだね」

「外で食べるご飯では、久々に美味しいご飯だと思う」

「俺にはちょっと柔らかい感じ。
 もうちょっと表面が固いといいなぁ」

「私は、柔らかめのふっくらしたご飯が好きなの」

「そうですか」


コシヒカリと言われるご飯は、確かに美味しい。
と言うか、このご飯があるから、この店に来たい・・
という人が居てもおかしくない(^_^)

でも、私にとっては、尚更、ガッチリしたカツにソース&カラシで
食べたくなってしまう。

美味しい豚肉だからそう思うのか、美味しいご飯だからそう思うのか、
今までカツを食べてできた概念がそう思わせるのか・・・(^_^;)


「俺、厚切り食べた方がよかったかも。」

「そう?」

「で、カラシが欲しいかも」

「ワガママ」

「じゃ、さ・・、また来たい?」

「このご飯があれば」

「これで、サイドメニューがあったらなぁ」

「カラシは言えば出してくれると思うよ?
 今度来た時は厚切りセットにすれば、前菜もつくし」


聞けばこの店、凄い人気らしい。

でも、私としては、並んでまで食べたい物じゃない。

固い物を食べたくない世代が、柔らかい食感のカツを求めるのか、
独特の味わいにはまった人が多いのかわからないけど、
新しいカツのスタイルとして慣れるように努力しないと、好きになれないかも知れない。

ただ・・・・
確かにご飯が美味しいんだよねぇ(/--)/


2005年9月2日(金)  
「ちょっと早いけど昼飯食わない?
 ちょうど中華街に来てるんだけど」

「お〜いいぜ、こっちも次が13時半だから、
 早めの昼にしようかと思ってた」

「いつもは店を紹介してもらってるけど、
 今日は行ってみたい店があるんだ」

「へぇ・・・どこ?」

「麻婆豆腐の店」

「麻婆豆腐・・・」

「だめ?」

「辛いの好きだねぇ・・・」

「専門ってわけじゃないけど、本場のシェフが入ってるって
 気にならない?」

「麻婆豆腐でしょ?」

「たかが・・・?
 されど・・・でしょ?」

「汗かきそうだなぁ・・」


「辣」
 045-663-9163
 横浜市中区山下町217
 11:00〜15:00 17:00〜21:00(LO20:00)
 木曜定休


ウィンドジャマーのすぐ傍にその店はあった。

小洒落た店は金属調の内装で、中華料理を食べる店にはちょっと見えない。
が、出す物は間違いなく中華料理。
それもメインは麻婆豆腐なわけで・・・・・(^_^;)


「カウンターかテーブル席がございますが?」

「テーブル席ってあるの?」

「2階にございます。」

「じゃ、2階に」


2階に上がると、やっぱり小洒落た感じの客室があり、
丸テーブル(6人掛け)1つ、テーブル2つ(2人掛け)に、
カウンターが窓に向かって設置されている。

が、間違いなく若者向けバーのような感じがしてしまうのは、
厨房から上がってくる料理を受け取るセクションがネオン管で飾られていて、
(実際ビールなどをサーブするのでバーに見える)
中華料理を食べるイメージとはかけ離れているからだろう。


昼のセットは麻婆豆腐のみ。

ロングライスか麺、炒飯のいずれかを主食に
麻婆豆腐を食べるセットとなっている。


「じゃ、ご飯(ロングライス)のセットに生ビールと餃子を」

「私もご飯にする」


陣取ったのはカウンター席。

と言うのは、テーブル席にいた先客が煙草を吸っていたためで、
(テーブルとテーブルの間が結構狭いので)
丸テーブルに2人で座るのも気がひけたからなのだが、
この席は外がよく見えて、結果的には成功だった。

(ちなみに1階のカウンターは駅蕎麦の雰囲気すら漂う狭さなので、
 空いているなら2階がオススメ。)


キュウリとバイ貝の和え物が前菜として出され、
意外に上品な味付けに少しだけ期待を膨らませつつビールを飲んでいると、
四角い白い器にこれでもか・・と花椒(中国山椒)をふりかけた麻婆豆腐が出てきた。

ご飯は・・・・見事な香りとツヤがあるロングライス。

これは・・・美味いかも?

とご飯だけ食べてみると、まさに香港で良く口にする香り高きロングライス。
でもって、かなり美味しいご飯なのだ。

よし!
とばかりに麻婆豆腐を食べてみると・・・・

塩辛い・・・(・_・、)


「ご飯、美味しいねぇ・・・
 でも、麻婆豆腐は辛いねぇ・・・」

「ご飯にかけて食べるから、塩辛くしてるのかしら」

「炒飯とかのセットだったら、もっと塩辛く感じちゃうかもねぇ」

「・・・重慶飯店の麻婆豆腐の方が好きかも」


唐辛子の辛さと塩の辛さは微妙なバランスが難しい物。
調理技術や素材の良さが感じられても、塩がキツければトータルではダメだと思う。

そういう意味で、新しい中華料理店の形を提案している部分は良いと思うけど、
料理として評価は高くする事はできそうにない。


「また来たいって思う?」

「う・・・・ん」

「俺は、もう一回は来るよ。」

「そう?」

「夜だときっと違う料理も、もっと有るし、
 このご飯だけでも食べたいって思うから・・・」

「ご飯は美味しいよねぇ・・・」

「ランチセットで店を判断するのは難しいじゃん。
 これでご飯がダメだったら来る気しないけど、
 次に頼む時は塩抑えてってオーダーしてみたいし」

「そうねぇ・・」

「あのさ、誘っておいて、その反応はどうなのよ?」

「興味はあったのよ。
 でも・・・」


彼女は辛い物フリーク。
でも、塩辛い物は全然ダメな人。

口が痛くなるようなタイカレーを汗もかかずに食べきるし、
食べたら30分はトリップするようなインドカレー(ネイティブ用)もにこやかに食べてしまう。

中華街では担々麺や麻婆豆腐を所望するし、ラー油や花椒の追加も当たり前でいながら、
澄まし汁の塩味がちょっとでも強いと辛くて飲めない・・と怒ったりする。
(一緒に和食に行く時は、京風の味付けじゃないと(-.-;)y-゚゚゚)


最近思うのは、味付けの平板化。

塩を強くして科学調味料効かせて、素材の味などわからなくて平気で・・・
酷い言い方をすればレトルト物や冷食と大差ない味が、何処へ行っても待っていたりする。

そういう物だとわかっていて入れば腹も立たないけど、ちょっとだけ期待するような店で
そんな味に出会う度、食文化の廃れ方や食材の変化に悲しさを感じてしまうのだ。

だから、この店の味付けがあまり加わらないご飯が、美味しく感じたのかも知れない。
(上質の米をちゃんと蒸して出してくれたから、香りも味も豊だった)


正直に言おう。
ここのご飯だけはもう一回食べたい、と思っている(/--)/
2005年9月3日(土)   締切
どんな仕事にも締切という物があるのだろうか・・・?

コイツを守るのが、私の仕事の第一条件なのだが、
そのために全てのスケジュールを調整するしかなくて、
どーしても自分の事は後回しになってしまう。

実は我々のサイクルとは関係無いところで締切日を繰り上げられてしまって、
どーにかなんだろ・・・と頑張ってみたら、どー頑張っても無駄な時間と
滅茶苦茶忙しい時間が出来上がってしまった。

つまり、集中して休む事が難しいって状態だ。

絶え間なく仕事がダラダラと続くようになってしまい、
ウィークデイの真っ昼間にちょっとだけ無駄な時間が生まれ・・・・
さらに休み難くなってしまった・・と。

ま、愚痴ってるのは、
こんなに忙しく働いてるのに、床の掃除で居場所を失って、
締切前のイライラが募ってしまう・・・って事なんだけど。

自分が掃除する側だったら「邪魔すんなよ!」と怒るのは必至だけど、
ひっでー事に床の掃除があるって連絡もなかったワケで。
(管理する側だけにはメールで連絡いってたみたいだけどね)

締切・・・間に合うかなぁ(/--)/
2005年9月4日(日)   十王図
閻魔王と言えば誰でも知ってる地獄の帝王。

死後の世界に於いて、亡者を裁く裁判官として10人の王が居るとされているが、
初七日を始めとして、27日37日47日・・・と3年の間、生前の行いを裁かれるわけで・・・。

