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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

ウィンドジャマー

「肉、食いたいなぁ・・・
  もう、身体に思いっ切り悪そうな、脂コッテリの肉・・・
  これでもかって迫力でガシガシと・・・」

「相当、お疲れですね」

「なんかさ、いきなり全力疾走させられてるみたいでさ、
  身体の感覚が蘇る前にどんどん消耗しているような気分なのさ」

「実際、顔つきがシャープになったし・・・」

「コケたって正直言っても怒らないよ」

「そう言っちゃ、身も蓋もないですが・・・」

「ま、食事のペースが変わったし、しっかり食べられないし、
  食べてるものがロクなもんじゃないし・・・
  痩せるのはある意味必然だね」

「でも、肉が食べたい・・・と」

「そう、たぶん身体が欲してるんだよね」

「じゃ、ガッツリ肉喰いますか?」

「そうだね・・・・・・」

「思い当たる店は無いんですか?」

「・・・・・」

「ステーキ、焼肉、牛丼特盛ご飯少な目・・・」

「牛丼はないだろ」

「すいません、女一人だと入りにくいものでつい・・・」


なんで、女って牛丼屋を敬遠するんだろう?

マックで食べるのは平気でも、牛丼屋やラーメン屋は一人で入りにくいと言う。
勿論、立ち食い蕎麦屋なんてもっての他。

その差が不思議なんだよなぁ・・・・


「あの、以前話してた大きなハンバーガーなんてどうですか?」

「大きな・・・ハンバーガー?」

「えぇ、酒場なんだけどソレを食べに行く・・と言ってた・・・」


そうか、ソレがあった。
久々にガブリといかせていただこう・・・


「ウィンドジャマー」
  045-662-3966
  横浜市中区山下町215
  18:00〜26:00(月〜土)
  18:00〜25:00(日)


「すいません、ギネス一つと
  ターキーとタンカレーを半々にしたモノと、
  コロナと、『キャプテンズバーガー』を二つ」

「はい。
  え・・とターキーと?」

「タンカレーを・・・
  わかる人なら『フランシス・アルバータ』と言えば通じるかも」

「わかりました。」

「いきなり、カクテルとギネスを同時に頼んだら混乱するんじゃないですか?」

「あはは
  確かにそうかもしれないけど、気分はギネスだからしかたないし、
  ハンバーガーにも必要だろ? 
  ビールは」

「いや・・・ギネスとハンバーガーは、どうでしょう?」

「あれ、コロナはハンバーガー用だよ?」

「え?」

「嘘さ(爆)
  貴女用」


とにかくデカくて重いパティを使う「キャプテンズバーガー」は、
ベーシックなモノ(チーズバーガーやテリヤキバーガーもある)でも1300円。

直径にして15センチは有りそうパティの上にはスライスした玉葱とトマトが
それぞれ2枚ずつ載せられるように用意されている。

勿論そのハンバーガーを包める位の大きさのレタスも添えられ、
好きに挟んで好きなように食べろ・・・といった感じだ。


「あの・・・
  これ、一人で食べるんですか?」

「そうだよ」

「ダメ・・かも」

「大丈夫だって。
  ハンバーガーは勢いで食べれば、余裕で食べられちゃうよ」

「どうやって食べるんですか?」

「人によっちゃ、具を挟んでから少し潰して、
  ナイフで切り分けて食べる・・というやり方をするけど、
  私の場合は、こうやってケチャップとマスタードを塗ってから全部挟んで・・・」

「そのまま一気喰い?」

「そ・・・・
  それが一番美味いと思ってる」

「私は、切り分けて食べます」

「どうぞ。
  アメリカンフードは、自分のやりたいようにやるのがルール。
  気取る必要もないけど、無理する意味は全然ない」


パティの上にケチャップを塗り、オニオンとトマトを載せさらにレタスを載せ・・
その上からバンズを載せる前にマスタードをバンズに塗り、
まさに倒れようとする具を押さえ込むように蓋をするようにバンズを載せたら・・・

後は口がベチャベチャになろうと、何かがこぼれようと気にしないでかぶりつく。


美味ぇ・・・・

口の中に広がるのは、肉汁の味。
そして、炭火で焼いた事がわかる心地よいスモーキーな香りが・・・


一気に・・
まさに一気に食べ尽くす。

そして、ギネスの苦みをアクセントとして楽しみ、
残ったサラダを摘むのがたまらない。


「あの・・・
  何も食べてなかったんですか?」

「あ・・・
  そう言えば、今日は食べ損ねてた」

「凄い勢いで食べますね」

「ダメか?」

「いや、いいですけど。
  でも私は、少しついていけません。」

「美味しいでしょ?」

「バーガーキングのモノに雰囲気は似てますが、
  肉が全然美味しいですね」

「値段が違うしね」

「これだったら、確かに一個食べられる・・気はしますが・・」

「余るならもらうよ」

「もしかして・・・」

「すいません、狙いです」


ジャズの生演奏をバックに、なんて食い方だ・・・とは思ったが、
ここのハンバーガーが食べたくてきているのだからしかたがない。

フードに魅力があって、本格的なジャズが聴けて、酒も充実しているバランス良き店なのに、
思いっ切りアメリカンな食い方をする困った客がデカイ顔をしても、決して怒られない。
(ウルサクすると、ジャズプレイヤーから怒られる事はあるが)

横浜だから・・・・当たり前

そういった常識がまかり通るのも横浜らしいが、
スタイルを変えないで生きる事の方が大変だ・・・と知っているのも横浜らしさ。

久々に味わう「ウィンドジャマー」の空気は、
忙しさに忘れがちな何かを思い出させてくれたように感じた。

 
 
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