復帰第一作目の収録をした。
編集も原稿書きも、記憶を辿りながらのヨチヨチ歩き。
しかし、身体にはすっかりその方法が焼き付いていて、
出来上がりの良し悪しを判断する目もまた、自分には残っていた事が解った。
取材日は、生憎と雨。
参加してくれた二組の家族には、少しばかり厳しい取材になったが、
紹介したのは神奈川の自然を垣間見る事ができるように作られた観察路で、
雨が醸す自然の美しさを上手に切り取る事ができたようだ。
ディレクターとして自分の名前が画面に載るのが面映ゆく、
しかし、確実にこの世界に足をつけた事の証明としても見る事ができた。
文章を書く時も、写真を撮る時も、
こうやってテレビを作る時も、
大事にしているのはつねに空気とリアリティ。
嘘臭い笑顔も、飾り立てたセットも、
こねくり回された原稿も意味は無い。
29分間、見続けられるだけのモノとは、
嘘ではない作り物の力でしかないだろう・・と思っている。
とにかく、新しいスタートラインよりスタートを切った。
そしてこれからは、数字という化け物と戦う日々が続くだろう。
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