閻魔王は57日目に裁くとされているが、嘘をつくと舌を抜かれる事の方が有名だ。

で、そんな彼らを書いた絵図は、地獄絵図になるから実に気持ち悪い。
歴史博物館でその十王図を撮影した時、久々に悪寒を感じた。

絵は、供養を勧める脅しの絵なのだが、その絵に何か貼り付いている。
じっくり見る気を起こさせない気持ち悪さが、つきまとって離れない。

展示されている壁の隣には、舎利殿の実物大の模型があり、
雰囲気を醸すためにお経が流れている。

それがどうやら、その気持ち悪い物を抑えてくれてるようだが・・・・


博物館という場所は、色々な物があって面白いが、
昔の遺物は色々な想いを背負っているものかも知れない。

古代から近代まで一気に見て回る面白さと、
実際にその時代に生きている人達の事を想像する楽しさに時間を忘れたが、
その分どっと疲れてしまった。

さて・・・・
締切は明日、なんですけどねぇ(/--)/
2005年9月5日(月)   ある日、ある夜
1人で夜道を歩いていた。

街灯が少ない曲がりくねった階段を、
なるべく直線的に登っていく。

どっちにしろ汗は噴き出すのだが、
少しでも短い方が良い・・と思うのだ。


道の脇には古い洋館が並び、さび付いた鉄製のネットが
フェンスとして張られている。

やっと登り切った階段の頂上には、さらに緩やかな登りが続く坂道があった。

丘の上とは言え、この時期だ。
そよぐ風はなま暖かく湿っていて、汗を乾かす力は殆ど無い。

外仕事を終えた帰り道だからTシャツはじっとりと湿っていたが、
今かいた汗を吸ってさらに重くなるばかりだった。


「腹へったなぁ・・・」


と独り言。

そうだね、何か食べようか・・・と言ってくれる人も居ず、
とにかく我が家に帰って冷蔵庫の中のビールを飲み干したい・・としか思わなかった。

つま先上がりの坂道の頂点には3叉路があり、
そこを左に曲がると家はすぐだ。

だから少し小走りになるほど、足を速めた。


3叉路を左に曲がると、真っ直ぐな道の先に信号がある。
夜道に信号の光が反射し、歩いてくる人は綺麗にシルエットを作る。

私の目に入ったのは、痩せて少し肩を落とした男が1人、
こちらに向かって歩いてくるシルエットだった。

頭がひょこひょこと跳ねるように動き、
身長以上に長い影が私の方に向かって伸びている。

信号は丁度青で明るく、男の表情はまったく見えなかった。


暑いのに、何か羽織ってるぜ・・・・(^_^;)
俺はTシャツ一枚でも汗だくなのにな・・・

ど〜でもいい事を呟きながら、我が家に向かって重い足を持ち上げる。

その場でへたりこみたくなる誘惑に負けそうになりながらも、
どうにか玄関そばまでたどり着いた。

影を長く投げつけていた男がすれ違う。

黒っぽいパンツに白いワイシャツを着て、凄く薄いカーディガンを風になびかせ、
その男は私の左側をすり抜けた。

あれ・・・?
何か変だ・・・・??

なんとも言えない違和感を、その男から感じる。

だから、わざわざ振り返って、彼を観察してみた。

学生のような・・格好だな。
随分痩せてるようだが、暑くないのかな・・・?

え?
あれ??

腰の辺りで白いワイシャツを見せたり隠したりするカーディガンは、
細い肩を支点に振り子のようにはためいているが、
先ほどまで男だと思いこんでいた短く借り上げた頭が、あるべき所に無い・・・のだ。

そんな・・・ばかな?

もう一度、さらに身体を捻って注視する。

足も腰も肩もあるが・・・首が無い。

首が無い??
え?
うそ??

と思って足を止めたら、その男は肩をちょっとだけ揺すって
まるで笑ったかのような仕草を見せ・・・
そしてそのままスーっと消えてしまった。


どう見ても、その場にその男は居たのだ。
そして、どう見ても、その場でその男は消えてしまったのだ。

理解できないでしばしその場に立ちつくしてしたのだが、
次の瞬間、もの凄い勢いで悪寒が襲ってきた。


見ちゃった・・・・・よ

と思った時は、自宅に居た。

と言うか、次の瞬間、多分その場を走って逃げ、
自宅に駆け込んだ・・・って事らしい。

ガタガタと震えるような寒さと、なんとも言えない気持ち悪さだけが残り、
今見た、あり得ない瞬間の記憶が際限なく再生されてしまう。


そしてそれ以来、この時感じた気持ち悪さを感じると・・・・
見えちゃうように、なってしまった・・・・・ようだ(/--)/


2005年9月6日(火)   夢吟坊
みなとみらいにうどん屋がある。

立ち食い蕎麦屋に近い感じもしつつ、ごく普通の町中のうどん屋という感じもする、
気さくな一杯を楽しめる店。


「夢吟坊」
 045−682−2693
 横浜市西区みなとみらい2−3−2クイーンズイーストB1F


うどん専門店は横浜ではあまり見ないが、うどんを食べよう・・・と思う時は、
こういった専門店で食べようと、いつも思う。

何故なら、専門店はまちがいなく汁が美味いからだ。

だが・・・・・
この店の味付けは関西風ではない(^_^;)

うどんも自家製麺だが、抜群というわけでもない。

だが・・・
たまに食べたくなるから、面白い(^_^)

「香露」という「うどん」をよく食べるのだが、
大根おろし、揚げ玉、玉子の黄味等をトッピングし、濃いめ汁をかけた
ぶっかけうどんなのだが、混ぜて食べると妙に優しくて楽しいのだ。


ただ・・・
蕎麦よりうどんの方が腹持ちが良いらしく、
食べた後が重くなったりするのが、ちょっと良くない。

と、飲んでて気付いたりする(爆)

しかし、安上がりな晩飯だなぁ(/--)/
2005年9月7日(水)   礼儀
深夜、遅すぎる夕食を食べていた。

今夜のメニューは、水餃子に青菜炒め、
そしてビール大瓶一本。

これで炒飯とか食べるとカロリーオーバーなので、
本当はビールもやめたいところだが、今日一日のおつかれさま・・のために、
1本だけ(^_^;)・・・飲んでしまう。

小さな店だから仕方がないけど、
隣のテーブルと距離が短くて、少しだけ窮屈に感じながら、
ぐうぐう鳴るお腹にまずはビールと青菜炒めを突っ込んでいた。

隣には若いカップルが、少しだらしなく座っている。

男はスキンヘッドでダボッとしたTシャツにダボッとしたジーンズ。

図体はでかそうだが胸板は薄く、腕も男にしては細くて、カッコだけチーマーな感じと
2人分のイスを占有するほど斜めに座る格好悪さが、胡散臭い。

女性の方は、そんな彼にはそぐわないほどお洒落な服を着こなしているが、
濃いめのアイメークやケバイ手元は、コギャルのなれの果てのようで、お似合いではあった。

1人で飲む大瓶はどうしても飽きが来るため、ピッチが遅くなる。

この日も、半分位までは一気に飲めたが、
その後が進まない感じになったところで、本日のメイン「水餃子」がやってきた。

ご飯と一緒に食べるなら絶対「焼き餃子」だが、
ご飯代わりに食べるなら皮が食べ応えあって楽しめる「水餃子」が良いと思う。

残ったビールでハフハフしながら食べるのも、
楽しみの1つだし・・・・と少しだけにやけつつ水餃子を楽しんでいると・・・
となりのカップルが席を立った。

男は案の定、かなりの背の高さで、
女もその彼には丁度良い位に背が高い。

お似合いか・・・と思いながら水餃子に没頭していると、
テーブルに置いたビールがガタガタと揺れ、今にも倒れそうになった。


「おいおい・・・」

と思わず声を出しつつよく見ると、
女が背負おうとしている大きめのデイパックが、ビールの瓶に当たっているのだ。


「おい!
 気を付けろよ!」


と、少し大きめに声をかけたら、その女はチラッとコッチを見ただけで
何も言わずに無視するように店を出ていく。


「謝る事もできないのか?・・・・」

と半分呆れながら声を出すと・・・


「すみませんでした」

・・・と男の方が頭を下げた。

それもまったくイヤミ無く、申し訳ない・という気持ちを
ちゃんと表情にして謝ってくれたのだ



なんだか・・・不思議な気分だ。

他人に迷惑をかけても謝れない女と、
連れ合いの粗相を謝罪できる男。

姿からはまったく逆に感じられる行動だから、
微笑ましい・・と言うより、不思議な感じがするのだろう。


社会の中で生きるなら、最低限の礼儀くらい身に付けろよ・・・と
言いたくなるのは、こっちが歳食ってるだけじゃない・・と思うんだけどねぇ(/--)/
2005年9月8日(木)   怒るのもタイミング
我が社の廻りには、夜毎、綺麗なお姉さん達が立ち並ぶ。

肩丸出しのロングドレスは、夜風に舞って怪しげな魅力に満ちるが、
コッチとしては観察する素振りも見せられない。

なぜなら彼女らは、スケベな男を捕まえて商売する人達で、
男と見れば見境無く声をかける男性と組んでる商売人だからだ。

横断歩道を塞ぐように立ち並ぶ彼女らを蹴散らしながら車道に出ると、
向こう側にもドレス軍団&金髪黒服男の群。

これじゃぁ、交通妨害だぜ・・・と半分怒りながらも、
とにかく道を横断していると、そこにタクシーが右折をかけた。

横断者がいるのに右折するには早すぎると思うほど、
タクシーの速度が高い。

横断しているんだからさぁ・・・とムカツキながら運転手を睨むと・・・


おい!
お前どこ見てんだ!?

