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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

「新しい店を出したので、一度行ってみてくれませんか?」

よく言われる誘い文句だ・・・と思いながらも、
馴染みの板長から言われれば行ってみようという気にはなる。


「今流行りのピンチョスでしょ?」

「串物って今きてますから、専門でやってみようって事なんですよ。
 串揚げは勿論の事、刺身やグリエ等も全て、串で気軽に食べられるようにしてます。」

「へぇ・・・ 刺身はどうなんだろ」

「ウチの若いのも向こうにやってますし、大人の美味しい時間をテーマにしてるので・・・」

「大人の・・・ね」


大人の・・・姿はしてないな・・・自分(爆)
新しい串スタイルと言われても、刺身を串で・・・・ねぇ(^_^;)

しかし、新しモノ好きとしては気になるところで、どうしようか・・と悩んでいたら、
「東京カレンダー」という雑誌に紹介記事が出ていた。

う〜む、何だかお姉さんが横に座りそうな高級飲み屋に見えてしまうが、
確かに大人向けの造りで食指が動く。

で、行ってみる事にした。


「櫻」Kaikagetsu Sakura
 045-290-3433
 横浜市西区南幸 1-13-15-2F


説明された住所から、その場所のヤバさは想像できた。

横浜駅西口のガラの悪い地区で、特に若造が集うごちゃごちゃしたエリア。
向かってみれば案の定、ズルズルとパンツをズリ下げ、ダボダボの長いTシャツを羽織った
アメリカかぶれの小僧どもが彷徨いてる。

こんな所で「大人の美味しい時間」を提供するって、どういう意味だ〜?
と思いつつ「サマディ」の前まで行くと、確かにその店はこ汚いビルの2階に存在した。

一歩間違えたら、変なボッタクリの店にも見えかねないロケーションに、
入る事をちょっとだけ躊躇する・・・が、ちゃんと看板が出ているので階段を上った。


「いらっしゃいませ」と一斉に声がかかり、店内の暗さとは裏腹な明るさに少しだけホッとする。

目の前はカウンターでセンターキッチンとなっているようで、
テーブル席はそのキッチンの回りに設置されているようだ。

奥まで行って様子を見たかったが、かなり客が入っているので、
入口に近いカウンターの角を占領した。


串揚げ5本セット 1300円
活車海老背開きグリエ 670円

色々なモノから選べるはずの5本セットは、ゴールデンウィークで市場が空いてない・・・という理由で、
お仕着せの物になってしまった。(牛肉、豚肉、ゴールデンポーク、白身魚、小海老)

その量とどうしても食べたかった活車海老を頼み、その量と出来を判断しよう・・・という考えだ。

生ビール(500円)を飲みながら待っていると、カサばかりデカイ器にこれだけかよ・・と言うサイズの
揚げ物とバゲット(小さく切ってガーリックバターを塗ったもの)が一つずつ刺さって出てきた。

正直言って、これで1300円は高いでしょ・・・と思う。
味も、特別に美味しい・・わけじゃない。

活車海老は、車海老のサイズは無く、サイマキと表記すべき物で、
味はまぁまぁマトモだったが、670円で一本だけ・・となると、全然足りない量だ。


揚げ出し豆腐 610円
餃子のキャベツ巻きコンソメースープ 490円


追加で2本オーダーし日本酒を飲もう・・と思ったら、
海華月プロデュースの「十六夜」が100mlで700円。

其の弐だったら、1合で900円だぜ?
と文句を言う気も出ずに、カリフォルニアワインをグラスでオーダーした。(600円)

揚げ出し豆腐は、円柱状の揚げ出しに十字型に二本の串が刺してあり、
キャベツ巻きは、普通のキャベツロールに雲呑のように散らされた餃子の皮が入ったスープだった。


板前は黒い調理服に黒い帽子でピザ屋の様。
カウンターには、白いレザーのスツールが二人ペア用にセットされる。

客層は、小僧&小娘が多く、カウンターでは巨デブの娘がワインのボトルを置き、
黒服はさながらホストのように相手を強要されている・・・。

この店、場所が悪すぎる。
この地区に来る客は、店が狙う層とは合いそうにない。
トイレへ行ってみれば工夫も無く、流さない使用者の後が悲しかった。


海華月は、Eat Bar“ROOTS”のようなリーズナブルな店もプロデュースしていて、
料理に対してはそれなりのクオリティとコストパフォーマンスを保っている好きな店。

が、そのコストパフォーマンスがどうしても若者を呼び、その結果店の質を落とす事も事実だ。

今回の「櫻」は、予めこのような状態を予想できていたから怒りもしなかったが、
狙いとは裏腹な営業状態を見て、少しだけ心配になった。

「其の弐」や「天間」はコスト管理が素晴らしく、決して損をした・・という気分には陥らない。
が、この「櫻」は間違い無く、高い・・というイメージしか湧いてこないのだ。

ま、まだオープンして間もない店。
そのうち姿を変えるのは解っているから、忘れた頃に、もう一回行って判断してみよう。
(でも、今の気分は「当分行かない」)

 
 
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