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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

東屋OFF

「いやぁ、久しぶり」
「どうも」
「はじめまして、ヨロシク」
「元気だった?」
「19時スタートって言ってたのに早いね」

そう、私が公園に着いた時は17時過ぎだったが、参加者は18時前には揃いだし、
18時過ぎにはすでに東屋で小さい宴が始まりつつあったのだ。

気がついたら春と秋の年2回の開催となっている「東屋OFF」

中華街の中にある公園で、単に集まって話をするだけの会なのに、
今回は17名の参加となる派手な催しに成長していた。


最初、シゲと中華街の公園で酒でも飲もう・・・というノリで始まった事なのに、
今ではこんな大所帯。

それだけホームページに訪れる人が多くなったという証拠でもあるが、
それでも濃い集団のため、どうしても参加しにくい人も少なからず居るようだ。


ライダー仲間の集まりではなく、ましてクラブ単位の集まりでもない。
しかし、集まる人間はライダーが多く、まったくバイクに乗らない人間の方が少ないのも事実だ。

それはシゲや私がライダーであり、属するモーターサイクルクラブが派手だったりするせいではあるが、
価値観や感覚の似通った仲間は、持っているモノも似通っているだけの事だろう・・と決めつけている。


オールドビンテージのモルトや希少価値の高い日本酒、そしてビールとソフトドリンク。
「蓬莱閣」の「餃子」&「焼売」と「同發本館」の「皮付き焼豚」&「焼豚」も定番品として用意し、
持ち込まれる各地の名産品も山と揃った。


社会に出ると、人間関係が狭くなる。

自由時間は仕事で取られ、所帯を持てば居心地の良い我が家に巣籠もり、
ややもすると会社と家の2つしか関係を持たなくなりがちだ。

そしてその数の少なさは、色々な意味で楽な状態を与えてはくれるが、
現実と自分の持つ常識の乖離が見え始めると、
言いしれようの無い不安を引き起こすのもまた事実だろう。


この生き方で良いのか?

この進路で間違いはないか?

この社会の中に生きていて、本当に幸せなのか??

そんな不安を持てるようになるのは余裕がある証拠だが、
人生には正解が無い事に薄々気付き出した人間にとっては、常につきまとう命題でもある。

だから、あるコミュニティーによって派生した集団は、
まったく次元に違った社会の一つとして、それぞれが大事に思えるのだろう。


まったくイベントが無く、テーマを持って語り合う事も無く、
それぞれが思い思いに勝手に語り合いながら、春の気持ちよい風を楽しんでいる。

ただその風景が、ちょっと退いて眺めてみると独特の固まりとして映るのは、何故だろう。


会費も会則もないこの会は、
それぞれが対等で、尊重しあう事で、成り立っている。

上下関係の存在しないグループを維持するのは難しい。

だが、人間関係を保つ為に最低限必要な心遣いがあれば、
どうにかなるって事は解ってきた。


「あのさ・・・・、ココの集まりって、尖ったのが居ないからいいよね?」

「?」

「いや、俺って渓流釣りのグループにも参加してるんだけどさ。
 ルアーとかって意外に難しいんだよ、メンバーの選び方。」

「なんでよ? 
 同じ趣味で集まる人達なら、難しくないんじゃない?」

「ほら、『ルアーフィッシングはこうでなくちゃいけない』と言えちゃうタイプが来るとさ、
 俺みたいにちょっと釣りして、料理楽しんで、疲れたらコーヒータイムにしちゃう・・・
 とかのグータラ釣師には、うざったいのよ」

「いいじゃん。
 ガッチリ釣りするヤツはやらしとけば。」

「そうもいかないじゃん。
 皆でコーヒー飲みながらダベッてるのに『釣るゼ!』とか気合い入れられたら、
 集団で来た意味まで問われちゃう気がして落ち着かないんだ。」

「なるほどね。
 ここの会は、堅苦しいこと一切無しだからね。」

「そうそう。
 そうじゃなきゃ、バイクに乗れない俺は来れないし」

「俺なんか歩きよ。」

「じゃないと酒飲めないし?」


22時に東屋の灯りが落ちると、いきなり辺りが静かになったように感じる。
そして、この静けさの中で、少し声を落としてボソボソと話は続いていく。

この感じが好きで、
参加者との出会い&再会が素敵で、
今年も開催する元気が出た。


年に2回のパーティー。
参加資格は、他の参加者と対等につき合える事だけ。
次回は秋の夜長を楽しめる頃。

気になった人は、遠慮せずにご参加ください。

 
 
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