「今から中華街行くから、飯食わない?」
「いいよ・・・って土曜だけどいい?」
「いいよ。
滅多に行けないから、週末で味が落ちても文句言わない」
「何が食いたい?」
「『海老チリ』と『鶏肉とカシューナッツの炒め物』と『焼きビーフン』・・・かな。
後、適当に・・・って感じ。 で、友達連れてくから4人で入れる所な」
「解ってきたねぇ でも、東京モンは・・」
「『海老チリ』が好きだねって言いたいんだろ?
良いだろ?好きなんだし・・・・
本場で出る『海老チリ』って興味あるしさ。」
「東京の方が美味い『海老チリ』出す店あるだろう?」
「あるけどさ、基本的に高すぎるんよ。
オマケに競争原理が働かないから、ちょっと高飛車でな」
「解った、んじゃ、週末に座りやすい店当たっておくよ」
簡単です。
土曜日の19時過ぎに4人で食事できて、そこそこ味が期待できる店。
それは、と〜っても高い高級店か、あの店しかない・・・と(^_^;)
「楽園」(らくえん)
045-641-9308
横浜市中区山下町154
朝11:00〜昼2:00(LO)、
昼4:00〜夜9:00(LO)、土日祝朝11:00〜夜9:00(LO)
この店はもう、何度行ったかわからない。
専門的な料理は美味しく、一般的な料理は中華料理屋スタイルなのに、一味違う。
(ここの餃子は、まさに普通の中華料理屋で出る普通の餃子だ)
「ここ、好きなんだよ。
っつ〜か、土曜だったらココだろうって思ってたよ」
「悪いね、芸が無くて」
「この一人6000円とかのコースにする?」
「あのさ、その半額ぐらいで十分腹いっぱいになるようにオーダーするからさ・・・」
「任せた!よろしく!」
彼等が食べたい物はわかっているので、それを混ぜながら腹保ちのよい物を足す。
4人で一人当たり3000円位で腹いっぱいになる量で調整すると、以下のようになった。
「生湯葉巻き」
「鶏肉と野菜とカシューナッツの炒め物 」
「巻揚」
「車海老のケチャップ煮」
「揚げ豆腐と椎茸の煮物」
「焼きビーフン」
「炒飯(二人分)」
これで3000円は余裕で切れる。
飲んべえがいないので、ビール中瓶2本を加え、どうしても「杏仁豆腐」最後に食べたい人に
単品で追加しても12000円をちょっと超えた位で収まった。
「楽園」の「車海老のケチャップ煮」は初めて食べたが、
殻付きの車海老をケチャップ&唐辛子をベースに煮込んだ物。
ちょっとケチャップが強いが、芝エビより400円余計に出した甲斐がある味で、
殻をしゃぶりながらちょっとだらしなく食べるのが楽しい。
色々な店で食べる「家常豆腐」と同じ物だろう・・と頼んだ「揚げ豆腐と椎茸の煮物」は、
見た目より優しい味付けで食欲をそそった。(美味い!と叫ぶ奴出現)
しかし、カシューナッツを炒め物に入れる技は周知されているが、
個人的にはどうしても納得がいってない。
クリスピーな食感とそれ以外の食材との差が、私的には合うと思えないのだ。
ただ、今日、カシューナッツ入りの炒め物を食べてみると、
適度に油を含んで柔らかくなった食感が想像以上に美味しく感じる。
ビールにナッツは合うしな・・・と一人でニヤつきながら食べていた。
「ここの普通の焼きそばって美味しいんじゃない?」
「全般的に美味いけど?」
「なんかさ、この『焼きビーフン』食べると、そんな気がするんだよ」
そう言われて、ビーフンを食べてみると、
ちょっと油が焦げた感じがある香ばしい物。
確かに、この高温で炒めたらしき油の感じは、麺がビーフンから中華麺になっても同じはず。
そしてそれが、食欲をそそる効果を発揮しているようだ。
こんなに「焼きビーフン」って美味しかったかな・・・・?
と、今までココで食べた物を思い出していて、はっと気付く。
この店で使ってる焼豚は、炒め物の具として入ると絶妙なアクセントになっているのだ。
へぇ・・・と思いながら、箸で取って食べてみると、肉の旨味に負けないほど甘かった。
あ・・そうか。
この店の「天津飯」(カニ玉ご飯)が美味しいのは、この焼豚を具に混ぜていたからか。
実は「楽園」の「天津飯」は私にとって中華街一の味だと思っているほど好きで、
天津飯を食べようと思ったら、必ず楽園まで行きたくなるほどだったが、
その後を引くような美味しさの秘密がずっと解らなかったのだ。
「何、ニヤニヤしてんだよ?」
「いや、ちょっとだけ知りたかった事に答えが出たのさ。
ずっと気になってた事なんだけどさ」
「何だよ?」
「大した事じゃないよ。
天津飯の味に惹かれる理由が、この焼豚にあったって事なのさ。」
「ふ〜ん。
しかしここの塩加減は、やっぱいいよな〜」
「ま、今時珍しいくらい穏やかだね」
「なんか、何処で食っても味が濃いとこばっかでさ」
「そう感じるのは、若くないって証拠かもな」
今の若者達は、色々な味を知らないって事でもあるんだけどね(^_^;)
|