そう、
運転手は、立ちんぼしている彼女らに、熱い視線を送っているのだった。

まずい
コッチを見てない・・・
と思う間もなく、タクシーは私に近寄ってくる。

このままいたら、間違いなく轢かれる・・・
と気付いた瞬間・・・・

既に私は飛び退いていた。


そのまま轢かれちゃえば、怪我したかもしれない。
いや・・・怪我は治るかもしれないが、
背負っていたPCが壊れたら、洒落にならない事態に陥る。


「ばかや・・・・ろ・・・・」

と怒鳴りかけて、呆れた。

その運転手、
まだ立ちんぼ姉ちゃんに熱い視線を送ってる・・・・


いかりや長介じゃないけど、
思わず「だみだこりゃ・・・」と呟いてしまった。

しかし、怒るのもタイミング・・・だねぇ(/--)/
2005年9月9日(金)   スープカレー
横浜にはカレー専門店が多くあり、
イギリス風からインド系まで幅広く楽しめる街になっている。

インドもスリランカもある関内に、札幌のスープカレーの店「らっきょ」が出店し
未だに行列ができるほどの人気があるが、二匹目のどじょうを狙ってか、
もう一軒スープカレー専門と謳う店が現れた。


「ajitoh」
 横浜市中区弁天通3−39
 日曜定休
 

さっそく行ってみると、店内は12人程度で満席になる感じの、お洒落な造り。

カウンターには若造が数名先客として居たが、
一斉にコッチを見て敵対するような視線を投げる。

まぁ、そんな若造には慣れてるので、
敢えてカラーを見えるようにゆっくりと背を向けながら、窓際のテーブル陣取った。


ランチとディナーがあるが、ディナータイムは21時で終了。
その後は営業していないような書き方なのだが、公式のダーツボードがあったり、スロットゲームがあったりで、
スープカレー専門店にはちょっと見えない。

最近まで飲み屋やってて、カレー専門店にリニュアルしたのかも・・・(^_^;)
と思いつつメニューを見ると、4品のみの強気な商売。

「チキン」「シーフード」「オクラ&納豆」「アスパラ&ベーコン」の中から選んだのは
「アスパラ&ベーコン」(850円)で、ランチはミニサラダとライスがついているから、
激戦区ではまぁまぁのプライスには見えた。


味は・・・・悪くはない。
だが、全般的に薄い・・というか軽い・・というか(^_^;)

さらさらとしたスープは悪くないけど、スープカレーだからコクが無くていい・・
というわけではない。
「らっきょ」のスープはもっとコクがあって、気持ち良いのだ。

値段が安い分、材料が落ちる事はわかるけど、
なんだか物足りない気分だけが残る味わいだった。


この店は若い。
だからか、客もまた若造が多い。

コッチの派手な出で立ちに変な目線を送るような客が溜まると、
結果的に命取りになったりするのだが、そこら辺の感触がわかるほどのスタッフではないのだろう。

味は悪くなくても、客層が悪いと店はダメになる。
そこら辺に気づければ、店の造りも変わってくるのだろうが・・・・

夜行ったら、ただの飲み屋だったら笑えるけど、
今後の化け方に期待しつつ、店を後にした(/--)/
2005年9月10日(土)   総選挙
今回の選挙は面白い。

明確な喧嘩を売って、わかりやすい主張をした小泉に若者の指示が高まっているのは、
「どうせ何も変わらない」というイメージを感じさせる老獪な政治家達の離反が、
うまく敵対関係を演出しているからだと、思う。

何にしても、自分達の権利を主張する、大事な選挙。
何もしないで文句を言う愚かさに、少しでも気付いて行動して欲しいと思うのだが
その変化は明日の投票率の結果を見ないとわからないのが残念だ。

とにかく私は、自分の意志を国政に伝えるために、選挙に行く。
その結果を、楽しみにしながら、明日は仕事する事にしよう(/--)/
2005年9月11日(日)   NightRun
街がすっかり寝静まった頃、首都高速に回ってみる。

まばらになった車は、意志をどこかに置き忘れたように
緩慢に気まぐれに車線変更をしてみる位で、
適度に駆け抜けるには丁度良いパイロンに成り果てている。

久々に火を入れた愛機は、持て余し気味のトルクを生かして、
息の長い加速を続けている。

120マイルに届く頃、リミッターで加速を止められた車が前を塞ぐが、
それも避けられないほど溜まっているわけではなく、
ほんの少しスラロームすれば、心地よいGとなって反応が出るぐらいで
すぐさま誰も居ない夜道に戻れてしまう。

首都高横羽線は2車線しかなく、設計も古いためか道幅かなりタイトで、
通れるラインはかなりの精度を持ってトレースしないと、すぐ破綻する。

だが、この道を100マイル程度で流すのが、何故か好きだ。


エンジンの音、ギヤの音、タイヤの音、そして風の音・・・・

音や匂い、容赦なく襲う重力、そして突然訪れるヤバイ状況・・・

そんな時間が無いと、少しずつ感覚がナマクラになり、
その分、意味無く苛つくような焦燥感に苛まれ・・・・・

だから、ここでこんな走り方をしているんだな・・・と、1人苦笑い。


走らずにはいられない・・・

そんな自分に、かなり呆れてはいるが、
こうやって気ままに走る為に様々な用意が必要になってきたのは、
それだけ生きている経験が増えてしまったからだろう。

しかしその経験のおかげで、
穏やかな自分で居られる時間が長くなったようにも、思う。

大概の事に驚かなくなってしまったのはツマラナイし、
欲が弱くなったのも若さを捨ててしまったようで寂しく思うが、
反面、ほんのささやかな事で、幸せを大きく感じれるようになった。

休みもマトモに無く、睡眠時間も短くても、
例えば毎日のように話ができる人に会えていたり、
食事を一緒にできる友達がいたり、
酒を酌み交わせるヤツがいたり・・・・


自分は苦しむために生まれてきたのではないか・・・と考えていた子供の頃や、
自分の人生には失敗や挫折しか用意されていないのではないか・・と感じていた学生時代や、
自分のために何かを整えるとそっくり壊れる事ばかり続いていた頃に、
今の私が感じている穏やかな気持ちは、想像する事も難しかった。

だから、全てを置き去りにするように、ひたすらスピードを求めたのだろう。


勿論今だって、あの頃より早いスピードの中で、生きようとしている。
一瞬先に転がっている死を、見つめながら。

そして・・・

違う街に生まれ、違う風の中を歩き、
違う屋根の下で寝ているのに、
同じ空を見上げて、
同じ想いに駆られた誰かに出会い、
同じ言葉を使って語り合い、
同じ方向に向かって共に歩こうと、足掻く。


全力疾走の興奮が収まらないマシンをクールダウンさせながら、
見上げた空には煌めく星々の姿を隠す雲。

今宵は死ぬほど酒を飲んでるヤツが多いんだろうな・・と、
どうでも良い事を考えながら、家のドアを開けると・・・・
何故か凄く小さいトカゲが玄関で笑っていた。
2005年9月12日(月)   インディアン・モーターサイクル
昔は勿論バイクメーカーだったインディアン。

ハーレーより古いバイクメーカーではあったが、
現在はウェアをリリースする位(と言っても「東洋」が作っているが)で、
その名前のイメージ通り、アウトローバイカーのイメージをモチーフにしている。

そのモチーフは、ここまでパクっていいのかよ?
と言いたくなるほどHA81の雰囲気を再現していて、
そんな系統が好きな人にはたまらない魅力があるのだろう。

行きつけのショップに入ると、良いデザインの物は即刻売れてしまうようで・・・


「ミルウォーキー」
045−321−8731
横浜市神奈川区反町1−5−19


「いいの入りましたよ」

「これでしょ?」

「やっぱり見つけちゃったんですね」

「数少ないから、欲しい物はすぐ掴まないとねぇ」

「netでも売ってるので、在庫が難しいんですよ」


そう・・・
最近、この店、店舗商売よりネット商売の方が忙しいらしい。

店は閉まってても、奥で物撮りしたりHPの更新してたりで、
週末の昼頃顔を出しても、まだ開いてなかったりするわけで・・・


自分でTシャツを作ってから、とくにデザインとかに目がいくようになったが、
ここの品揃えは、私が欲しいデザインの物が多く揃いすぎてて、
入ったら当分の間は見て楽しむ事ができたりする(^_^;)

だから・・・というワケではないが、このように自分の好きな系統のデザインばかり
集めたショップをやってみたい・・・とさえ思うようになってきた。

自分がもしショップを開くとしたら・・・・
揃う物は間違いなくスカル物ばかり(爆)

