「最近、自殺するやつ多くね?
古尾谷雅人・・・レスリー・チャン・・・・」
「そういう時ってあるんだよな。
妙に重なるっていうか・・・さ」
「何で、死んじゃうんだろね?」
「心の寿命だよ・・・・」
普通「寿命」と考えると、心より身体の事ばかり考えがち。
心の病気だ・・・と言ってのけたのは生命保険会社の人間だったが、
私は「心の寿命」が尽きた・・・と考えている。
身体に何の問題が無くとも、感情一つで病気を誘発するほど、
心は生きる事に対して強く影響するのは、誰でも理解できるだろう。
「ちゃんと名前が売れてて、才能もあるのに何が足りないんだろう」
「生きる糧だろう・・・ね」
「生き甲斐・・かな」
「ちょっと違うように思うよ」
「どうして?」
「生きている意味を一々考えていなくても、
生きている実感を感じられない時でも、
ちゃんと生きているのが人間だろ?」
「そうだね。
生き甲斐が無くなったら死んじゃうんじゃ、
今の時代は人間が消えちゃうかもしれないね。」
「俺は、滅茶苦茶寂しくて、生きている意味さえ見失って死んじゃお・・っかな・・と
考えた事は何度もあるけど、死ぬ前にまだしてない事があるな・・・と気がついて
その都度、行動には移さないで今に至ってるよ」
「私は、そんな事、一度も考えた事がない。
死ぬ気になったら何でもできるし、やり足りない事ばかりだし・・ね」
そういう風に前向きに考えられなくなるから「心の病気」と定義され、
その病気を直す力が無くなるから「寿命」だと思うのだ。
色々な重荷を背負い込んで、身動きできずに窒息するか、
強制的にでも一時的に投げ捨てる努力をするか、
そのチョイスも本人の希望に添って行われるモノ。
そして前向きに考えるためには、色々な欲が大きく作用するのも事実だろう。
「俺ってさぁ、何にもしなくても平気な人なんよ。
だからさぁ、自力で死のうとはしなくても、面倒くさぁ・・とか思って布団から出ずに
ぼ〜としたまま何も食べないでさ。
気がついたら即身仏になってるって事はあるかも・・・」
「ないない!
絶対、アンタは食べ物作ってるって」
煩悩の多い私は、まだまだ仏の境地には達しようもない・・・と(^_^;)
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