実際、忙しいのは理解していたが、
ここまで忙しいとは思っていなかった。
仕事量が多い・・・という事もあるが、それより扱う物が雑多で
しかも取材地や打合せ地が遠いのだ。
そして、広報番組故の細かい打合せが繰り返され・・・・
気がつけば休みが無くなっていく状況に追い込まれつつあった。
だからこそ「今日だけは絶対昼間は出かける」と宣言した。
そしてそのために、寝る時間を削って時間を捻出した。
前日の睡眠不足もなんのその。
この日のために仕込んだ「ラガブリン12年・カスク」(1st.)を車にぶち込み、
東名を一般車両に邪魔されつつ南下する。
そう、今日は我がクラブの「サマーパーティー」がある日なのだ。
相変わらず遠方よりやってくる懐かしい面々と、
このページがキッカケで参加するようになった連中と、
見ず知らずの新しいゲスト達と、
酒を酌み交わし語らい、
そして彼等と何かを交わし合うために、走る。
そして、一年間、生き残った事実確認と
来年もまた再会しようと約束するためにも、走るのだ。
スタート時刻をとうに過ぎた頃、会場に着いた。
出来上がってる連中にきついアイラモルトを振る舞いながら、
ひぐらしの鳴く芝生の上をフラフラと散歩する。
去年知り合った北陸方面の友人や、
困った愛知方向の友人や、
酒なら何でも飲ませろ・・という横浜の友人や・・・・
そうだよ。
ちゃんと生き残ってるぜ。
そして今も、
自分なりに全開で走ってるよ。
そう心の中で呟きながらの挨拶回り。
価値観の違いや生き方の違いが、
崩壊してもまだ昔ながらにいこうとする社会の中では摩擦を生む。
だが、時代は動き、
本物しか生き残れない厳しい時代にシフトした。
生き方を変えず、それをズルく隠そうとしない仲間達を見て、
異端だと言われ特別視されても気にしない自分が、少しだけ安心する。
そしてそれは、
この時代の中でも変わらずに生きていく強さの形にも見える。
そんな空気と実感を得て、
富士の麓から横浜へ帰る道は、
何故か楽しい道のりに感じられた。
|