でも、そういったわかりやすさとコダワリが無いと、
きっとやってて面白くない・・・

そんなチョイスも有りだよな・・・と思いつつ、
ルーティンワークを続けている自分は、ある意味幸せで、ある意味不幸だな・・と思う。

まぁ、やりたい事の欠片が見えているだけ、マシなんだけどねぇ(/--)/
2005年9月13日(火)   Mongolian BBQ
「最近、ジンギスカンが流行ってるんだって?」

「らしいねぇ」

「渋谷なんて、あっちもこっちもジンギスカン専門店があるよ?」

「牛肉問題で肉から遠ざかっている連中を呼び寄せるために、
 北海道名物を持ち込んだだけじゃないの?」

「ラムステーキは好きだけど・・・」

「なんだよ、食べたいの?」

「関内にも専門店、あるんだよ??」


わかりました、行きましょう。
お望みの「ジンギスカン」に・・・(^_^;)


「じんじん」
 横浜市中区相生町1−11
 045−662−1540
 17:00〜29:00


「あれ? ここ??」

「そうなのよ〜」

「こんなんなっちゃったんだ」


店は黒っぽく塗られた、日本家屋。

明らかに和食店として活躍していた建物をジンギスカンができるようにリメイクしたようで、
店の外には豪快な煙突の配管が銀色に輝いてアクセントになっている。


だが、私達が驚いたのは、そんな店の造りじゃない。
なんと、店じまいをしてしまった「千明」の成れの果てだった・・からだ。


「なんだかなぁ・・・」

「千明は復活しないって事かしら」

「しかし、斜め後ろにもジンギスカン専門店があるし、
 ここはどうなっちゃうんだろうねぇ」

「ま、食べてみないとわかんないじゃん」


その通り。
食い物屋は、食べないとわからない。

という事で、店に飛び込んでみた。


「いらっしゃいませ!」

威勢の良いかけ声がかかるが、その主は爆発したようなヘアスタイルのヒョロッとした若者で、
店内に案内してくれるのは、ちょっとギャル系が入った茶髪小娘。

これは・・・期待薄すかも?
と、既に戦意喪失ではあるが、取り敢えず食べない事には・・・・ねぇ(^_^;)
(食い物屋の店員が、ボンバーヘッドじゃマズイでしょ?)


で、ジンギスカンのセットに生ラム角切りを追加してオーダーしてみた。


炭火の上に、例のジンギスカン鍋を載せた火鉢を小娘が持ってきて、
テーブルの上に置いてある石の敷物の上に載せてくれる。
(その石の敷物は、既にひび割れていたりするが・・・)

ジンギスカンのセットは、薄く切った羊肉ともやし・キャベツ・玉葱・シシトウの野菜盛り。
追加した生ラムは見た目が美味しそうな、良さげな肉だったが、なんとなく足りないような気がすでにしている。

出してくれたタレは、大根おろしに甘めの焼肉のタレを合わせたような物で、
甘さと塩辛さがちっとばかし強くて、どこかで食べたインスタントのタレにも似ていたりした。

鍋に脂身を塗ってからまず肉を焼き、出た脂を鍋の縁に落としつつ野菜を焼いていく。
炭の火力はなかなか強いのだが、肉は鍋に貼り付くわりには火の通りが悪く、
野菜ももやしがメインで味わいは尚更単調になっていった。



「なんかさぁ・・・ジンギスカンのタレって、もっと汁気が多くなかったっけ?」

「北海道の話?」

「うん、俺の記憶だと、鍋もこんな風にスノコみたいになってないし、
 縁に脂がたっぷり溜まって、そこで野菜を焼いて食べたものだったし・・・」

「確かにジンギスカン鍋って、こうやって穴は空いてないはずだけど、
 炭火で焼くからこれじゃないとダメなんじゃない?」

「なんか、違う食べ物のような気がするんですけど」


圧倒的に北海道と違うのはその量だ。

1人分に肉の追加で大丈夫だ・・と小娘は説明してくれたが、
2人で食べるにはいかにも少ない。

モヤシばかりの野菜に飽きてきた頃、角切りのラムを焼いてみたが、
これがまた時間がかかるのだ・・・(^_^;)


「絶対縁の部分にはもっと汁気があったよ。
 野菜から出た水と油でグッチャグッチャになってたはずだ」

「私は鍋しか記憶にないけど、このタレは随分辛くて・・・いやかも」
(この人の場合、味が濃いと必ず「辛い」と言う)


随分焼いた・・と思って角切り肉を食べてみると、
中はほとんど真っ赤なレア状態で、ラムステーキに比べて今一の味わいが
この肉を頼んだ事を後悔させてくれた。


「ジンギスカンて美味しい料理よね」

「美味しい?・・これが??」

「いや、客が勝手に調理してくれるから、
 手間がかからなくて安上がりって意味よ」

「焼き肉屋も似たような所あるよね」

「自分の家で、ラム焼いた方が良かったなぁ・・・」

「誘っといて・・・」

「仕事でろくなもん食ってないと思ったから、声かけたのよ」


ビールを飲むヒマもなく食べる事に没頭しているのに、
ちっとも焼き上がってくれない角切りの肉。

薄切り肉や野菜は火が通り過ぎる感じになっているのに・・・と少し苛ついてくる。


時間と手間がかかってそれほど美味しくなくて、
安い(1000円未満)料金も、その分量が少なければ嬉しくないし・・・・


「ねぇ、ここ切り上げて、ラーメンでも食べに行かない?」

「いいねぇ・・・
 でも、間違いなく食べ過ぎだねぇ」

「そんなに時間無いんでしょ?」


そうでした。
まだまだ、仕事は続くのです(▼▼メ)


「今度は、そっちのジンギスカン、行ってみる?」

「当分、いいです」


こっちが言い出す前に、
二度と行かないリストに書き込まれてしまったらしい・・・(^_^;)
2005年9月14日(水)   Midnight Noodle
例によって深夜まで食事をするタイミングを逸していた。

「ラーメンツアー行きませんか?」

「どこの?」
「揚州商人ならパス!」
「味の時計台は?」
「うまくないじゃん」
「たかさご・・・終わったかなぁ」

ゴチャゴチャと騒ぎ出す連中。

日頃はろくなもの食べてないクセに、
ラーメンだけはうるさかったりする(^_^;)

どうせだったら行きますか・・・肥猫

と提案すると、一同「?」の顔。

ラーメン発祥の地である中華街が意地で作った幻の麺があるんだよ・・と言うと、
今度は行こう!という合唱が起きた。


「麺将 会芳」
045−663−7207
横浜市中区山下町79
11:00〜26:00(スープ、麺無くなり次第終了)


「あっれ・・・・?」

「どうしたんですか?」

「店の名前が変わってる・・・・でも、
 肥猫ラーメンもあるなぁ・・・」

「そのラーメンがあるなら、いいじゃないですか」

「そうだね」


以前来た時は、店の名前が「肥猫」だった。
看板の色が少し明るくなった・・と思ったら、店の名前が変わっていたのだが、
目的のラーメンは存在しているらしい。

ラーメン好きとともに店に入ってみると、以前より幾分メニューが増えていて、
目的の物は1週間100食限定でちゃんと存在する。

しかもさらに、日本初の味を再現した「会芳ラーメン」(900円)なる物まである。

で、「肥猫ラーメン」(1000円)と「会芳ラーメン」の2種類を分けてオーダーした。

「肥猫ラーメン」
 烏骨鶏のゆで卵・煮込み卵・叉焼・メンマ・青菜・ネギ・海苔などがトッピングされ、
 2種類の味噌で調味されている。
 太目の縮れ麺も厳選された小麦粉と烏骨鶏の卵を使って作られている。

「会芳ラーメン」
 細いストレート系の麺で、たっぷりとした叉焼(煮豚)と幅5センチはある板状のメンマがのった、
 迫力あるラーメンで、スープは鶏ガラスープの塩味になっている。


「へぇ・・・」

と一同が驚くのは、スープの上品さ。
特に「会芳ラーメン」は、尖った所もなく奥行きのある白湯スープで、
若手にとっては塩味が足りない・・と言い出すほどの穏やかさ。

そして、2種類の味噌を使った「肥猫ラーメン」は、味噌ラーメンなんて・・・
と馬鹿にしていた連中も驚くほど、味噌が出しゃばらない絶妙な味だった。


「こういうラーメンって、いわゆる家系(横浜発祥の脂っぽいヤツ)の物とは違う食べ物ですね 」

「中華街に店があるからって、ここまで中華っぽくしなくても」

「これ、好きだな」

「味噌って、以外に美味いんですねぇ」


ラーメンって、夜中に食べるには重い物だとわかっていても、
夜中にふっと食べたくなる不思議な食べ物。

で、思いっきり身体に悪そうな脂ぎった味がまた、嬉しかったりするから、
痩せるわけないよな・・・と自嘲気味食べる快感があったりする。

この店のラーメンは、若手には物足りないほどの穏やかさでありながら、
美味しいと感じられる絶妙な味わいになっている事がよくわかった。

実際、今まで食べてきた「味噌ラーメン」の中で一番美味しいと私は感じている。

・・・・が、昼から何も食べていない空腹状態での感想ゆえ、
冷静になって食べたら、ここまで美味しいと感じないのかもしれない(^_^;)


