ダグラスレイン Platinumselection
「グレンリベット1969」57.4%
やってきてしまった・・と言うか、よくぞ入った・・というべきか、
とにかくこのボトルは当たり前のように目の前にあった。
カスクストレングスで33年熟成、そして199本しか作らない・・・
その希有な存在が既に奇跡的だが、それより60年代のリベットでしかもカスク、
という事が、とにかく嬉しくてたまらない。
9本目のボトルを飲みきった後に入れた一本だが、勿論テイスティングに突入した。
うそだろ?
と言いたいほど、口開けした瞬間からボディーを見せる。
もちろん最初は鼻をつく刺激臭が立ち、しかも33年も寝ていた結果
やっぱり本性はまるで見えないのだが・・・美味い。
この日、物差しとして同時に並べたのは「グレンモレンジ・エルミタージュ」
1975のもっとも良心的と言っても良いモレンジの中でも、
ひときわ穏やかで香り高い一杯を、
このリベットと比べながら飲む事で見えてくる姿は絶対楽しそうだ。
10分でやっと開きだした香りは、33年の月日を感じさせる穏やかなもの。
柔らかく甘く、ナッツを思わせる香りにだんだんとフローラルな感じが加わっていく。
ボディの薄さはカスクの強さが補っているが、そこはやっぱり枯れた酒。
でも・・・・単調だった味に柑橘系の爽やかな酸味が加わり、
フルーティーな感じに変化する。
こうなるとエルミタージュのフルーティーな味わいも太刀打ちできない・・・
と言うか、エルミタージュがかすむ・・・
凄い事だよ、コレ。
エルミタージュも1975の出来の良いモレンジを23年熟成した
奇跡的な美味さを持つ、オフィシャル物。
値段だって半端じゃないものなのに、それより数段上の味と香り・・・
ならば・・とモレンジ1980カスクを出して比べてみたが、
それでも太刀打ちできない・・・
これでマッカランのような口腔内に張り付くようなオイリーさがあったら、
他に何も要らない・・・と言いたくなるほどの美味さだが、
これだけの凄さがあってもさらっとしているのがリベットならではなのだろうね。
来月、ゴードンマクファイルの1974アドベッグがやってくる予定。
なんだかんだ言って、70年代以前の酒が美味い事実に抗えない私は、
こうやって酒エンゲル係数を高めている(^_^;)
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