「最近、ジンギスカンが流行ってるんだって?」
「らしいねぇ」
「渋谷なんて、あっちもこっちもジンギスカン専門店があるよ?」
「牛肉問題で肉から遠ざかっている連中を呼び寄せるために、
北海道名物を持ち込んだだけじゃないの?」
「ラムステーキは好きだけど・・・」
「なんだよ、食べたいの?」
「関内にも専門店、あるんだよ??」
わかりました、行きましょう。
お望みの「ジンギスカン」に・・・(^_^;)
「じんじん」
横浜市中区相生町1−11
045−662−1540
17:00〜29:00
「あれ? ここ??」
「そうなのよ〜」
「こんなんなっちゃったんだ」
店は黒っぽく塗られた、日本家屋。
明らかに和食店として活躍していた建物をジンギスカンができるようにリメイクしたようで、
店の外には豪快な煙突の配管が銀色に輝いてアクセントになっている。
だが、私達が驚いたのは、そんな店の造りじゃない。
なんと、店じまいをしてしまった「千明」の成れの果てだった・・からだ。
「なんだかなぁ・・・」
「千明は復活しないって事かしら」
「しかし、斜め後ろにもジンギスカン専門店があるし、
ここはどうなっちゃうんだろうねぇ」
「ま、食べてみないとわかんないじゃん」
その通り。
食い物屋は、食べないとわからない。
という事で、店に飛び込んでみた。
「いらっしゃいませ!」
威勢の良いかけ声がかかるが、その主は爆発したようなヘアスタイルのヒョロッとした若者で、
店内に案内してくれるのは、ちょっとギャル系が入った茶髪小娘。
これは・・・期待薄すかも?
と、既に戦意喪失ではあるが、取り敢えず食べない事には・・・・ねぇ(^_^;)
(食い物屋の店員が、ボンバーヘッドじゃマズイでしょ?)
で、ジンギスカンのセットに生ラム角切りを追加してオーダーしてみた。
炭火の上に、例のジンギスカン鍋を載せた火鉢を小娘が持ってきて、
テーブルの上に置いてある石の敷物の上に載せてくれる。
(その石の敷物は、既にひび割れていたりするが・・・)
ジンギスカンのセットは、薄く切った羊肉ともやし・キャベツ・玉葱・シシトウの野菜盛り。
追加した生ラムは見た目が美味しそうな、良さげな肉だったが、なんとなく足りないような気がすでにしている。
出してくれたタレは、大根おろしに甘めの焼肉のタレを合わせたような物で、
甘さと塩辛さがちっとばかし強くて、どこかで食べたインスタントのタレにも似ていたりした。
鍋に脂身を塗ってからまず肉を焼き、出た脂を鍋の縁に落としつつ野菜を焼いていく。
炭の火力はなかなか強いのだが、肉は鍋に貼り付くわりには火の通りが悪く、
野菜ももやしがメインで味わいは尚更単調になっていった。
「なんかさぁ・・・ジンギスカンのタレって、もっと汁気が多くなかったっけ?」
「北海道の話?」
「うん、俺の記憶だと、鍋もこんな風にスノコみたいになってないし、
縁に脂がたっぷり溜まって、そこで野菜を焼いて食べたものだったし・・・」
「確かにジンギスカン鍋って、こうやって穴は空いてないはずだけど、
炭火で焼くからこれじゃないとダメなんじゃない?」
「なんか、違う食べ物のような気がするんですけど」
圧倒的に北海道と違うのはその量だ。
1人分に肉の追加で大丈夫だ・・と小娘は説明してくれたが、
2人で食べるにはいかにも少ない。
モヤシばかりの野菜に飽きてきた頃、角切りのラムを焼いてみたが、
これがまた時間がかかるのだ・・・(^_^;)
「絶対縁の部分にはもっと汁気があったよ。
野菜から出た水と油でグッチャグッチャになってたはずだ」
「私は鍋しか記憶にないけど、このタレは随分辛くて・・・いやかも」
(この人の場合、味が濃いと必ず「辛い」と言う)
随分焼いた・・と思って角切り肉を食べてみると、
中はほとんど真っ赤なレア状態で、ラムステーキに比べて今一の味わいが
この肉を頼んだ事を後悔させてくれた。
「ジンギスカンて美味しい料理よね」
「美味しい?・・これが??」
「いや、客が勝手に調理してくれるから、
手間がかからなくて安上がりって意味よ」
「焼き肉屋も似たような所あるよね」
「自分の家で、ラム焼いた方が良かったなぁ・・・」
「誘っといて・・・」
「仕事でろくなもん食ってないと思ったから、声かけたのよ」
ビールを飲むヒマもなく食べる事に没頭しているのに、
ちっとも焼き上がってくれない角切りの肉。
薄切り肉や野菜は火が通り過ぎる感じになっているのに・・・と少し苛ついてくる。
時間と手間がかかってそれほど美味しくなくて、
安い(1000円未満)料金も、その分量が少なければ嬉しくないし・・・・
「ねぇ、ここ切り上げて、ラーメンでも食べに行かない?」
「いいねぇ・・・
でも、間違いなく食べ過ぎだねぇ」
「そんなに時間無いんでしょ?」
そうでした。
まだまだ、仕事は続くのです(▼▼メ)
「今度は、そっちのジンギスカン、行ってみる?」
「当分、いいです」
こっちが言い出す前に、
二度と行かないリストに書き込まれてしまったらしい・・・(^_^;)
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