ラーメン好きで穏やかな味も受け入れられる幅広さを持つ人、
是非この店で食べて、感想をm(__)m
2005年9月15日(木)   四川料理
スタッフと食事に出かけた。
昨日とはうって変わって、真昼の中華街だ(^_^;)


「重慶飯店 横浜中華街 本館」
 045−641−8288
 横浜市中区山下町164
 11:30〜22:00


今日のランチツアー参加者は7名。

誰かが辛くて美味い中華が食べたい・・と言ったので、
四川の名店を選ぶ事になった。

 マーボー豆腐×2
 イカと芝海老のバーベキューソース炒め
 中国麩の肉詰め辛子ソース掛け
 牛肉とキノコの炒め
 鶏肉の唐揚げ甘酢ソース掛け
 豚舌の和え物

という料理を並べて1人945円(税込)

ご飯と例湯(本日のスープ)ザーサイがつく。


この店は、中華街の中では味の変化が少ない優良店。
味もかなり良く、珠江飯店が広東料理のヒットメーカーなら、
重慶飯店本館は四川料理のトップランナーかも知れない。

しかし、これだけ色々な物を食べるためには、
一緒に食べる人間を揃えないといけないのが厳しい。

昼食に最初からコースを頼むほどの金銭的余裕も時間もないのだから、
こういうチャンスを生かさないと・・・・ね(^_^;)


小さめの茶碗にご飯を盛って、その上に麻婆豆腐をどっちゃりかけて、
箸でかき込むような食べ方がまた、美味しさを増してくれたりして、
ついつい食べ過ぎてしまう。
(辛いからご飯余計に食べるって事もあろうが)


「美味しい物を食べた時って、本当に幸せよね〜」

「あ〜、今殺してくれって感じだ」

「もう無いんすか?」


何故、会社はこんな食事がしやすい場所から移転してしまったのだろう・・・

と、歩いていける距離(結構あるけど)に中華街が有る事を棚に上げて、
贅沢な悩みを呟きたくなる。

でも、まぁ・・・

夜中や明け方に1人で松屋で食べる事を考えたら、
そんな事は言えない・・・なぁ(/--)/

2005年9月16日(金)   脱力
毎週の事なんだが仕事の山が木曜にあるので、
金曜は新たなウィークを迎える初日になる。

なのに、前日の後処理が残っていて仕事自体が切り替わり難く、
感情的にケジメがつかない苛つきが残っていたりする。

で、金曜・土曜は休み気分に浸ろうと努力するのだが、
明日は限界に挑戦するほど取材場所が多い取材デーなので、
今日こそ脱力したい・・・・と気持ちだけ休み気分。

がっつりビールを飲んで、ぐっすり寝て・・・・

と思う前に眠気が襲ってくる位、なんだか力尽きていた。


休みたいなぁ・・・(/--)/
2005年9月17日(土)   絶対は無い
「絶対に回れません。
 取材日をもう1日増やしましょう」

「あのさ、回れるかどうかの判断を聞いてんじゃなくて、
 1日で回る事を前提にスケジュール調整して、って言ってるんだよ?」

「無理ですよ」

「無理じゃないよ。
 大丈夫だから、とにかく調整してくれ」

「物理的に・・・」

「心配しなくていいから」


1日で8個所、それも川崎から小田原へ・・と移動もあって、
さすがの私もそれだけ数多い取材先を1日で回る事は初めてだった。

が、過去、似たような取材は山ほどやってきた。
と言うか、短時間に集中して取材する事は、どっちかと言えば得意な方なのだ。

勿論、移動距離という問題と、取材先のスケジュールに問題があって、
恐ろしい勢いで取材対象まで限定しないと無理な事はわかっている。
だがそれも、どうにかする・・という意志を持って、割り切って頑張れば、
どうにかなる計算は立っていた。

1個所30分の所要時間を設定し、取材対象も限定して現場に行くと、
何故か魅力的な物が山ほど待っていたりする。

で、それを可能な限り取材しつつ、タイムスケジュールに則って、
使わない物を切り捨てていくと・・・・
これがまさに不可能を可能にするパワーとなって、アシスタントが無理だと言った
スケジュール通りに取材は進行した。

これだけそつなく取材が進んだのは、アシスタントが考え抜いて立てたスケジュールが
実に巧妙にセッティングされていたおかげではある。

が、一発どこかでトラぶったり、道が渋滞したらそれでアウト・・・・
な事もまた、事実だった。


「ありがとう、無事、予定通り取材できたよ」

「マジですか?
 最初から徐々に押すと思ってたんですけど・・・」

「わかってないなぁ」

「何がですか?」

「俺って諦めが早いんだよ」

「うっそ・・・」


取材は緻密にしつこく、しかも対象の本性を引きずり出す事がコツなのだが、
時間が無い時は、事前に調べこんでおいて、現場では必要な物以外捨てるのもまた、コツなのだ。

そして、不可能だ・・と言われると俄然力が出る私にとっては、
「どうだ!」と言える結果を導き出す事が、快感にも繋がってしまう。

ただ1つ、アシスタントが言った通りの現実は起きてしまった。

そう・・・

食事をとる時間が一切無かったのだ。


ごめんよ、スタッフの皆さん。
これだけは私の本意じゃない。

メシも食わないで外仕事をするのは、
絶対したくない人なんだ・・・とわかって欲しい。


ほんと、
絶対・・という言葉は存在しないもんだねぇ(・_・、)
2005年9月18日(日)   盗難防止装置
夜中に、防犯ブザーが鳴る。

うるさいな・・と思うが、
ちょっと鳴っては止み、しばらくするとまた鳴る・・・というサイクルで、
深夜まで音の暴力は続くのだ。

子供が襲われるわけでもなく、女性が危険な目に遭ってるわけでもないのに
どちらかと言えば人通りの多い道で、いつも同じブザー音。

うるさい事もムカツクが、何が鳴ってるのかも気になって調べてみると・・・

なんとそれは
バイクの盗難防止装置の音だった。

人通りの多い道に路駐された大型スクーターは、
側に人が来るとセンサーが反応して、ブザーを鳴らす。

通り過ぎるだけでブザーが鳴るので歩行者は驚いてその場立ち去るが、
設定された時間ブザーは鳴り続けるままで・・・・うるさい(▼▼メ)

ブザーが鳴ったらオーナーが出てくるかと思いきや、
オーナーは出てくる気配もなく、ひたすらブザーが鳴り響く事になっているのだ。

近隣に住む、同じ悩みを持つ人達が集まりだし、
どうしようか・・と相談が始まった。

思いは同じ。
うるさい音をどうにかしたいだけなのだ。

で、結局、一番そのバイクに近い部屋に済む人が、警察を呼んだ。


「今の法律ですと、盗難防止装置が動作しているだけで、
 バイクを撤去するわけにはいかないんですよ」

「道路に駐車してるんだから、違法駐車で持っていけばいいじゃないですか?」

「そうですねぇ・・・
 まずは警告書を貼って、移動するなり
 センサーの感度を変えてもらようにしませんか?」

「駐禁やる場合は、容赦なしに全部持ってくじゃん? 
 ちゃんと駐車場借りてバイクを持っている人間から見たら、
 駐車場も借りないで騒音出してる、立派な迷惑行為だよ」

「お気持ちはわかりますが・・・」

「持っていってくれないなら、バイク壊して装置止めるぜ?」

「それは・・・器物損壊になりますので・・・」

「どっちの味方だよ?」


バイク一台のために、辺りは騒然とさえしてきたが、
それでもオーナーは出てこないままで、事態の解消は望めそうにない。


「高い金出して盗難防止装置をつけても、
 ブザーが鳴っても駆けつけられないオーナーじゃ、あまり意味がないねぇ」

「迷惑被ってるのはこっちなんだからね」

「鳴らないように壊しちゃっていい?」

「皆さん、お怒りの気持ちはよくわかりますので、
 警察の方でちゃんと所有者に話しますので、今晩はお引き取りください。」


翌朝、問題のブザーバイクは黄色い警告書を貼られたまま、
昨晩と同じ場所に路駐していた・・・と、友人から事細かく報告&調査が入った。


バイク乗りって、そんなに自分勝手なの?・・と。


ちょっと気を抜くとすぐ盗難にあうバイク。

ハンドルロック+チェーンなどは当たり前で、
ダブルチェーンにしたり、イモビライザーを付けたり、
はてはこのバイクのように振動センサー付きの盗難防止機器を組み込んで・・・

