情けない話だが、車のバッテリーを完全に上げてしまった。
リモコンでドアロックを外せる機構のおかげで、
常に電流が流れていたのがその原因だ。
1週間乗らないだけでセルが回りにくくなっていたから、
だいぶバッテリーがへたっている事は理解していたけど、
上がってしまうとは想像できないほど
今の車を意味無く信頼しきっていたらしい(^_^;)
とにかく何も電力が無いという状態は凄く情けないもので、
二度とこの車は走らないんじゃないか・・・と思うくらいに、
車に生気が無いのだ。
「悪いんだけど、車のエンジンかけに来てくれない?」
「はぁ?」
「見事に上がっちゃってさ。
かけちゃえば、後はショップ行ってバッテリー買うからさ。
ブースターケーブルもってたよね?」
「あるよ・・・・・・」
「お願いします」
「コーヒーおごれよ」
「もちろん。
昼飯もつけます」
友達が一回も使った事のないケーブルを持ってきてくれて、
何年ぶりかで自分の車にケーブルを繋ぐ事になった。
「どういう順番でケーブル繋ぐか・・・なんて忘れちゃったなぁ」
「+と+を繋ぎゃいいんだよなぁ」
「そうなんだけどさぁ・・・確か順番が・・・」
「ケーブルの袋に書いてあるわ。」
「そうか・・・」
昔の車はよくバッテリーが上がって、押しがけやブースタースタートは
日常茶飯事だった。
トランジスタ点火装置やメンテナンスフリーバッテリー、ハイテンションコードなど、
今では最初から装備されている装置を自力で装備・交換するのがドライバーの常識だった時代、
オートマは押しがけできなくて、しかも燃費が悪いという事で不人気だった・・・なんて
今の人達には想像できない事だろう。
しかし、そんな時代から車に乗ってきていても、一度も完璧なバッテリー上がりを
経験した事なんてなかったのだが・・・今回は凄かった。
「んじゃ、かけてみるよ」
「ほ〜い」
「あれ?
なんかカチッていうだけで、セルが回らないわ」
「じゃ、こっちの回転上げてみるから・・」
「・・・ダメだ」
「マジ、スッカラカンだね」
「悪いけど、少しこのままで充電させて」
「いいけどさ・・・」
最初に繋いだ時は、スイッチを入れた瞬間に電源が切れる感じ。
そして5分ごとにスタートを試みたが、空しくカチッて音がするだけで・・・(-_-メ)
「ここまで無いとさ・・・
かかってもケーブル外した瞬間、エンジン止まるんじゃない?」
「かかっちゃえば、そんな事無いよ。
実は寒冷地用の高効率ジェネレーターに換装してあるのさ。」
「寒冷地なんて行かないのになぁ・・・・」
「うるせぇよ(^_^;)」
「そう言えば、新車買う時は必ず寒冷地仕様を買ってたよなぁ」
「朝、エンジンがかからないなんて当たり前だったじゃん」
「でも、今となっては、沖縄仕様の方が良いかもなぁ」
「エアコンかけっぱなしでもバッテリーが上がらず、
しかもエアコンも良く効くしなぁ・・」
最近の首都圏は、マジに沖縄より暑く感じる事もある。
沖縄仕様が欲しいと感じるのは、ある意味当然か(爆)
とにかく20分以上、ヤツの車でチャージしてもらったバッテリーは
どうにかJZX100のエンジンを始動する事に成功した。
「ありがとう。
これでどうにか走る事ができるよ」
「この後、バッテリー買いに行くんだろ?」
「あぁ、みなとみらいに・・・・」
「1人でいけるよな?」
「たぶん」
「これから行く所あるんだ。
思ったより時間かかっちゃったからさ」
「あぁ、そうか。
食事でも・・と思ったんだけどな。」
「それはさ・・・
ニューヨークカット1枚って事で」
「300食えるんか?」
「あははは、半分でいいよ」
とにかくヤツに助けられたチェイサーは、さっきまでバッテリーが
スッカラカンだったとは思えないほど快調に走る。
カーショップにたどり着いた頃は、既に再始動できるほどに回復していた(^_^;)
BOSCH製のメンテナンスフリーバッテリー(85A)と久々にオイル交換も行ったが
作業待ちの時店内を眺めていて、ある事実に気が付いた。
自分の車に付けられるアフターパーツが、殆ど無いのだ。
そう言えば、今までこんなに気に入って乗り続けてきた車はない。
車検も何回取ったか忘れる位、ずっとコイツと付き合っている。
280馬力で40キロ近いトルクを持ち、高速だったら10キロ以上走る経済性もあり
5速マニュアルで4ドアセダンで・・・・・・・必要以上の走行安定装置が付いてない車。
今の車に、そんなモデルは無い。
だから乗り続けているのだが、ちょっとだけ淋しい気持ちになったのは
何故だろう・・・・(/--)/
|