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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

プレゼント

特別な日には何をしよう・・・
特別な日には何をして欲しい・・・?


そんな日に、何か特別な事があって欲しいと思えるのは、
実は日々が幸せな証拠なのかも知れない。

記念日を作りたがる人は、日々の暮らしに飽きしか感じていないから?
それとも強欲で、より満たされた時間をいつも以上に欲しがっているから?
そして特別な事なんて、実は日々の日常に埋もれてしまう事を知っているから・・だろうか?

パートナーとのリレーションにおいて、特別な日はいくつもあって、
二人の感情がまだまだ浮かれている時には、そんなキッカケで盛り上がる事を楽しめる。

しかし、日々一緒に暮らしていると、毎日の生活のために力を使い果たし、
その内容の重さとか大きさに関わらず、綺麗さっぱり忘れ去る事もあったりする。

そんな時、その事を強く言わないで言える仲ならまだ良いが、
相手がソレを忘れた事を強く怒るようだと、二人の関係には注意信号が出ているように思う。


「あのね・・・今日何の日か覚えてる?」

「え・・・と・・・」

「ふ〜ん、忘れちゃったんだ・・・・」

「えぇ・・・っと・・・」

「わざと、そうしてるの?」

「う・・・ん・・と・・」

「ね、美味しいモノ、食べに行かない?」

「いいね。」

「で?」

「ゴメンなさい、忘れました」

「私にとっては、そろそろ有り難くないと感じる日なんですけど・・・」

「19時に桜木町まで来れる・・・よね?」

「・・・どうかしら?」


最大限の譲歩によって出されたヒントを、見え見えのハッタリで切り抜けても、
それを許し合える仲が残っているか・・・・の見極めの瞬間。

でも、こんな助け船を出された場合、残された時間内にどれだけ頑張れたか・・を見せないと、
ずぅ・・・と根に持たれる事になりかねない(^_^;)


「あのさ・・・昨日、何処へ行ってたの?」

「仕事遅くて、会社の奴と晩飯を兼ねた飲み・・で」

「ふ〜ん・・・私、ずっと待ってたんだけど。」

「え? 仕事、いつも遅いじゃん。
 連絡無いから残業してるって思ってたけど」

「・・・連絡位欲しかったな。」

「したよ〜 でも、君の携帯留守電になってた」

「留守電に声入れてくれれば良かったのに。
 かけ直されると、困る所に居たんじゃない?」

「そ・・・そんな事ないって。
 ただ、店が地下だったから・・・」

「ま、いいわ。
 貴方と一緒に食べようと思って料理作ったけど、
 連絡つかなかったから、捨てて食べに行ったから」

「どうしたんだよ。
 何も言わないでそうしてても、解んないじゃないか」

「まだ、気がついていないの?」

「え・・・」

「私、昨日一つ歳を取ったのよ」

「あ・・・・・」


すれ違ってる心。
解っている関係。

それをなぞるように確認するのが、彼女の誕生日とは悲し過ぎる。

しかし彼も、決して嘘をついているわけではなく、
本当に激務に追われて、その日のうちには職場を離れる事ができなかったのだ。

無理でも、無茶でも、電話一本来るだけ良しにしようと思った彼女と、
ちゃんと二人で暮らすために仕事絶対主義で頑張っていた彼。

それは、「今を大事にする彼女」と「将来を大事にする彼」との視点の違いが問題なのではなく、
「今の関係が好ましくない・・」という気持に気付いた彼女と気付けない彼との落差、が問題なのだ。


「何か欲しいもの・・ある?」

「う・・・ん
 有るけど・・高すぎる」

「そうよねぇ・・・」

「欲しいモノは見つけた時買っちゃうし・・・」

「好きそうなモノは、全部持ってるしねぇ」

「だからさ・・・・
 君の見立てで、自分の男に持たせたいモノか着せたいモノを選んでよ」

「私の時は、一緒に選ぼうって言うクセに」

「でも、欲しいモノって自分でコツコツ働いて貯めたお金で買うのが良いし、
 本物が欲しいからどうしても高価だし・・・。 それに・・・」

「要は気持の問題・・・でしょ?」

「そう。
 だから、一緒に食事しよう・・でも十分だし、
 電話一本だって嬉しいものさ」

「でも、忘れてるのは許せない・・・と」

「仕事忙しくて忘れちゃっても、怒らないけどね」

「ホント? ほんとぅ??」

「たぶん・・・」


色々な事を乗り越えた関係は、乗り越えられただけの絆と経験がある証拠。
そしてそれは、お互いがお互いを想う心と関係を続けたいと願う気持あればこそ。


この前「誕生日には何を送ったら良いでしょう」と尋ねられ、こんな話をしたところ、
「誕生日前に二人で買い物に行って正解でした」と報告があった。

そいつと話をしていてあらためて感じた事。
それは、「どちらか一方の気持ばかり大切にしようとすると、関係を維持する事は難しい」という事。

フラフラとした人生を歩みながらも、ワガママ三昧で生きて自分としては、
気持ほど大切で重い事が身に浸みている。

だから特別な日に拘る若いカップルを見ると、
まだまだちゃんとリレーションができていないんだろう・・とつい、勘ぐってしまう。


「しかし・・・、一緒に行くと悪い事があるんですね」

「何が?」

「店の人が勧め上手で、結局一番良いモノを買っちゃったんですよ」

「良かったじゃん」

「何でですか?」

「そこで『一番安いモノ選んじゃう位なら、一緒に買いにくるなよ!』って言われちゃうぜ?」

「え? そうなんですか?」

「自分の彼女を飾るようなモノだったら尚更さ。
 『私にはこんなモノでいいのね?』って思うもんだよ、女は・・・」

「はぁ・・・・ そんな事言ってくれなかったじゃないですか・・・」

「あはは
 でも、お前の気持ちが確かで、彼女を大事にしてるのは知ってるから、
 彼女の方でも落としどころをみて選んでくれるって解ってたさ。」


プレゼントを交わせるような相手がいる人は、まだ幸せだと思うんだけどね(爆)

 
 
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