今年は、どんな年になるだろう・・・
カオルーン・シャングリラの窓から、
香港島より上る初日の出を見ながら考えた。
思えば、激動の去年だった。
生活の全てが変わってしまう程の変化は、
このページへのアクセスも変えてしまうほど・・・
それでも、こうやって香港にたどり着けたのは、
まさに執念と意地にタイミングが合ったようなものかも知れない。
昨晩訪れた「農圃飯店」での食べ過ぎがたたってか、
少し腹が重たくなっていた私は、
朝粥を食べる事も諦めてぶらぶらと散歩した。
香港の年越しは穏やかで、
皆は海を見ながらカウントダウンをする位の物。
ネイザンロードを交通止めにしてまで
海に集まる事も無かろう・・とも思ったが、
花火を期待していた私にとっては、
少しばかり拍子抜けしてしまう・・・というオチがついていた。
そんな事で元旦に散歩した香港はごく普通の日常的な顔しか見せず、
この文化の違いを見ながら、やっと非日常を楽しんでいる事に気付いたりする。
何のために頑張っているのかわからない毎日は、
自分という看板を掲げ続ける意地だけで過ぎていて、
すり切れている事に目を背けている自分を肯定し続けて・・・
「疲れるわけだよな・・・」
と一言、独り言。
そんな事より、香港最後の一食にふさわしいブランチを
楽しまないとね(^_^;)
映月樓
SERENADE CHINESE RESTAURANT
尖沙咀梳士巴利道10號香港文化中心餐廳大樓1及2樓
1/F & 2/F, Restaurant Block, Hong Kong
Cultural Centre, 10 Salisbury Road, Tsim Sha Tsui
tel 2722-0932
いつの間にか帰る日に来るようになってしまったこの店は、
リーズナブルかつ美味しい優良店。
週末は11時のオープンと同時に滑り込むような入り方をしないと、
かなり待たされる傾向にあって、タイミングを取るのが難しいのだ。
ここは飲茶を楽しむ店で「蝦餃(はーがう:海老蒸餃子)」は勿論の事、
「レタスのスープ煮」や、「フカヒレスープ餃子」などが、
美味しくて安い飲茶好きには天国のような店。
2泊3日で楽しむ香港の最後を飾る食事には、
美味しくてほっとする物が欲しいもの。
だから、絶対外さない・・と思える店を
選んでいるうちに、この店の常連になってしまったのだ。
ポーレイ茶をオーダーしたら、後は回ってくるワゴンから
食べたい物を取るだけ・・の簡単なシステムに則り、
次から次へと食べたい点心を食べていく・・・はずだった。
あれ・・・?
何だか物足りない・・・
そう、どれもが美味しい点心なのだが、
何かが欠けている感じがして、今一歩満足ができない。
今まで、こんな事を感じる事は無かった。
・・・という事は、味が落ちたのか??
いや、十分に美味しい。
でも何だか物足りない・・・
あ・・・
わかった・・
今までと今回では、決定的に違う事があった。
・・・そう・・
いつもは、安くて美味しい地元民向けの店を巡る事が多かった。
そこそこの高級店には足を向けても、超の付く高級店に入る事は無かった。
だから、味の基準がそのレベルに揃っていたのだ。
だが、今回は・・・
香港を代表するような店とシェフの料理に浸ってしまったのだ。
恐ろしい・・・
もしかしてこれが、
「格」というものなのだろうか・・・?
「格」は、努力と精進によって上げる事ができる。
そしてそれは、誰もが認める力でもある。
階級というモノは、その格を上げる努力を無視した力関係であり、
故に格の高いものは何時の世も陰ながら支持される事になる。
今回は、その格の違いを食事の中に見つけたのだが、
職位にふんぞり返る格下の人間が陰ながら馬鹿にされる人間関係を
職場の中で不快に感じて疲れていた自分には、実に面白い発見だった。
やっぱり・・・
格を上げる努力をしている方が、自分の生き方に沿っている・・・
そう考えられる自分は、まだまだ前へ進む勇気が残っているらしい(^_^;
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