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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

ブランド

「最近、70年代のファッションを仕掛けてる所が多く見えるね。」

「へぇ〜そうですか?」

「そうだよ。 ドラマでも引越屋を藤原紀香が着てみたり・・と」

「そう言われれば・・・・
 でも、あんまりわかんないですね」

「ハマトラ・ハマカジがまたくる・・のかな?」

「どうでしょ・・ハマトラったら、ちょうどお母さんがハマってました」


お母さんがハマってた・・・・?

そうですか、そうでしょう・・・・(;_;)
私から見れば懐かしい物も、彼女から見れば親のファッション・・・だ。

けど、70年代ファッションは今のファッションと変わりない。
ブーツカットジーンズやウエスタンブーツが流行ったのは、まさにその頃の事。

ウェスタンブーツとロンドンブーツが交互に流行り、ベルボトムがブーツカットに変化していった頃、
スーツのパンツさえフレアーで、ビジネスシューズにまでハイヒールがあった事を思い出す。

今は若者達の体格が良くなってさすがにそんなシューズとパンツをはいたビジネスマンは見ないが、
「三高(高学歴・高所得・高身長)でなければモテない」と言われた時代は
涙ぐましい努力をする人が多かったのだと思う。(シークレットシューズも全盛だった)


「ハマトラって言えば、フクゾーの服にミハマの靴、キタムラのバッグが決まりですよね」

「それもお母さんから聞いたの?」

「そうです。
 当時はキタムラのKマークがステイタスで、絶対Kが見えないと嫌だったって言ってました。」

「所謂、横浜ブランド・・だね。
 今、君達の世代じゃ、キタムラってどうなの?」

「キタムラ・・ですか?
 あまり興味無いですね。」

「どうして?」

「あのKマークが嫌なんですよ。」

「へぇ・・・。
 若者はブランド好きなのに」

「最近、あのKマークが小さくなってるの知ってます?
 それに、メンズ用のラインも出てるんですよ」

「そうなの?」

「物は悪くないから、どこにKマークがついてるわかんなきゃ、
 使ってもいいかなって思うんですけど、やっぱりヴィトンの方が・・・」


解りやすいブランドマークは、その時代の流行物でないと意味が無い。

70年代のハマトラ全盛の時代は、ブランドやトレードマークを前面に出したファッションは多く存在し、
そのマークやデザインに意味無い高額な投資をするのがステイタスで格好良かった。

そして今、国内ブランドより海外ブランドへ・・と流行は移り、
老舗と言われるブランド商売に明け暮れたメーカーは、質で勝負するしかない状況に追い込まれたようだ。


「しかし皆ヴィトンが好きだよね。
 特にモノグラム・・・・」

「やっぱり、持ってるって解りやすいし」

「俺はあのLVマークが苦手で・・・さ」

「モノグラム柄のベルトしてる娘もいますよ〜」

「マジ〜?」

「えぇ〜」

「他人と同じ物持ってて嬉しいのかなぁ・・・」

「他人が持ってるから、持ってないのが嫌なんです」

「そういう感覚で、お母さんもKマークを買ったんだよ」

「あはは 親子だから。
 ヴィトンは持たないんですか?」

「タイガの財布とか・・だったらずっと使ってるよ」

「エピより地味・・なヤツですよね?」

「そう。
 モノグラムなんて、絶対持ちたくないからね」

「どうして〜?
 男の人がモノグラムの財布だしたりしたら、ちょっと違うなって思いますけど??」

「俺にとっては『随分違うな・・』って事だよ。」


良い物だから使う事と、ブランドだから持つ事は違う。

タイガの財布は確かに地味で、ちょっと見ドコの財布だか解らなく、
5年以上使ってるのに他の財布のように縫い目が解れたりはしないのだ。
(成金仕様で、旧札が100枚入るのにも驚くが)

さすがに一部色が薄くなったり柔らかくはなってきたが、造りの良さは変わらない。


高くても長く使えるなら同じ。
だから、長く使える高い物を購入するのが私のルール。

そしてそれを裏切らないブランドは、やっぱりそれなりに限定されてくる。

キタムラがブランド商売をやめて質で勝負に入るのは、
購買層をそういうクラスに変化させたい想いがあるのだ・・と思う。

ハマトラ時代にブランドとなってしまった店が、そのブランドを捨てる意味を考えれば、
日本もやっと、カッコだけ一丁前の時代を卒業する準備が始まった・・と言えるだろう。

 
 
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