最近随分と増えたカフェ。
それも、オープンで楽しめる店が多くなった。
道路交通法がどうの・・とか道が狭い・・・とかで,望まれる声とは裏腹に増えなかったのはもう昔の事。
店の前を豪快に開け放つセミオープンカフェスタイルで諸問題を解決し、スターバックス等のチェーン店も
参戦してオープンで楽しめる店を探すのは、そう困らなくなった。
オープンが増えた理由の一つは煙草対策のようで、
(店内にガラス張りのスモーカースペースを置く店まである)
スモーカーは外に・・という誘導をするにも便利のようだ。
「CAFE PAS A PAS」(カフェ・パザパ)
045-651-5070
横浜市中区元 町1-50
11:00〜20:30
月曜休
「せっかく良い天気だから、桜でも見ない?」
「そうだね。
今年はちゃんと花見なんてしてない・・・な」
「仕事だから、お茶するだけしか時間ないけど」
「それはお互い様。
で、どこ行く?」
「桜が見えるオープンカフェで、
貴方の会社の傍と言ったら一つしかないでしょ?」
「山下町小公園に『KORAN』のテイクアウトを持っていくのもいいよ?」
「ちゃんと席に座りたいんだけど」
「じゃ、11時に現地で」
元町プラザの奥にあるこの店には、
気候の良い時期にはついつい足を向けさせる魅力がある。
まして、店のすぐ隣には大きな桜の木。
満開の桜を横目に見ながらのビール&シガリロは、
想像するだけでも美味しそうだ。
仕事前の一服に付き合うなんて単なる言い訳。
私にすれば、一年で今しか味わえない色と空気を吸いに行ければ、それでいいのだ。
「どう?最近」
「忙しい」
「何だか毎週仕事だよね」
「そう。
無駄に歳食ってるみたい」
「ここは毎年綺麗だよね」
「だからココに来たかったのよ」
午前中の元町は、想像以上に閑散としていた。
だから、最前列の桜が見える席を占領でき、彼女の目的の一部は達っする事ができたようだ。
昨日は嵐のようだったから、今日こそ花見・・と思う人が多いだろうと思ったが、
日曜の午前中はいつにも増して眠りこけているらしい。
日差しを浴びて、猫坂下の桜は目に見えるようなスピードで葉を付けだした。
「葉桜になるんじゃ、今年の桜は終わりね」
「桜は、雪が振るように散るのが好きだな。
そんな風景の中で撮るのは、もっと好きだな。」
「毎年、こんな風景を一緒に見てるね」
「嬉しい事さ」
「すっかり散ったら、浮かれ気分も終わり・・・か。
こっちはちっとも浮かれられないのに」
「忙しいのも程度問題だけど、仕事がある事には感謝した方がいいよ。
不景気で、仕事に就けない奴らも多いんだからさ。」
仕事前のコーヒー一杯で、今年の花見が終わってしまう彼女。
でも、そんな時間を強引にでも作らないと、
春の空気や季節の移ろいを感じる目が曇ってしまう・・・とも言う。
確かにそうだ。
忙しさを理由に、感じる事に背を向ける自分は、
感じたい自分を羽交い締めにして突っ走る。
そして、そんな状態の自分を許しているのもまた、
疲れて傷ついた自分を労りすぎる私自身の弱さなのだ。
決めた。
今日は早上がりして、夜桜見物に行こう。
見える色と薫る風を感じに行こう。
きっとその後の酒は美味いだろうし・・・・ね(^_^;)
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