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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

大切な事?

「久々に焼き鳥でぱっといきませんか?」

「今日って,連休前の給料日だぜ?
  そういう店って混んでるじゃないのかな??」

「ここら辺は店多いんで,どうにかなるでしょ。
  クーポンもあるし・・・」

「そういう店が一番最初にいっぱいになるっしょ?」

「そういう前に行ってみましょ。」


スタッフと一緒にサラリーマンの町に繰り出したが,
案の定,安くて美味しい店は尽く満席で,宴会流民となってしまった。


「どっか良い所,知りませんか?」

「うー・・・んじゃ,焼き鳥屋じゃないけど
  親子丼が美味しい店があったから行ってみるか」

「和食ですか?」

「創作料理と称した居酒屋」


元々こんな日に飲み会を開くのは失敗だった。

ただ,前々から飲もう・・・という話があったので,
会社を離れていた懐かしいスタッフもわざわざ来る事もあって,
強引に店を探す羽目になったのだが,人数が多いと希望も多く,
全員の希望に適う店なんぞあるわけも無いのだ。

だが,その店はかろうじて全員が座るスペースが空いていて,
どうにか生ビールにはありつけた。


「乾杯!」
「お疲れ〜」
「久しぶり〜」
「うめぇ〜」

皆で飲めれば,とりあえず文句はない。

30名入ればいっぱいな感じの店は見事に満席で,
どーみても堅い仕事に就いているだろうサラリーマン軍団から,
若いカップル,若手サラリーマングループに,同伴カップルまで揃っている。

その中で我々はある意味異質な格好をしつつ,例によって朝から飯食ってないスタッフもいて
ビールの後にはまず食わせろ!という気迫を目一杯振りまいていた。

それでは・・・とメニューを見ると,料理が意外に少ない。
ホワイトボードのオススメ(500円)メニューも合わせてオーダーする。

魚のすり身の春巻揚げ(オススメ)
キャベツシューマイ
ピーマンの肉詰め(オススメ)
豆腐とじゃこの野菜ソースがけ(オススメ)
ガリとトマトのサラダ
焼き鳥盛り合わせ


ビールが無くなる頃出てきた焼き鳥の盛り合わせ(1500円×2)は,
あの親子丼の味を彷彿とさせる旨さ。


「美味いっすねぇ〜」
「いける!」

「だっろ〜」


一応,まともだよ・・と言って連れてきた以上,それなりでないとね(^_^;)
と,ここまでは良かったのだが,この後がいけなかった。


「すいません,焼酎ください〜!」

「飲み方は?」

「ウーロン茶で」(525円)


と頼んで出てきたのが水のセット(525円)


「お〜い,違うよ!」


と叫んだが,店員には声が届かないらしい。


「ど〜する?」
「いいよ,このままで」
「そうは行かないっす。 すいませ〜ん!!!」


大声を上げた結果,カラフェに入ったウーロン茶がやっと届いたが,
料理がちっとも届かない。


「次が来ないっすねぇ」
「店が混んでるんだから仕方ない。」
「待ってりゃ,そのうち来るよ」

よくある話だ。
混んでる店では,オーダーががちゃがちゃになって,
頼んだ物が忘れ去られたりする・・・。

久々に会った人間も居るので,話が弾んでどうにか場は持ったが,
ぽつりぽつりと料理が出るうちに店がだいぶ空いくる。

ふっと気付けば,店に入って2時間は過ぎているのに,
まだ2つ料理が出ていない事に気付いた。


「いくらなんでも,忘れてるんじゃない?」

「そうだねぇ。ちょっとクレームしますかねぇ」

「お待たせしました。ピーマンの肉詰めです。」

「お〜,やっと出たよ。あれ?こ〜いう感じなんだ」


出てきた料理は,ピーマンのへたの部分をすっぱりと切って,種の部分をくりぬいて
そこに味付けした挽肉を詰めた物だった。


「いわゆる半分に切ったやつじゃ,ないんだ」

「俺も,そういう物が出ると思ってたけど・・・
  この格好だと,分けるのは難しいね,どうしよう」

「すいませ〜ん!!
  ピーマンの肉詰めって今頼むと,何分で出ます?!!!」


大人しく飲んでいた1人が,大声で厨房に直接尋ねた。
・・と,厨房から直接


「5分でできます!」


と返ってきた。

で,人数に足りる分をすかさずオーダーすると・・・

2分位で本当に出てきた。


「ど〜考えても,オーダー入ってないよ。」

「そうだねぇ」

「ちょっと言いますわ,私」


飲食店でオーダーを外される事ほど,腹が立つ事はない。

後に来た客の所に料理がでて,こっちには何も出ない・・・とか,
1人分足りないまま料理が進行してしまう・・・とか,
客の身になって考えればできそうにない事を,平気でやっちゃう店は多くある。

せっかくの飲み会も,店のエラーでつまらなくなってしまうのは悲しいから,
私は一切文句を言わずに皆をなだめていたのだが,客がほとんど帰ってもまだ
料理が一品出ない状況に文句を言う若手を制する事はできなかった。


勘定を済ませ,店を出ようとした時,
日頃滅多な事では怒らない中堅スタッフが店員を外に呼んだ。


「この店は,食べてもいない物の金まで取るのか?」

「そんな事はございません」

「さっき,オーダー入ってるって聞いた時,仕切ってるおばさんが『他へだしちゃったよ』と
  平気で言ってたよね?
  聞こえないとでも思った?
  それに,こっちが出てないって言うまで気付かなくて,それも出てないって事を疑ったよねぇ?」

「そんな事は・・・」

「責任者呼んできなよ」


いつから自分は,ここまで怒らなくなったのだろう・・・

彼は私が大人しくしていたから,
押さえていたのだと思う。

そして,他の客の前ではなく,外でクレームをつけるという配慮までして,
怒りを店員にぶつけたのだろう。

私はそれを見ていて,
スタッフをなだめよう・・という気にしかなれなかった。


自分が怒る時は,その場で責任者を呼んでしまうし,
その場合は,もっと厳しく責任追及をしていたろう。

しかし最近は,そういった店に入ったら,
その店を選んだ自分を責めるようになっていて,
怒る前に料理を断って出る,という事で最低限の抗議をする位だ。

たぶんそれは,経験値の違いで,
直接担当していない店員に頭を下げさせる事に,
あまり意味を感じない性格もあるのだろう。

クレームつける時は,企業だったら本社に付けるし,
個人店だったら,確実に責任者に届くように声を上げている。

そして,その後もう一回行って,クレーム対象となった事が改善しているか
確認してから「2度と行かないリスト」に載せるだけの事で・・・(^_^;)


客商売にとって大切な事は,
どれだけ客の立場に立って物事を見るかって事だけど,
これってすべての人間関係に通じる事。

相手の立場に立つ事がどれほど難しいかは解っていても,
相手がこっちの気持ちを理解できない行動を取れば,確実に腹が立ってしまうわけで・・・

やっぱり,週末の居酒屋なんて,行くもんじゃないって事・・・かねぇ(/--)/

 
 
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