クラブハウス会員経営の店が赤坂に有る。
モルト馬鹿にとっては有り難い店で、一般的に流通していないモルトが存在している・・とか。
モルト馬鹿倶楽部メンバーより東京オフの誘いがあったので、
最初からハシゴと決めて、その店から回る事にした。
「ですぺら」
03-3584-4566
港区赤坂3-18-10サンエム赤坂ビル3階
「店には、正装で挨拶に行け」と大将から言われ、厳戒態勢の東京に職質されやすい姿で参上したが、
赤坂見附近辺で寄ってくるのはポン引きの方々のみ。
(前日、正装でないのにも関わらず、刃渡り7.5センチのフォールディングナイフを持っていただけで、
しっかり勾留されてしまったメンバーが居たので、こっちもヤバイ物は見えないように隠していたが)
何か、気を遣って大人しい外装を羽織ったのが馬鹿みたい・・・と思いつつ「ですぺら」に入った。
ガランとした感じの店内は薄暗く、バックバーにはモルトしかないのか?と思うほどの品揃え。
店主が色々と揃えた逸品は、基本的にインディペンデントボトラーズ物が多い。
個性豊かでコスト的にも安いから・・と彼は薦めるが、その面白さを知っているコチラとしては
こういう店は凄く有り難い・・と言える。
「アドベック1974(シグナトリー)」
「アドベック1990(プロベナンス)」
「アイラオブジュラ3年(非売品)」
25年物のマッカラン等も多数あったのだが、1974のシグナトリー物は飲んでみたかったので、
真っ先にオーダーしてしまった結果、店主の勧めで次の2杯を楽しむ事になった。
1974は、オフィシャル物の1975に比べて穏やかにさえ感じる枯れ方を見せた。
1990は、実は「ポート・エレン」の原酒を使ってアドベックが仕込んだ物で、
香りはフローラルさを少し見せながら味は恐ろしくスモーキーで面白い。
(強いて例えれば「いぶりがっこ」の様)
そして、優しくてツマラナイとさえ言われがちな「ジュラ」のマスターブレンダーが、
自分達で飲むために作った非売品・・と言われるモルトを飲まされると・・・
製材所のような匂いに溢れたピーティーな酒が待っていた。
広く大衆受けする味を持つ物と、専門家が他に無い尖った味を求めて作る物は、
ブランドという概念すら飛び越えてしまうのが良く解る。
伝統を重んじる歴史有るメーカーですら、消費者に媚びを売って俗っぽく変化してみせるのは、
それが商売ベースである以上仕方の無い事ではあるが、
ルイ・ヴィトンがモノグラムに桜のパターンを入れるような変化は、格を自ら落とすようで見苦しい。
そんな下らない事を考えつつ、次の会場へと徒歩で移動した。
(途中の交差点で2回ほど走ると、モルトが必要以上に回ってくれる(^_^;))
「ガスライト」
03-3592-0008
千代田区霞ヶ関3-3-3 全日通霞ヶ関ビル1F
17:00〜26:00(土曜〜23:00)
日祝休
「お久しぶりです」と挨拶をされて、やはりこの店は凄いと感じる。
何故なら、前に一回しか来ていないのに、毎週来ている常連のように扱う笑顔が、
ちっとも嫌味でなく心地良いからだ。(簡単なようで難しい)
(以前のレポートはこちら http://wakao.info/text/08/381.html )
「ラフロイグ10年ハイボール」
「吉野」(塩漬けの吉野桜を入れたウォッカマティーニ)
「ラフロイグ(不明)」
「グレン・モレンジ(オフィシャル/ストーンジャグ)」
「アイリッシュコーヒー」
この店では、熱心にメールをくれた読者と会う約束をしていた。
彼は、激務の中から私と会うために1時間だけ時間を割き、
約束の時間前に店に入っていた。
厳しい仕事と責任の重さが年齢より遙かに重い雰囲気を纏わせていたが、
ここは荷物を下ろす場所でもあるバーだ。
どんな人間が来るか・・・とお互いが思っていたハズだが、
会った瞬間に打ち解けてしまえるのは、このようなメディアを介したリレーションである所以だろう。
「一期一会」という言葉を私はよく使うが、
それは突然巡ってくるチャンスもまた一回きりだ・・と良く知っているからに他ならない。
仕事でも人間関係でも、その時そのチョイスをしなければ、
二度と道は開かれない結果を招く事は、経験的に嫌って程よく知っているのだ。
思い出せばこの店は、今同席しているクラブ員と初めて出会った店。
そして今日もまた、新しい友人と出会う事ができた。
情報という乗り物に乗って、ウェブという道を走る事は、
単独で気ままに出かけるツーリングにも似ている。
行く先々で出会い、短時間一緒に走るような行為の中で、
長く付き合っていける友人に出会える事と似ているように感じるのだ。
去年は多く出かけたが、今年もまた、色々な場所に走って行こう。
その価値や意味の重さは、自らの生き方を支える土台にもなる。
そして、新たな視界が一つ増える・・という経験を積む事にもなる。
結局、走り続けるのが、私の生き方・・・なのかも知れない。
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