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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

咲良

昼、何かこれっといって食べたい物が無く、
野暮用を果たしに外へ出たついでに、スッゴイ久々にマックへ行った。

何故か・・・と言えば、
「プレミアムマック」(270円)と「おとうふサンド」(230円)に興味が湧いたからだ。

最近のマックは、安くて少ないというイメージしか無かったから、
特別なミートパティを約2倍に増やした「プレミアムマック」がどんな物か気になっていたのだ。

プレミアムマック 512kcal.
おとうふサンド  380kcal.

二つで900kcal.をちょっと欠ける位だが、夜を蕎麦あたりにすれば大丈夫だろう・・と楽しみに食べたら、
「プレミアムマック」は「ビックマック」のシングル版にしか思えなかった。
(でもビッグマックは546kcal. しかないから、実質似たような物かも)

取り立てて美味しいモノではなくカロリーも「ビッグマック」と大差無ければ、
敢えてプレミアを頼む意味はないかな・・・と思いつつ「おとうふサンド」を食べてみると、大笑い。

がんもどきに近い感じのパティにクワイを入れてシャキシャキ感を出し、
揚げ物独特の香りがフィレオフィッシュに近いテイストを与えていて微妙に美味い。

これなら楽しい・・と素直に思うが、毎日食べられる味ではないな・・・とも思うのは、
その独特の匂いや濃いめの味付けのせいだろう。

所詮はマック。
多くを期待する意味はない。


で、そんなジャンクで高カロリーな食事を昼にした日の夜は、予定通り蕎麦屋へ行く気に満ちていた。

ここのところ元町の蕎麦屋か反町の蕎麦屋にしか行っていなかったので、
今日は関内辺りの蕎麦屋へ行こう・・・と考える。

「志な乃」の太っとい蕎麦もいいし、「利久庵」の上品な蕎麦もいい。
久々に「藪真」まで行くのも一興だし、横浜橋までタクシー飛ばして姉妹店の「江戸藤」へ行くのも面白い。

もっとも横浜橋までいくなら、三吉橋の「小嶋屋」もいいぞ・・・と、色々な蕎麦屋が浮かんでは消える。

が、この前けったくそ悪い蕎麦屋を関内で見ちまったから、
そのリベンジって事で関内地区限定で選ぶ事にした。


中華街を抜け関内に飛び込むと、「福寿」という店が目に入る。

いつの間にできたのか・・・と悩むが、店の中はサラリーマンが溢れているし、
見たところ蕎麦屋より飲み屋然として食指が向かない。

地元以外の蕎麦屋じゃ基本的に飲んだ後のシメが蕎麦・・のパターンが多いから、
この店でもいいとは思うのだが、店の雰囲気が今一歩気に入らないのだ。

時計を見れば7時を過ぎているから、そうそう選んでもいられないので、
蕎麦屋とバーを足して2で割ったような店に行く事にした。


「咲良」
 045-681-5010
 横浜市中区弁天通3ー39
 

ちょっと見蕎麦屋には見えないカウンターが入口のガラス戸からよく見える。
だから、表から客の入りが確認でき、客層も判断しやすい。

今日は珍しくカウンターに客は居ず、テーブル席にも4人組が一つだけ。

こいつはちょっとラッキーかも知れないが、考えてみればGWで休んでいる人も多いはず。
有り難くその恩恵にあずかろう・・とカウンターの奥に陣取った。


「ふろふき大根の生湯葉ほたてあん」900円
「揚げ蕎麦海老玉」850円
「そら豆」500円
「スルメ烏賊の炙り」700円
「越乃景虎 龍」550円/1合
「せいろ」600円


「お通し」に鰹のタタキが出たので、最初から日本酒で頂く。

暗めの照明にジャズが低く流れ、ゆったりと座れるカウンターで落ち着いて飲める。

肴となるメニューは豊富で幅広く、生湯葉は京都から取り寄せる自信の品。
何故か「ゴーヤチャンプルー」や「クラマトジュースのクース割り」があって、沖縄関係者の存在が窺える。

ふろふき大根はその生湯葉を使った品で、大根の煮込みは少し弱いが、
帆立を使った餡とともに湯葉が楽しめ、なかなか良い一品だと思う。

スルメは生を一匹焼いてくれて、揚げ蕎麦はカリカリ感が楽しめる美味しいモノ。

そして蕎麦は二八蕎麦。
しっかりと腰のある食べ応えのある蕎麦で、単価もそんなに高くない。


昔ながらの蕎麦屋が持っている昭和時代の遺産的店舗は、飲み屋街で酒を供する蕎麦屋には逆効果。
最後に軽く蕎麦だけ啜りたい・という潜在的な欲求は、
「夜中まで営業している普通の蕎麦屋なんてロクなもんじゃねぇ」って偏見で萎える人も多いはず。

カウンターでぐい飲みに日本酒を飲むのは、ウィスキーを飲み慣れている自分にはいつも新鮮で、
どことなくチグハグとした気分に陥ったりするが、これが新しい形だと思えば納得できる。

まぁまぁだ・・・と思わせる味と丁寧なサービスが、Barとしての蕎麦屋を成り立たせているように思うが、
不思議な事にこの店は、上質な酒を置こうとはしない。(吟醸酒の扱いはやめてしまった)

多分そこら辺がこの店を支えるポイントの一つで、
客のコスト意識を見切った経営が成功を導いているのだろう。


結局何事も、
生き残るためには、変化に敏感に反応できる能力が必要なんだろうね。

 
 
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