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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

海員閣

「注文は一回しか受け付けてくれない」
「料理をたくさん頼んでも取り皿を換えてくれない」
「基本的に相席になる」
「文句言うと10倍になって返ってくる」

そんな店が、何故か人気がある。

こういう店を良しとするかどうかは客個人の問題だが、
行列ができるにはそれなりにワケがあるのだろう・・・・


「海員閣」
  045-681-2374
 横浜市中区山下町147
 11:40〜15:00 17:00〜20:00(土日祝11:40〜20:00)
 月休


中華街広しと言えども、未だにコークスを使ったストーブで調理している店はそう無い。

運良く調理場に入る事ができたのだが、確かにストーブの中は真っ赤に焼けたコークスがあり、
その台のしたには燃料のコークスが何時でも足せるように積み上げられていた。

フイゴのパワーを入れると数十センチに到達しそうな炎が上がり、
中華鍋の底は真っ赤になるほど熱せられている。(料理後にササラで洗う時に見たら、まだ赤かった)


「ウチはただのラーメン屋だよ。
 お洒落な料理なんて作れないさ。」

「このストーブは、調理が難しい・・んですよね?」

「これしか使ってないからなぁ・・ 
 10代からこれだけでやってるから・・・」


パチン・・パチン
と跳ねる油を避けながら調理する料理長は、
どこかそのスタイルを固持する事に意味を持っているのだろうか。

とにかく、所詮はラーメン屋・・というスタイルが、
全ての料理に反映されているのは間違いない。


牛バラそば(850円)
しゅうまい(480円)
車海老の揚げ物(4000円)


マジかよ・・・この量?
と目を疑うボリュームで出てくる海老。
そして「牛バラそば」も、煮込まれた牛のバラ肉が麺が見えない程のっている。

「ウチの一押しだから」と言われて食べた物だが、半端な量じゃない事に驚くだろう。
事実、初めて行った仲間は、海老の大きさと量に目を剥いていた。

「車海老の揚げ物」は野趣溢れる豪快な料理。
ぶつ切りにされ殻ごと揚げられただけの料理は、お世辞にも綺麗な出来上がりではない。

しかし、これほど大きい車海老を使う料理は、特別な料理もしくは高価な料理でしか有り得ず、
私も特別なオーダーが無い限りこんな料理を食べよう・・とは思わなかったろう。

殻ごとかぶりついても良いし、丁寧に殻をはがしても良い。
が、こういう物はガリガリかじって、殻を吐き出せば良いのだ。

そしてその旨さは、そうやって豪快に食べる事で、より増すように思っている。
その見た目とは裏腹に格別な物がある味は、殻ごと囓る事で味わい尽くせるように感じるのだ。


「牛バラそば」も油がゴテッと浮いたような出来上がりで家系ラーメン真っ青な感じだが、
口の中でフワッと溶けていくバラ肉が、調理に掛かった時間や手間を感じさせてくれる。

とりたてて美味しい・・・とは言い難いが、その柔らかさとボリュームは特筆すべき物だろう。


そして、「焼売」

肉の固まりですか?・・・・・と尋ねたくなるほどの固さ。
いや、ミートボールに焼売の皮を巻いただけの物?と疑いたくなる感じだ。


料理長の「綺麗な料理なんて作れないよ」という言葉が、食べる度、頭に浮かぶのは、
豪快としか言い表せない全てにゴツさを感じさせる料理のせいだろう。


恐い物見たさ・・という言葉があるが、この店に入るのなら覚悟して入る事だ。

マトモな接待は期待できず、相席は当然として覚悟して、
一回きりのオーダーで食べる物を構成する事。

そうすればきっと、恐い物が美味しいかどうか、ご自身で判断つくだろう。

 
 
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