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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

菊水亭

みなとみらい地区の煌びやか夜景を横目に、
100マイルをキープしたまま地下へと下る首都高をひた走る。

トンネルに入る直前で風が巻き、バイクならタイヤ1本半は振られるところだが、
生憎の雨模様という事もあって今日は車だから意識もしない。

石川町の分岐を狩場方向へ曲がるとリミッターが効いた。


そう、今日は満月。

雨だからツーリングは中止になるだろうが、走る理由になればいい。
そして大した時間を要せずに逗葉新道の出口に辿り着いた。


職場を逃げるように飛び出してきたから、
夕食を取る事ができていなかった。

視界の悪い中でパッシングを浴びせなくても先行車がどくようなアベレージをキープしてきたからか、
信号待ちで停止していると無性に空腹感を覚える。

久々にあの店に行ってみるか(^_^)


「菊水亭」
 0468-75-0046
 神奈川県三浦郡葉山町堀内993-3
 17:00〜26:00(土日祝はランチタイムも営業12:00〜14:00)
 木曜定休


4代目と最近会ってないし、いわく付きだからこそ不義理もいけない。
それに、真摯な態度で料理と向き合う彼の今を、こんな思いつきで確認するのは楽しいはずだ。

そう思えばもう、頭の中は例の「ペペロンチーノ4代目風」でいっぱいとなる。
そして駐車場がいっぱいになっている「菊水亭」へ無意識に辿り着いていた。


店内は以前にも増して暗くなっていたが、
座る場所は駐車場と一緒で殆ど無いほど賑わっている。

その風景を見た瞬間、彼の作り出す料理と空気が確実に支持されている・・と
理解できて嬉しくなった。

髪を短くした4代目が、コチラの姿に気付いて挨拶をくれる。
その顔を見ただけで、今日、この店に来る意味が理解できた。

そう・・・・
彼は、彼の方向を見つけたのだ。

その顔つきは、進むべき方向を持っている人間独特の色を纏って、
どっしりとした空気を店内に与えているようだ。

そしてそれを、ケンカをふっかけた私は確認しにくる義務があったのだ。


「お久しぶりです。」

「ご無沙汰してます」


そんな挨拶を目で交わし、お薦め料理と定番料理をウェイトレスに告げる。
それにしても大した繁盛ぶりだ・・・と驚きながら。


ガーリックポテト 600円
シーザースサラダ 700円
エビマヨ     650円
ペペロンチーノ  800円
アストロナズーロ 600円
コロナ      600円
(チャージ300円)


4代目の考えによってオーガニック材料が奢られているワリには、安い価格設定だと思う。
魚関係は地の魚が揃い、野菜も三浦半島の物が多く使われているようだ。

最初にでてきた「ガーリックポテト」を食べて、驚く。
バターとガーリックの扱いが上手く、ジャガイモの処理も素晴らしい。
ボリュームもなかなかの物で、値段から想像した量を遙かに上回った。

ホクホクとした食感を楽しんでいて思うのは、
こういうシンプルな料理(ガーリックバターで揚げただけ)が美味ければ
全ての料理に期待ができるという事だ。

そしてそれは、本日のオススメ料理の中にあった「エビマヨ」を食べた時に納得できた。

芝海老に衣をつけて軽く揚げ、マヨネーズに少量のアルコールと乳製品と
明太子他を混ぜたソースをあしらう。

それだけの料理が、中華街で食べる「海老マヨ」が逃げ出す位に美味しいのだ。

素材が良いのと料理が上手いだけの事が恐ろしい差になって現れるのは、
コンビニエンスフードに慣れきった自分に良い刺激だ。

値段が3倍になっていいから、地で上がった車海老を使って同じ物を作って〜と叫びたくなる(爆)
(それだって2000円切ってる(^_^;))


そして
最後に「ペペロンチーノ」が登場した。

以前の物とは明らかに違う味。

ソースはスープを加えていると誰もが解るレシピになり、
ガーリックはみじん切りで、しっかりと唐辛子が効いた味になっていて、
しかも押しつけがましい塩辛さは姿を消した。

以前は、何かが足りない・・・と感じたモノが、
今回は「塩」を足せば良いと簡単に理解できる。

と言う事は、ソースのバランスが良くなったという事だ。


テーブル上のペッパーミルから胡椒を足し塩をほんの少し振りかけたら、
昔のペペロンチーノは塩しだいとはまったく別物だが、外で食べるペペロンチーノとしては
絶品に分類して良い味に変化した。

願わくは、パスタを茹でる時点で塩加減を決めるよう、茹で汁への加塩がなされる事。
この処理だけで、後は何も手を加えなくても抜群な物になると想像できる。

でもまぁ、テーブルでちょっと塩を足せば済むのだから、ここまで言うのはワガママかも知れない。


食事後、4代目と少しだけその話ができた。

が、それは所詮アマチュアの意見。
彼は既に自分の方向性を見出しているから、大きなお世話と言ってもいいだろう。

久々に、又行きたい・・と思える味を楽しめた。

ご馳走様でしたm(__)m

 
 
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