それでも、盗難は無くならないのが、今の現状。

盗まれたバイクが消えても警察は探さない事は既に常識だし、
盗まれやすいから・・と盗難保険も殆どかける事が不可能だったりする。

(鍵をかけ、別のチェーン(指定品)でロックし、さらに盗難防止装置をセッティングしていないと
 盗難保険が下りない・・・なんて言い切る保険会社もある(条件になってる))


泥棒天国とまで言われる現状にどうやったら立ち向かえるかはわからないが、
ちゃんとした駐車場を持たぬまま、廻りに迷惑を及ぼしかねない装置を付けて、
鳴っても出てこない神経もまた、信じがたい。

自分さえ良ければ・・・・・という考えしかできないのか、
装置さえつければ安全・・・という考えなのか。

なんだか、悲しくなる出来事ではあった。
2005年9月19日(月)   やっぱり
仕事が終わらない・・・・(・_・、)

と言うか、今日は世間様が休みだと、
よくわかっていなかったりする(^_^;)

深夜から、大げさなロケ隊が会社の側に陣取り、
通行の邪魔だ・・・と八つ当たりしつつ、
コンビニで飯を買いながら、翌朝までの締切を気にしている・・・・

で、朝になっちゃった・・・と(▼▼メ)


こんな日は、仕事以外に書くことってホントに少ない(爆)
2005年9月20日(火)   あやや
何だかシークレットライブをやるとかで、
その宣伝にあややが来ていた。

若手が踊る事しきりだが、この年代の目から見ると
若い娘は皆綺麗で眩しく見えるだけ。

ごく普通のカワイイ娘じゃん・・・と言ったら、
スレてる・・・とスタッフ言われた。


仕事柄、素敵な女性は山ほど見る機会があるし、
こっちも一々綺麗だ・・と感心してたら仕事にならないので、
いつの間にか、美人と感じるレベルがすっごく高くなってしまったようだ。

でも、いい女だなと感じる人は山ほど居て、
彼女らの良さは凄く主観的に感じる物だから、
感情の行き来の無い綺麗な娘を見ても、
「ごく普通のカワイイ娘じゃん」になっちゃうわけで・・・。

男も女も、誰もが皆、すごくいい顔を持っていて、
その特別な顔を見せるのは、心許した人だけだってわかっているから、
偶像にはち〜っとも惹かれない・・・・と。

で、そんな考え方って、バイクや時計の選び方にも似ているな・・と
漠然と感じたりもしている。

他人がどう評価しようと自分の気に入った物を選び、使い続ける気持ちは、
惚れ込む・・という感情に他ならないから、
心惹かれる気持ちと同じになる・・・と(^_^;)


しかし、寝ずに仕事していると・・・・ろくな事考えないなぁ(/--)/
2005年9月21日(水)   幸せの図
男の子を連れたオヤジが店に入ってきた。

その店は、大衆酒場をちょっと高級にしたような店で、
新鮮な魚がちっとばかし魅力的で、しかも値段もソコソコの有り難い店。

ただ、小学生に見える男の子には、ちょっとばかり荷が重い感じがして、
こ〜いう店には不似合いな客に見えるのは事実だった。

オヤジは「生ビール!」と叫び、
男の子は負けずに大きな声で「お水ください!」と叫ぶ。

と同時に、店内に少しだけ穏やかな空気が流れた。

こういう店に入って、コーラとかジュースとかを子供が頼むのは当たり前で、
でもそれは、子供にとってはあまり飲ませたくない飲料でもあるから、
その子がお金のかからない水をちゃんとした言葉遣いで頼んだ事が、
廻りの大人から見ても、ほっとできるポイントになったのだろう。

オヤジは子供のために、鉄火丼の小さいヤツとみそ汁、
そして鶏の唐揚げとポテトサラダをオーダーする。

そして自分のために、刺身の盛り合わせを追加した。

どーやらオヤジは、あまり家に帰れない仕事をしているらしい。
子供に、学校の事であった事を尋ねながら、楽しそうにビールを干している。

子供はオヤジの刺身に手を出したり、唐揚げを美味しそうに食べたり・・と
マイペースで食事をとる。

本当はゆっくりと見ているヒマなんて無いのだが、
なんとなく微笑ましいくてついつい観察モードに入ってしまった。

自分にとっては、こんな風に父親と食事をするなんて事はなかったから、
ちょっとだけその子が羨ましく見えたのかも知れない。


店の中は白いワイシャツに紺のパンツを履くサラリーマンばかり。

明らかに異質な、ちょっと遊び人風にも見える風体のオヤジはカタギには見えず、
子供をどうやって育てているんだろうか?・・と気になったりもする。

と、そこに白いスーツを着た綺麗な女性が現れた。

オヤジばかりの店内が、ぱっと明るくなる。

彼女はニコニコ笑いながら、オヤジと子供の席に向かった。


「お待たせ〜
 仕事押しちゃって」

「客のわがまま?」

「ちょっとトラブル。
 で、手直ししてたら・・・こんな時間」


そっか・・・
待ち合わせしてたんだ・・・
押して・・・という言葉を使うから、同業者か(^_^;)


自分が育った時代に、こんなシーンはあり得なかった。
外食自体が希有な事だったし、子供を飲み屋に連れていける度胸も親には無かったろうし、
まして、父親のいない私には、父母の揃う食事自体、あり得ない。


彼女はビールをグイッとあおり、刺身に手を出しながら、
その日の仕事の事をオヤジに報告しつつ、笑顔を振りまいている。

そうしているウチに、男の子は眠そうに欠伸を1つ・・・
と、オヤジは食事を切り上げて、支払いに立った。


別になんて事のない、生活の1シーン。

飲み屋に似合わない家族連れなのに、
その子の礼儀の良さや振る舞いが違和感を感じさせないから、
彼らにとってはよくある食事の形なのだろう。


さぁ・・・

戻って、仕事・・・か(/--)/
2005年9月22日(木)   大切な事?
「久々に焼き鳥でぱっといきませんか?」

「今日って,連休前の給料日だぜ?
 そういう店って混んでるじゃないのかな??」

「ここら辺は店多いんで,どうにかなるでしょ。
 クーポンもあるし・・・」

「そういう店が一番最初にいっぱいになるっしょ?」

「そういう前に行ってみましょ。」


スタッフと一緒にサラリーマンの町に繰り出したが,
案の定,安くて美味しい店は尽く満席で,宴会流民となってしまった。


「どっか良い所,知りませんか?」

「うー・・・んじゃ,焼き鳥屋じゃないけど
 親子丼が美味しい店があったから行ってみるか」

「和食ですか?」

「創作料理と称した居酒屋」


元々こんな日に飲み会を開くのは失敗だった。

ただ,前々から飲もう・・・という話があったので,
会社を離れていた懐かしいスタッフもわざわざ来る事もあって,
強引に店を探す羽目になったのだが,人数が多いと希望も多く,
全員の希望に適う店なんぞあるわけも無いのだ。

だが,その店はかろうじて全員が座るスペースが空いていて,
どうにか生ビールにはありつけた。


「乾杯!」
「お疲れ〜」
「久しぶり〜」
「うめぇ〜」

皆で飲めれば,とりあえず文句はない。

30名入ればいっぱいな感じの店は見事に満席で,
どーみても堅い仕事に就いているだろうサラリーマン軍団から,
若いカップル,若手サラリーマングループに,同伴カップルまで揃っている。

その中で我々はある意味異質な格好をしつつ,例によって朝から飯食ってないスタッフもいて
ビールの後にはまず食わせろ!という気迫を目一杯振りまいていた。

それでは・・・とメニューを見ると,料理が意外に少ない。
ホワイトボードのオススメ(500円)メニューも合わせてオーダーする。

魚のすり身の春巻揚げ(オススメ)
キャベツシューマイ
ピーマンの肉詰め(オススメ)
豆腐とじゃこの野菜ソースがけ(オススメ)
ガリとトマトのサラダ
焼き鳥盛り合わせ


ビールが無くなる頃出てきた焼き鳥の盛り合わせ(1500円×2)は,
あの親子丼の味を彷彿とさせる旨さ。


「美味いっすねぇ〜」
「いける!」

「だっろ〜」


一応,まともだよ・・と言って連れてきた以上,それなりでないとね(^_^;)
と,ここまでは良かったのだが,この後がいけなかった。


「すいません,焼酎ください〜!」

「飲み方は?」

「ウーロン茶で」(525円)


と頼んで出てきたのが水のセット(525円)


