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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

グランド・セントラル・オイスター・バー&レストラン

「オイスターバーに行かない?」

「いいけど・・・」

「こっちは2人だから、誰か連れてきたら?」

「う・・・ん」

「なんか歯切れ悪いね?」

「俺、牡蠣食えないんだけどいい?」

「あれ?
  そうだっけ??」

「うん
  他人が食べるのは別に気にならないんだけどね」

「じゃ、い〜じゃん
  他の物もあるし、たぶん絶対食えるから、
  たまにはそういう店に行こうよ」


「グランド・セントラル・オイスター・バー&レストラン」
03-6717-0932
港区港南2-18-1 アトレ品川4階
11:00〜24:00 無休


ニューヨークの「グランド・セントラル・ステーション」にある
老舗オイスターバーの2号店として開いたこの店は、
牡蠣好きの間では有名な店だったらしい。

予約しないと座れないほどの人気らしく、予約無しでいった私達は
見事に1時間待ちを宣言された。


「ウェイティングバーがあるから、飲んでようよ」

「へぇ・・・。
  じゃ、待つのも苦痛じゃないね」

「ここはグラスワインも多くあるし、飲みべぇ向きの店だよ」
「ビールも7種類もはあるよ」


ありがとう。
飲むだけでも幸せな私としては、何の文句もありません(^_^;)

バスやギネスの生もあり、
一番搾りとプレミアムモルツやエビスが同居する生ビール郡。

これだけも嬉しくなってしまうからビーラーは困った物。

メニューを見せてもらうと生牡蠣から魚介類の料理が豊富で、
どーしてもこんな店で肉が食いたい人のためにサーロインステーキやローストチキンも
お印ばかりにリストに載っていた。


「お待たせしました」

とウェイターが声をかける。

NYの本店を模した店内は広く、余す事なく席は埋まっている。

こんなに牡蠣を食べたい人がいるのね?・・と
少しばかり驚いた。

13種類の生牡蠣はアメリカ産やカナダ産の他に広島や北海道厚岸産もあるが、
申し訳ない・・・、私にはまったく興味が無い・・・(^_^;)

ポップコーンシュリンプ&クレオールソース
オイスター&アンチョビバター
生牡蠣(各種)
ダンジネスクラブ
フレンチフライ


「どーしてこんな美味しい物が食べられないの?」

「どーして平気で食べられるの?」


そんな会話もあまり関係なく、
牡蠣好き達は生牡蠣を美味しそうに食べていく。

色々な種類の生牡蠣は、大きさも形も色々で見ていて楽しいが、
どうしても食べようという気にはなれなかった。

牡蠣の味が嫌いなワケじゃない。

オイスターソースはガンガン使うし、
鍋物や汁物なども本体さえ食べなければ、全然美味しく頂けるのだ。

ただ、食感と味がセットになって現れると、
身体が拒否反応を起こしてしまうのだ。

それは、子供の頃の事。

母親が牡蠣が好きで、みそ汁に牡蠣を入れた事があった。

子供の口には大きすぎる牡蠣は煮込まれて固くなり、
噛み切るのに苦労する物となっていた。

せっかくの牡蠣だから残さずに食べろ・・という母親の命令に
無理をして食べようとしたが喉がつまる。

では・・と母親がその牡蠣を半分に切ってくれたが、
今度はその濃厚な味が前面に立って、
それでいて噛み切れない食感はそのままで・・・

つまり、強引に牡蠣を食べさせられた事がトラウマになって、
食感や味は全て拒絶反応の引き金になってしまったのだ。

その後、シジミもアサリも同様に嫌いになり、
一部の蟹も牡蠣に似た味がするため食べられなくなってしまった。

しかし・・・

子供の味覚は変わる物。

大人になって敬遠していた貝の刺身を食べてから、
少しずつ貝への抵抗感が消えだした。

最初は貝の形をしていない刺身から入り、
最後は多分もっとも苦手なはずの煮蛤まで食べられるようになったのだが・・・

最後の砦、牡蠣だけは、未だに食べようと思えない(^_^;)


「どこが嫌いなの?」

「味は問題ないので、多分大きさと食感だよ」

「ふーん、じゃ、このアンチョビソースぐらいの大きさだったら
  大丈夫じゃない?」

「食感がねぇ・・・」

「どんな感じが嫌なの?」

「噛み切れないゴムみたいな・・・」

「これは、サクッと噛み切れるよ?」


噛み切れる?
何故??

自分の中では、牡蠣を食べる事に対する恐怖があるから、
トラウマになっている物が無ければ食べられるはず。

同席のメンバー達の話を聞いていると、
想像しているモノとは大分違う事がわかってきた。

う・・・ん
食べてみようかな・・・・

白ワインを酌み交わしながら話をしていると、
その小さな牡蠣が「関東の1個残し」として
皿に載っているのに目がいってしまう。

ま、無意識に食べてみるか・・・・

と意識せずにフォークで刺し、口に放り込んだ。

え?
サクッと噛み切れる・・・じゃん!?

味は??
ちーっとも嫌な味がない・・・
というか、コレなら美味しいじゃん(^_^;)


「え?
  食べちゃった??」

「う・・ん
  食べられた」

「お〜(^_^)
  じゃ、生食う??」

「食わないって(-_-メ)」


驚いた。
自分自身で。

トラウマとなっていたモノが無いと、
牡蠣は食べられるらしい。
(大きさにはまだ抵抗があるが)


やっぱり私は、食いしん坊らしい・・・ねぇ(/--)/

 
 
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