「古見ちゃんて石垣だったよね?」
「えぇ」
「今年も辛うじて行けそうなんだ」
「え?行くんですか??」
「うん・・・
石垣牛が食いたくてねぇ。」
「やっぱり食べ・・・るんですね?」
「でしょ(^_^)
お薦めの店はある?」
「やっぱりいつも行かれてアノ店が一番だとおもいますよ」
「そうか。
じゃ、着いた日の夜は石垣ステーキだな」
この時期石垣島直行便はとんでもない早朝発で、暗いうちに目覚ましを鳴らさないと間に合わない。
ところが宵っ張りのクセが染みついてる私は、5時起きだというのに2時過ぎまで寝付く事ができなかった。
(飲んでる方が悪いんだけどね)
年に一度の海水浴に、本格シーズンが始まる前のこの時期に行くのが恒例になって何年だろう・・
とにかく今年も、どうにか出かける事ができたのを良し・・としたい。
梅雨が明けきらない空に飛び立ったボーイング737は雲の上で朝日を強く浴びて、
鬱陶しい梅雨の気分を一瞬にして拭い去ってくれた。
「・・・当機は今から高度を下げ・・・」
機内アナウンスが石垣島へ着陸すると告げる声で目が覚める。
羽田を飛び立った後すぐ熟睡してしまった事を理解する前に、
機体はドンドン高度を下げて着陸態勢に入った。
着いたらまずは「八重山そば」を食べるか・・・
それともいきなり「ゴーヤチャンプルー」&「オリオンビール」か??
脳天気な事を考えながら石垣空港に降りると、そこは既に梅雨明け同然の真夏が待っていた。
レンタカーを借り、行きつけのそば屋(勿論、沖縄そば屋)「丸八そば屋」に直行し、
「八重山そば」に「島とうがらし(コーレクース)」をぶっかけで食らいつく。
当然、オリオンビールの生とセットで(笑)
素朴な魚出汁のスープを楽しみ、水同然のオリオンをカブのみしているうちに、
やっと日常から非日常へ・・と気分がシフトした。
珍しくJTBのツアーを買った関係で、グラスボートのチケットが付いていたから、
いつもは写真しか撮らない川平湾で船に乗ってみる。
台風が通り過ぎた後・・という事もあって、海の透明度は今一歩だったが、
魚の名前を教えられながらのツアーは、子供ならずとも楽しい・・と思う。
疲れ切った(特に精神が)身体を虐める気にはなれず、いきなり泳ぐ事は考えなかったが、
沖縄地ビールを飲ませる「ダックスブロイハウス」でまたもやビールのジョッキを傾ける。
(店に着く前に「八重泉」(泡盛メーカー)の工場見学までしてきたのに(^_^;))
飲んでもすぐ汗で流れてしまうからか、ビールを飲んでも酔いが来ない。
いや・・・、石垣で飲むビールは水換わりの扱いのためか、アルコール分が低いようにも感じる。
え?
それでも酒気帯び運転だろ・・・って??
勿論、醒めるまでゆっくり過ごしてから運転してるさ。
無駄な時間を貪るためにもココに来ているんだからね(^_^)
「パポイヤ」
0980-83-3706
沖縄県石垣市大川258 レオビル8階
12:00〜14:00 17:00〜22:00(LO 21:30)
休 不定(でも週末は休んでる事が多い)
神戸牛と呼ばれる牛は、石垣で生まれた子牛を育てたもの・・という話を以前聞いて以来、
店が開いていればかならず訪れたこの店は、石垣島出身のバーテンダーが薦めるように
島随一のクオリティを誇るステーキ屋だ。
店内はホテルのレストランにも似たモダンな造りで、シェフも多く居る本格派。
ワイン専用冷蔵庫も備え付けられ、夕食時は常時満員に近い状態となっている。
ヒレもロースも4800円からのコースとなるが、
オーダーするのは当然の如くロースのレアだ。
良い肉が入った時はコレで焼いたのか?と疑いたくなるほど火を通さない焼き方で、
その日の肉質を計れてしまうのがご愛敬だが、味はどんな時でも美味しいと知っている。
だから、迷わずレアでオーダーしたが、今日の肉はどうだろう・・・
オリオンビールを飲んでいると、「おつまみにどうぞ」とウェイターが
脂身をカリカリに焼いたモノとゴーヤを使ったピクルスを持ってきてくれた。
ゴーヤジュースもゴーヤバーガーも知っているけど、なんでもゴーヤにするのは・・どうだろうね。
去年も食べたっけか?・・・と思いつつカジったら苦酸っぱいだけだった(爆)
まっ・・コレも一興・・と苦笑しながらビールを楽しんでいると、
かなり短時間しか炙ってないステーキが登場した。(今年は当たりって事(^_^))
南国で育った神戸牛にも成り得る石垣牛は、素性の良さが一口でわかる美味しい肉。
ジューシーさでは育て方の違いで追いつかないが、肉の美味さは素晴らしい。
東京のど真ん中で食べたら凄いとは思わないかも知れないが、
とにかくココで食べると、幸せな気分に浸りきれる美味しさが広がるのだ。
食べている飼料が島の草だからか、どこか石垣の自然を感じられる香りを持ち、
素直に美味しい・・と感動できてしまうのが凄い。
そして、いつもは残す事が多い脂身も、嫌な匂いがしないためにスンナリと食べ切れてしまった。
最近、時間と距離を費やしても食べたいモノが少なくなってきて、
その無駄を楽しむ余裕もなくなってきた・・と痛感する。
そして今、その無駄を楽しんでいる自分を見て、
無理して飛んできた意味を思い出した。
来て良かった。
そして、今年も来れて良かった。
よく頑張ってきたな・・・と自分を褒めつつ、
食べ、飲みつくす夜が今、始まった。
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