変なメニューを見つけた・・と友達から連絡が入る。
「あのさ・・・石鍋の茶漬けなんだよ」
「それってビビンバの?」
「としか、考えられないんだけど・・・」
なんでも二人前からじゃないとオーダーできないらしく、
「1人ディナーじゃなんだから一緒に食わないか?」
という暖かいお言葉に私欲も混じったシチュエーションが
なんだか嬉しくもあったりするので、でかけてみる事にした。
「多祥」
045-210-9156
横浜市中区太田町1−18−2 関内斉藤ビル2F
そう、この店は思いっきり飲み屋である。
どう見たって、飲むための店なのである。
仕事の合間に、晩飯を食べるような店ではなくても、
どうせプライベートな時間は食べる時と寝る時くらいだから、
友達と飯食う時は、立派なプライベートタイムだ・・と胸張って
ビールも一杯飲んでしまうのだ。(いっぱいじゃない)
小洒落た店内には若者が多く、和食を出す店でありながらもメニューは
串揚げやらコロッケやらで、ちょっと洋食に振った感じが見え隠れしていた。
奥の部屋からは思いっきりやかましい女性の話し声が響き、
掘り炬燵式のテーブルの間仕切りはすだれになっていて、
中途半端な落ち着きを演出している。
簡単なつまみを頼んでビールをオーダーすると、
生中という割には小さめのグラス。
コストを下げるための知恵なのだろうけど、逆効果じゃないの?
と思ってしまうあたりが意地汚い(^_^;)
で、ビールが適度に進んだ頃、その石鍋鯛茶漬けもオーダーしてみた。
(ゆっくりしてる暇はないし、友達ばっかり目の前でビール飲まれると
精神衛生上、とてもよろしくないのだ)
しばらくして、パチパチと音を立てる石鍋が運ばれてきたのだが、
思いっきり石鍋ビビンバ用の器に(もちろん焼いてあって熱い)ご飯が盛られ、
その上には鯛の切り身が3枚のっていたりするのだ。
サーブしてくれた店員が、熱々の石鍋に茶漬け用の出汁を回し入れると、
じゅわ〜とばかりに沸騰する。
泡立つように沸騰している出汁が出す蒸気が一気に立ち上り、
切り身の鯛が、徐々に白く変色していく様は、
早く食べたい気分にはひっかからない魅力を振りまいているではないか。
3度に分けて出汁を回し入れて落ち着いた茶漬けは「鯛屋」とは比べちゃいけない味ではあったが、
イベント性があって味もそこそこなので夏期限定という設定が何故なのか理解できないでいた。
(定番メニューにしてもいいんじゃないの?)
支払いをすると予想より少し高め。
何故かな?とレシートをよく見ると、
お通し+席料で1人600円がついている。
ほんの小鉢に入った料理とも言えない物にこのサービス料代わりの価格がついているのは
未だに理解できないでいる現実なのだが、この店ののように席料とお通しを分けて取る意味は尚更わからない。
(そんな凄い席でもないよ〜)
「どうでしたか?
鯛茶漬け?」
店の出入り口はエレベーターホール。
そこでエレベーターを待っている時、
店員がお見送りを兼ねたリサーチをかけてきた。
「面白かったです。
ごちそうさまでした。」
と答えてしまう自分は、やっぱり馬鹿正直なんだろうか・・・ね(^_^;)
(あくまで、美味しいとは言えないのは、コストパフォーマンスが悪いからさ)
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