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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

性善説

「いつも思うんだけど、
  貴方って、相手の言う事をまずは認める・・というスタンスがあるよね?」

「そうだね」

「それってどうして?」

「そりゃ、人はそれぞれ生き方を持ってて、
  それを否定する意味は無いし、出てくる意見もまた
  その人の生き方から出てくるわけだから・・・ねぇ」

「性善説の人なんだ」

「う・・・ん、そうなのかなぁ・・」

「じゃないの?」

「信じたいって気持ちが強いだけ・・・かなか」


人生は勝ち負けじゃない。

人それぞれ色々な生き方があって、
他人がそれを否定する事は、意味が無い。

価値観もそれぞれ違うし、大事に思う場所も違う。

だから私は、まずはその人の考えを認めて理解しようと、
無意識に努めているようだ。


「この業界って、最初にドッチが上か?って駆け引きがあるじゃん」

「確かに。」

「そこでちゃんとイニシャチブを取っておかないと、
  やられっぱなしになるから、貴方みたいなやり方って珍しいと思ったのよ」

「勿論、コントロールしなくちゃいけない時は
  最初に『言うことを聞け!』っていう態度に出るけど、
  それって言わなくても伝わる何かを持っていればいいんじゃないか・・・なぁ」

「いやぁ、やっぱり最初が肝心よ」


自分のやり方が、時間がかかる事はよくわかっている。

深い意味を持たずに素直に行う事も、何か意味があるのでは?・・と取られる事が多く、
その勘ぐりが間違いだった・・と気付いてもらうには、相当な時間を必要とするわけだ。


「全部相手の言葉を聞いて認めてから、でも自分はこう思うってちゃんと言うよね?」

「あれ? そう??」

「そう。
  だから不思議な中に『したたかさ』があるって思った」


自分の人生だから、自分の意見はちゃんとある。
そして生き方は、曲げられる事ではない。

誰かの為に何かをする事も、突き詰めて考えれば自分の為だし、
自分の気持ちを素直に吐ける相手には、自分というモノをわかってもらいたい・・とは思うし、
でも・・・・理解なんてできそうにないのが、人間同士の関係なのかも知れない。


仕事仲間と話をしていて気付いた事は、
自分のやり方を絶対曲げないで生きてきた事が、
廻りからは相手を認める穏やかな人間として見えていた・・という事。

穏やかなんかじゃない。

自分以外の人間の人格を認めて、静かに話をするだけの事で、
自分のやり方は曲げられない・・・と言うか、曲げようが無いから、
自分を理解してもらう事に時間をかけるだけで・・・・。


最近はオヤジ力がついてきて記憶力が鈍ってきたが、
それでも記憶力はまだまだ高いらしく、
気を抜くと過去の何かに囚われて苦しむ事は多い。

特に嫌な思い出と幸せな思いでの両極端が消え去り難く、
その両方が突然心を支配し苛まれる事もまた、多い。

そんな苦しみを吐露し「自分を理解してくれ」と言う意味なんて無いし、
理解できる人も殆どいない事はよくわかっているから、
自分を理解してもらう事に積極的になれなくなったのだろう。

だから逆に誰かと付き合う時に(仕事の上でも)、
最初から相手に悪意がある・・・と思わないようにしているし、
相手を理解しようと(できるわけないけどね)努力するわけだ。

だって、誰だって素晴らしいモノは持っているし、
素敵な部分も持っている。
尊敬できる所も持っているし、自分より凄いモノも持っている・・・
と知っているから、
そこを見つけて、見つめれば、どんな関係も苦痛ではなくなるのだ。

他意はない・・・という態度で接しても、
何か意味があるだろう・・と勘ぐる人達は、性悪説を信じる人間達か?(^_^;)

それは違うよね。

そんな事じゃなくてただ・・・
あまりにマイペースで勝手な考え方で生きている事を、
信じにくいって事なんだろう。

そんなどうでも良い事を考えてしまうのは、
クソ暑い気候に頭の回路が暴走しているからだと思う・・・・

で、ビールを煽ってしまう午後。
時間だけが変わらぬ速度で流れていった。

 
 
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