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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

亀の会通信03/4

年度末で滅茶苦茶忙しく、何だか心が荒んでしまいそうだから、
ここのところメンバーが揃わず休会していた「亀の会」を強引に開催してみた。
(飲みたかったんだよ〜(;_;))

と言っても、メンバーは多忙。
「亀の会」がまだ「亀の日」と言われていた頃の初代参加者のみが集ったが、
気の置けない友人と飲む酒は何にも増して美味しいから人数の問題は関係ない。


「七福」
 045-231-5668
 横浜市中区野毛町1-6


「飲物は如何いたしますか?」

「亀の翁!」

「ボトルで?」

「今日は他の物も楽しみますから、グラスで・・・
 後・・・」

「塩ですね?」

「覚えちゃいましたね」

「えぇ」


新筍の煮物
そら豆
もずく
菜の花のおひたし
ホタルイカの刺身
のれそれ(穴子の稚魚)
肉豆腐
葱鮪(串焼き)

と肴をオーダーして、久々の「亀の翁」(グラス:1500円)を楽しんだ。

スルスルっと入っていく飲み口の良さと、酔い心地の気持ちよさは相変わらず。
しかし、その味にいささか慣れてしまったようで、最初に感じた感動は蘇っては来なかった。

どんな美人でも一緒に暮らすと、3日で慣れる・・・って事か?(^_^;)

ここのところ、面白い酒に出会っているからかも知れないが、瓶の色が変わってからの「亀の翁」は
何となく線が細くなってしまったように感じてしかたがない。
(最近美味しいと思わされた酒:「南」(生酒:高知県) 「天法」(純米吟醸:長野県))

だが、今日は「亀の翁」の他にもう一つ目当ての酒があった。

「田酒・古城之錦」(純米吟醸 グラス:1200円)

酒米「五百万石」に青森の米を交配させて作り出した酒米「古城錦」を使った酒という事だが、
「亀の尾」と同じように幻の酒米と言われている「古城錦」を前面に出すあたり、
「非常に数が少ない」という地酒独特のプレミアムをつけた売り方を狙っているように思う。

「やっと一本だけ入ったんです」と店の人が言うように確かに数は少ないようで、
まさか「七福」に置いてあるとは思わなかったのだが・・・・(しかも口開けだ(^_^))

やばい
この酒、ヤバすぎる・・・

恐ろしくスムーズなクセに、しっかりと旨味があって、
田酒のもつフルーティーなクセを継承しつつ、甘みと酸味のバランスが良い爽やか味がする。
しかも、飲んだ後のキレが良いので、いくらでも飲めてしまいそうだ。

例えて言えば、雪国出身の真っ白な肌をした華奢な娘が、
母親が子供に微笑むような笑顔を振りまいているような感じがする。

「達磨正宗」のように日本酒の世界を広げるような造りも良いが、
「亀の翁」の二番煎じとも言える幻の酒米に拘る造りも受ける今は、
日本酒が成熟していける良い時代なのかも知れない。


「これ、ヤバイっすね・・・
 ちょっとぶっ飛びますね」

「お〜、俺も初めて飲んだけど、美味すぎるね。
 『亀の翁』がどっか飛んでっちゃった感じがするよ」

「で、次、何飲みます?」

「オススメ品の『〆張鶴・純』(グラス:580円)かな」

「もうまとめ・・ですか?」

「んにゃ、その次に『越の寒梅:別撰』(グラス:780円)を飲もうか・・と」

「だんだん柔らかくしていって、水・・・ですね?」

「その差が大きく見えていいかな・・・と」


実際、寒梅をそこまで低く見てしまうのはどうか・・と思うが、今日は相手が悪すぎる。
「〆張鶴・純」でも差は解るだろうが、水のようだと感じた寒梅が「古城乃錦」の後に、
そう感じられるかを試してみたくなったのだ。

そして「純」の後に飲んだ「越の寒梅」は・・・・

愕然とするほど水っぽく、
だけどしっかりと日本酒臭い、普通の酒にしか感じられなかった。


日本酒が良いな・・・と思うのは、2合も飲めばフワフワと酔える事。(私の場合)

飲もうと思えばその倍以上飲めるが、酔い心地を楽しむ意味では必要がなく、
主食の米から作られる事で、料理と一緒に楽しむのに適しているのが嬉しいのだ。


彼処には、コレしか無い・・・と、
勝手に決めつける傾向がここのところあった。

「七福」には「亀の翁」がある・・としか考えないから積極的に飲みに行かなかったワケで、
今日、運良く幻の酒に出会えたのはまったくの偶然でしかない。

時が流れている事を忘れようとするのは、
寿命を感情的に延ばそうとあがいているだけの事。

目を背けて考えないようにしても時代はどんどん変化するものだから、
取り残されてしまう事にこそ不安を持つべきだろう。

偶然は必然だと知っていても、動かなければ出会いは無い。

それを思い出した事が、今日の一杯を飲みにきた意味だったようだ。

 
 
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