「お〜い,違うよ!」


と叫んだが,店員には声が届かないらしい。


「ど〜する?」
「いいよ,このままで」
「そうは行かないっす。 すいませ〜ん!!!」


大声を上げた結果,カラフェに入ったウーロン茶がやっと届いたが,
料理がちっとも届かない。


「次が来ないっすねぇ」
「店が混んでるんだから仕方ない。」
「待ってりゃ,そのうち来るよ」

よくある話だ。
混んでる店では,オーダーががちゃがちゃになって,
頼んだ物が忘れ去られたりする・・・。

久々に会った人間も居るので,話が弾んでどうにか場は持ったが,
ぽつりぽつりと料理が出るうちに店がだいぶ空いくる。

ふっと気付けば,店に入って2時間は過ぎているのに,
まだ2つ料理が出ていない事に気付いた。


「いくらなんでも,忘れてるんじゃない?」

「そうだねぇ。ちょっとクレームしますかねぇ」

「お待たせしました。ピーマンの肉詰めです。」

「お〜,やっと出たよ。あれ?こ〜いう感じなんだ」


出てきた料理は,ピーマンのへたの部分をすっぱりと切って,種の部分をくりぬいて
そこに味付けした挽肉を詰めた物だった。


「いわゆる半分に切ったやつじゃ,ないんだ」

「俺も,そういう物が出ると思ってたけど・・・
 この格好だと,分けるのは難しいね,どうしよう」

「すいませ〜ん!!
 ピーマンの肉詰めって今頼むと,何分で出ます?!!!」


大人しく飲んでいた1人が,大声で厨房に直接尋ねた。
・・と,厨房から直接


「5分でできます!」


と返ってきた。

で,人数に足りる分をすかさずオーダーすると・・・

2分位で本当に出てきた。


「ど〜考えても,オーダー入ってないよ。」

「そうだねぇ」

「ちょっと言いますわ,私」


飲食店でオーダーを外される事ほど,腹が立つ事はない。

後に来た客の所に料理がでて,こっちには何も出ない・・・とか,
1人分足りないまま料理が進行してしまう・・・とか,
客の身になって考えればできそうにない事を,平気でやっちゃう店は多くある。

せっかくの飲み会も,店のエラーでつまらなくなってしまうのは悲しいから,
私は一切文句を言わずに皆をなだめていたのだが,客がほとんど帰ってもまだ
料理が一品出ない状況に文句を言う若手を制する事はできなかった。


勘定を済ませ,店を出ようとした時,
日頃滅多な事では怒らない中堅スタッフが店員を外に呼んだ。


「この店は,食べてもいない物の金まで取るのか?」

「そんな事はございません」

「さっき,オーダー入ってるって聞いた時,仕切ってるおばさんが『他へだしちゃったよ』と
 平気で言ってたよね?
 聞こえないとでも思った?
 それに,こっちが出てないって言うまで気付かなくて,それも出てないって事を疑ったよねぇ?」

「そんな事は・・・」

「責任者呼んできなよ」


いつから自分は,ここまで怒らなくなったのだろう・・・

彼は私が大人しくしていたから,
押さえていたのだと思う。

そして,他の客の前ではなく,外でクレームをつけるという配慮までして,
怒りを店員にぶつけたのだろう。

私はそれを見ていて,
スタッフをなだめよう・・という気にしかなれなかった。


自分が怒る時は,その場で責任者を呼んでしまうし,
その場合は,もっと厳しく責任追及をしていたろう。

しかし最近は,そういった店に入ったら,
その店を選んだ自分を責めるようになっていて,
怒る前に料理を断って出る,という事で最低限の抗議をする位だ。

たぶんそれは,経験値の違いで,
直接担当していない店員に頭を下げさせる事に,
あまり意味を感じない性格もあるのだろう。

クレームつける時は,企業だったら本社に付けるし,
個人店だったら,確実に責任者に届くように声を上げている。

そして,その後もう一回行って,クレーム対象となった事が改善しているか
確認してから「2度と行かないリスト」に載せるだけの事で・・・(^_^;)


客商売にとって大切な事は,
どれだけ客の立場に立って物事を見るかって事だけど,
これってすべての人間関係に通じる事。

相手の立場に立つ事がどれほど難しいかは解っていても,
相手がこっちの気持ちを理解できない行動を取れば,確実に腹が立ってしまうわけで・・・

やっぱり,週末の居酒屋なんて,行くもんじゃないって事・・・かねぇ(/--)/
2005年9月23日(金)   秋田比内や 平戸庵 元町
「今,チャーミングセールで元町にいるんだけど,
 落ち合って食事しない?」

「なんだよ,もっと早く連絡してよ」

「今日,出るって言わなかったっけ?」

「聞いてない」

「たまには元町で食事もいいかな」

「あの,チャーミングセールの時,元町で食事をするのは
 自殺行為なんですけど?」

「あなたなら知ってると思ったのに」

「無理です」

「どっかな〜い?」

「無理ですって」


わがままなオーダーを聞きつつ考えるのは,
休日に座れて美味しい店。

元町なんて予約しないと絶対無理だし,中華街も並ばないと無理。
ビスコンティも・・・予約無しでは無理?だし・・・

そうだ,気になる焼き鳥屋があったじゃないか・・・(^_^)


「秋田比内や 平戸庵 元町店」
 045-663-6969
 横浜市中区山下町161
 ランチ  11:00〜15:00(L.O.14:30)
 ディナー 17:00〜23:00(L.O.22:30)
 無休

前にビスコンティに振られた時気付いたこの店,
実は以前,メキシコ料理を出す別の店だったのだ。

比内地鶏と言えば,秋田の名産。
天然記念物である比内鶏とロードアイランドレッドを掛け合わせて作ったのが比内地鶏で,
雌の方が美味しいとされていて,噛むほどに味わい深い鶏肉があまりに有名だ。

・・・が,ちゃんとした比内地鶏を,食べた事は過去1度だけ。
それも,水炊きで茹でられちゃった状態の肉が少なくて・・・・
これが比内地鶏か・・・と記憶できる味とが言い難かった。


「すいません,串コースを。
 それと揚げ餃子とにんにくの丸玉揚げも」

「にんにく〜♪」


ちょっと喉が痛いから元気出したいし,青森県田子産だから・・・
と言い訳しつつ,実は大好物のにんにく丸揚げをオーダーする。

初めて入る店だから,コース(ドリンク1杯・前菜・串5本・揚げ物・雑炊で3000円)を
頼んで様子を見る事にして,周りを見ると客の入りはまだ疎ら。
(で,なきゃ,すんなり入れなかった)

この客の入りの悪さが,唯一心配の種だったのだが,
料金を見るとそれなりに高いので,鶏好き以外は来ないだろう・・と想像できた。
(1串350円〜)

だが,鶏専門店は侮れない。
「纜」がそうなように,一本のボリュームが半端じゃない事もあって,
実は5本も食べきれるかさえ,心配なのだ。


ももと胸肉の刺身(前菜)
むねと皮の抱身(胸肉を皮でくるんだ焼き鳥)
ねぎま(葱ともも・胸の合わせ串)
バラ(横隔膜)
手羽先(ピリ辛醤油で味付けした物一本)
つくね(タレで味付けし,比内地鶏の卵黄をからめて食べる串)
揚げ出し豆腐(揚げ物)

まずは前菜に出された刺身を食べてみると,
臭みなど一切なく,味わいも深くてその美味しさにほっとする。
この店をチョイスした事が正解だった・・・という事は,連れ合いの顔を見るまでもない。


「ねぇ,なんか美味しい〜」

「だからさぁ・・・美味しい焼き鳥ってあるんだってば。
 前から『纜』に行こうって言ってたじゃん」

「連れてって・・て言ってるでしょ?
 あなたが行ける時間に仕事終わらないだけでしょ??」


地雷踏んだようで・・・


客が少ないせいか順調に焼いて出してくれる串は,
大和地鶏に比べればあっさりとした脂で,すっきりとした食感を与えてくれるが,
鶏肉としての美味しさは,穏やかにしっかりと伝わってくるものばかり。

そしてやっぱりボリュームが結構あって,サイドオーダーした事を若干後悔しつつも,
最後の雑炊を500円プラスして親子丼にする事を意識させられる。


180日間放し飼いにした比内地鶏を使ってる・・・と言うが,
それがどれだけ味に反映されているかはわからない。

ただ「纜」以外の焼鳥屋で,美味しいな・・と思える店に会えるとは思っていなかったから,
まさにチャーミングセール様々と言っていいかもしれない。


最後に出してもらった親子丼は・・・・
美味すぎた(^_^;)

しかし・・・・
痩せるわけないよねぇ(/--)/

2005年9月24日(土)   強制終了
朝起きたら,喉が痛い。
立ち上がると,少し目眩。

天気予報は台風の接近を告げ,
仕事に行く時刻はどんどん近づいてくる。

という事で,今日は久々に寝る事にした(^_^;)

たまには仕事の回路を強制終了しないとね・・・(/--)/
2005年9月25日(日)   ひたすら
昨日休んだ分を取り返すべく、ひたすら仕事しているのだが・・・
世間は連休で浮かれているらしく、会社の廻りでは食事をする事も難しい。
(オフィス街は休日は休む)

おまけに思いっきり寒くて、思わず革ジャンを着ようか・・とさえ思った(^_^;)

汗かきタイプの私にとって嬉しい気候変化だが、
いきなり気温が変わると体調を崩す人も多くでる。

そう・・・
私も、ちょっとだけやられて寝込んだのだが、
アシスタントは完全ぶ潰れてしまったようだ。


休みたくても休めない仕事だから頑張れるのかも知れないが、
そう言えば寝込んで動けないほど酷い状態に陥らないのは、何故だろう?

