「ごめん
カラオケ、嫌いなんだ・・・・」
そう言うと、誘った人間は一様に
信じられない・・という顔をする。
「気のあった仲間で、酒飲んで歌うたって騒ぐの楽しいじゃん」
・・・と言われても、
それが何故楽しいのか、わからなかったりする(^_^;)
勿論、そういう席が嫌いなわけじゃなく、
皆と騒ぐ事も嫌いじゃないが、
「歌え」と強制される事だけはど〜しても、嫌なのだ。
若い頃、営業のような仕事をさせられた時、
スポンサーの前で知らない演歌を歌わされた・・という経験が、
人前で歌を歌う事を嫌う一因にはなっているが、
それより「強制的に自分が望まない事をやらされる事」が嫌いなんだと思う。
自分は歌手じゃないし、美声を持っているわけでもない。
歌を歌う事に快感を感じるわけでもないから・・・
歌わされる事は苦痛でしかないのだ。
「俺、歌わないよ?」
「皆が歌ってるの、聞いていればいいですよ」
「本当?」
「楽しくやりましょうよ〜」
そんな誘いにのってついていけば、
飲むと頭が痛くなる水割りや、飲んだら眠くなるチューハイなどが待つ店で、
歌好きが一通り歌い終わった後に必ず、「歌がききたいな〜」という合唱で
歌わされるハメに陥る。
その都度、歌わなくていいって約束したじゃん・・・・(-_-メ)
とムカつくのだが、結局多勢に無勢で歌う事になる。
できない約束なんてするなよ・・と毒づいても、無駄。
同じ行為を行う事で連帯感を得ている集団には、
同じ行為を拒否する事なんてあり得ないからだ。
だから嫌なんだ・・・
約束を守れない集団行為が、大嫌いなんだ・・という事を
何故理解できないのか不思議だが、
案外これは、日本社会の特徴を表しているのかも知れない。
皆やってる事だから、お前もやらなくちゃいけない・・・
こういう習慣だから、お前も従え・・・
「郷に入らば、郷に従え」という諺があるように、
日本という国は組織で動く事を強制してきた国家なのだろう。
人と違う事を良しとしない国家の中で、
自分は自分なのだ・・・と言い続ける事は難しい。
しかし、
自分は自分らしく生きる事しかできないのだから、
どんなに抵抗があっても、自分らしく生きよう・・としている。
例えば、私が所属しているモーターサイクルクラブは、
「走りたい時走り、止まりたい時止まり、食いたい時食って、寝たい時寝る」
という入会条件があったりする。
この、一見ごく自然な生き方を実践するとなると、どれだけ大変か・・・
ちょっと想像すれば理解できると思う。
信号が青であっても、止まりたいと思ったら止まるのだ。
それは、反社会的行為でしかなく、そのために様々な攻撃を受ける事は
どなたでも想像できるだろう。
たかがカラオケと言われても、
嫌いな物は嫌いなんだ・・と言い返すのは、
私にとっては、当たり前の事。
自分のやり方でしかできない人間にとって、
この世の中は、だいぶ生き難い・・・と思う。
|