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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

ペッシェ・ドーロ

「あなたって変よね」

「何?」

「敵が多い人によく好かれる・・・」

「は?
  そうか?」

「そうだと思うけど」

「だから、俺も敵が多いのかな?」

「あはは
  あなたも、たぶん真っ当な社会では生きづらい人間の一人だね。」


二人掛けのテーブルを挟んで交わす会話にしては、少し重い空気が流れている。

店内はほぼ満席でありながらうるさすぎないのは、
テーブルセッティングが上手いという事なのだろう。


「ペッシェドーロ 横浜店」
  045-682-5635
  横浜市西区みなとみらい2-3-1 クィーンズタワー A-1F
  11:00〜23:00 (L.O.22:20)
  11:00〜16:00 (ランチ・月〜金)


黄金の魚という名前を持つこの店は、ミラノにあるトラットリアを
イメージして作られたジローレストランシステムのお店だ。

ちょっと見るとごく普通の店構えに見えるから、いつも通り過ぎていた店なのだが、
ここのペペロンチーノは絶品だ・・・という噂を聞いたら、見過ごすワケにはいかない。


「悪かったね。
  でも、俺って他人に合わせるの上手じゃないぜ?」

「あはは、ソレだ。
  誰とでもうまくやれそうになくて、態度も素っ気ないのに
  ちゃんとどこかで合わせてたりするから・・・・」

「なんだよ?」

「誤解されてんのよ。
  誰にも相手にされない事を知ってるに、相手にしてくれるから
  コイツって良い奴?・・・てね」

「あのさ、せめてそういう連中とは一緒にしないでくれる?」

「似たようなモノじゃないのかな・・・」

「じゃ、俺と気があう君も変わってるんじゃないの?」

「お待たせしました」


気になるパスタが登場した。

彼女の「小エビと夏野菜のスパゲッティ」(1100円)は、ごく普通のトマトソースのパスタに見えたが、
私の頼んだ「ペペロンチーノ」(1000円)はちゃんとフェデリーニを使った正統派だった。

これは期待できる・・・かも


「あたしも嫌われもんかもしれない・・・」

「そうじゃないだろ〜
  十分に皆に好かれてるじゃん」

「嫌われるぐらいが良いのよ。
  皆に好かれるってのも面白みがないしさ」

「人も羨む、誰にでも好かれる男って嫌いなのか?」

「人当たりが良くて従順な優等生より、
  そんな優等生が畏れるような男の方が好き。
  ヘボな男はそんな男を好きにはならないからね」

「答えになってない・・よ?」

「相手によるって事よ。
  じゃ・・さ、嫌われ者に好かれる女ってどうよ?」

「そうきたか」


なるほど・・・
ペペロンチーノは美味い。

専用のパスタを用意する、という事は、
この単純で繊細なパスタをよく解っている証拠だ。

間違いなくこれは、私の作るパスタに近いものだ。
塩とニンニクの処理が違い、黒胡椒を使っていない分だけ軽い感じがするが、
胡椒をもらって一振りすれば、かなり私の好みにシフトする。

これは、嬉しいぞ・・・・


「女の場合は、自分がもてるかもてないかって事の方が大事だったりするしね」

「嫌われ者はいい女が好きだからなぁ・・・
  で、余計に野郎共から嫌われる・・と」

「あはは
  いい女って言わせた方が勝ちだしね・・・
  ま、男と女は軸が違うよ」

「そうかもな」

「女は基本的に計算高いから、男の判断基準はあっても
  いっぱいモテた方が勝ちって思ってるよ、皆」

「女は欲張りだからなぁ・・・
  尊敬できる相手で金も力もある男がいい・・とか?」

「だから、好みによるって。
  女はその男が好きかどうかが最初なのよ。
  後は理由付け・・・」

「好みなぁ・・・」


その好みって奴が、一番の強敵なんだよなぁ・・・・(^_^;)

 
 
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