気合いだ・・・と言い切っちゃう同僚もいるけど、
要は、体調維持のルールができあがっているんじゃないか・・・と思う。

ちゃんと食べて、短時間でも集中して寝る・・・だけなんだけど、
それができない時は消耗しておかしくなるようだ。


バイクでもそうだけど、集中している時はどうにかなる。
(それを「気合い」と言うならそうかも知れないけど)

ひたすら集中して、他の事に意識を取られないようにすれば、
ほんと・・・どうにかなってしまう。

ただ・・・
そのスイッチが入らない事も・・・
あるんだよね(/--)/
2005年9月26日(月)   再発か?
忙しくて、ちゃんと食べていなかった。

1人でこなさなきゃ行けない事が多くて、
手が回らなかった。

そう・・・
飯をちゃんと食っていなかったのだ。


あまりに腹が減ったので、
コンビニに出かけてサンドイッチを買う。

帰りになんの気なしに手提げのレジ袋を振ってみて、
異変に気付いた。

白いレジ袋の後に赤い残像が見える。


何じゃこりゃぁ・・・
と、振りまわしてみるうちに、白いレジ袋も形が変わって見えるほど、
残像が出るようになってきた。

あれ・・・
物が変な風に見えちゃうぜ・・・
困ったなぉ・・・
(最近、変な事が起きても、驚かなくなった(^_^;))


困っても、どうにもならないので、
とにかくデスクに戻ると・・・・
マックの白い筐体が、大きさが変化して見える・・・
と同時、少し気持ち悪くなってきた。


あ・・・
目眩じゃん・・・・

ちょっとばかり歩くのが難しい感じになるが、
こういう時は、せっかく買ってきたサンドイッチを食べてから
考えればいい。

歩けなかったら、座ってるうちに出来ちゃう仕事すればいいし、
仕事が終わっても動けなかったら、その時は堂々と救急車でも呼べばいい。
(その前にデスクで寝ちゃうけどね(爆))

空きっ腹にサンドイッチを突っ込み、クラクラする視界に耐えながら、
仕事を保留して気休めになる事を2・3やっているウチに、普通の状態に戻った。

この、戻る・・・という事が、すごく大切。

何故なら、戻らなくなると「入院」しかなくなるから・・だ。
(以前、診断された時、そう言われた)


せっかく過ごし易くなってきたのに、身体が不調じゃぁ・・・意味ないじゃん(/--)/
2005年9月27日(火)   Midnight Foods
またもや行ってしまった「揚州商人」

今日は無性に麺類が食べたくて飛び込んでしまったのだが、
さすがは深夜、誰も客が居なかった。

目に止まったのは「上海焼そば」。

写真はど〜見てもソース焼そばなのだが、
堂々と「上海焼そば」と名乗っている。

生ビールと焼きそばを頼んで、待つ事暫し・・・

出てきたのは、薄切りの豚肉と申し訳程度にのったモヤシ&ピーマン・・・・
いや、野菜はほとんどモヤシだけと言ってもよくて、後は細い麺で作られた
ソース色の焼そばだった。

イメージと違い過ぎる・・・

食べてみると、ソース味ではなくごく普通の中華味。
(何じゃそれ(^_^;))

問題の色は黒酢か何かを使って染まったものらしく、
細い麺はべったりとまとまって・・・・・

はぁ・・・
また、どうでも良い物を食べてしまったらしい・・・(^_^;)

まぁ、上海焼そばって物が、こういう物なんだよ!と
強く言えるほど概念も無いので、ある意味どうでも良かったのだが、
野菜たっぷりの柔らかい麺をちゃんとフライパンで焼いて、一部ちょっと焦げたりして
固くなった部分も持ちながら・・・・ネチョッとした食感もある焼そばが好きだったりする。

勿論、お酢を振りかけ、カラシもちょっとのっけながら、
ビールと一緒にモクモク・・・と食べるのが、良い。


はぁ・・・
腹減ったなぁ・・・(/--)/
2005年9月28日(水)   巨食
なぜだかわからないけど、何を見ても食べたくなる(^_^;)

コンビニではおにぎりが食べたくなるし、ジャンクフード系の店なら迷わず飛び込みたくなるし、
ファミレスなんか見た日にはもう・・・・・

これって、ストレスだってわかっているのだが、
食べられないよりはマシ・・・と、気にしないで食べてしまうようにしている。

何故なら、こういう時に食べないで我慢すると、
結果的にもっと自分を追い込む事がわかっているからだ。

でも今日は・・・・
忙しくて、昼も夜もコンビニのサンドイッチばかり・・(^_^;)

で、またもや目眩が襲ってきて、
食べないでいた自分の馬鹿さ加減に、ちょっとだけ呆れてしまう。

クライアントに振りまわされた今週は、
余計な作業が多く出て、アシスタントの大切が身に浸みてもいるのだが、
彼は今週いっぱいで契約が終わる。

次の人間が諸般の事情で決まらず、来週からは作業量が増える事は必至となり、
そんな事もまた、ストレスを増やす事につながっているのだろう。

今月いっぱいで会社を移る人間が多く、明日からは送別会のハシゴが始まるというのに、
体調は良くないんだよねぇ・・・(・_・、)

と言いつつ、夜中にまた、おにぎりを食べている(爆)
2005年9月29日(木)   観光カリスマ?
今週は観光の話題を取り扱った。

観光カリスマと呼ばれる人と話をしながら、
観光を別の角度から見るようにしたのだが・・・

このカリスマが面白い人だった。

観光とは、自分がどこかに行って楽しむだけじゃない。
自分の住む場所の観光資源を掘り起こし、観光ポイントを作り出す事もまた
観光の大事なパートだ・・と彼は言う。

今自分が生きているという事は、先祖が居て、生きている場所もあって、
糧を得る事もできているから、成り立っている。
だから自分の町の歴史にも目を向ける事で、郷土愛が育まれていくのだ・・・と。

観光を、郷土愛という見方で切り取る事は過去無かったので、
仕掛ける側の想いや意味を知るにつけ、観光に対する概念が再構築されていく事に気付く。

世の中は広い。

自分の常識だけが判断基準でいる事の危うさを知っていても、
観点を変える意味と重要性がわかっていても、
無意識に固定された視点で物事を判断している自分に気付くには、
こういった人との話が必要だ・・・思い知る。

まだまだ私は、若造の域を出ていない・・・らしい(/--)/
2005年9月30日(金)   もーいらん
飲みたくもない酒を飲み続けていると、心より体が先にギブアップするらしい。

昨日から送別会が続いていて、体調も悪化。

時折襲う目眩と、少し熱っぽい感じが抜けきらず、
体温調整がうまくいかないため、汗をかいたり震えがきたり・・・

そんな状態でありながら、今日は会社をあげての送別会があるため、
飲みたくない酒飲み大会に出撃となってしまう。

昨日は、私が店を選ぶ事ができたため飲み過ぎても悪酔いまでしなかったが、
それでも午前中は酔いが抜けきれずに気持ち悪さがつきまとう量を飲んでいた。

で、今日は・・・・・

やっぱり・・と言うか、必然と言うべきか、飲ませりゃいいだろ?的な店での開催となり、
フリードリンク制&つまみ数点セットで、飲む方はとにかく食べ物が最悪だったのだ。


レタスだけのサラダ(思えば、これが一番まともだったかもしれない)
白身魚のカルパッチョ(レッドペッパーの味のみ)

にんにくとオリーブのピザ(素材の味のみ)

白身魚のグリル(スズキの半身を豪快に焼いてあるが、味がついてない)

鶏肉料理(モモ他の肉だけど炒めたものらしいが、これ塩味が強いだけ)

よくわからないピザ(赤い色がついているが、トマトソースっぽい味はあまりしない)

シーフードスパゲッティ(ぬちゃっとした茹ですぎパスタに帆立のヒモとかが入って
            味としては一番バランスが良かったが・・・)


前回その部署が主催した飲み会も、同じように飲む量に主眼がおかれた店選びで、
人数が多い分ダラダラと進行しドリンクマラソンが続くだけの展開だったのだが、
仕切っている部長クラスはいわゆる団塊の世代で、
とにかく浴びる程飲ませておけば大丈夫と信じているのだろう。


酎ハイは麦焼酎で作ってくれる確約がないので飲みたくないのだが、
この日出されたビールは生ではなくハートランドだけだったので、
5本も飲んだらビール好きの私も飽きてしまう・・・・

で、違う物に手を出すと・・・・・
頭がぐるぐるぐる・・・・・

もう、当分の間、こういう飲み会は遠慮したいのだが・・・
このシーズンって・・・多いんだよねぇ・・・(・_・、)


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