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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

両面黄

上海には「両面黄」と呼ばれる高級焼きそばがある・・と聞く。

鍋に広げた中華麺をほぐさずに油を足しながら焼き、焼き色がついたらひっくり返して同様に焼く。
外側がパリッとして中は柔らかい焼きそばになるらしいが、焼き色=黄という事らしく
両面を焼く事から「両面黄」という名がついたようだ。

その話を聞いた時、真っ先に思い出したのは「梅蘭焼きそば」だった。

焼きそばと言うより広島風お好み焼きに近いソレは、
その作り方は謎なものの、限りなく「両面黄」のイメージに近い。

だから、気になっていたのだが、最近の「梅蘭」は味が落ちている・・と聞いて、
二の足を踏みしめたまま興味の対象を忘れる努力をしていた。


「すいませんが今日、ちょっとカメラやってくれませんか?」

「あぁ・・・ちょうど一段落したから、行けるよ〜。
 で、何処へ行くの?」

「えっと、『梅蘭・市場通り店』です。」


えぇ?・・・・あの新館??
一度行って、その酷さに呆れて出た店だよ・・・・

本館の方も美味しくなくなったって聞いているしなぁ・・・・


しかし仕事は仕事だから、文句は言えない。
与えられた物を誠意を持って料理するのは、どの世界でも同じ事。


「コノ店ハ、本店デス。」

「あの関帝廟のそばにある方が本店じゃないんですか?」

「アソコハ改築シタ時、前ココニイタスタッフガ移リマシタ」


今まで疑問に思っていた事に答えが出た。

最近の「梅蘭本店」の味が落ちていたのではなく、
元々本館が有った所で新館スタッフが営業していたのだ。

じゃぁ・・・・あの味がココで味わえるのか???


中華鍋を油通しし、茹でた中華麺を直径20センチ位の円形に広げて載せる。
少しずつ鍋肌から油を足しながら、円形に広げた麺の形を変えないように鍋の中で回しながら焼いていく。

油を足す事、ほぐさない事、それらは聞いた両面黄の焼き方に似ている。

野菜を炒めて作った餡を箸で開いた麺の中に入れ、麺で蓋をするように覆うと器用に麺をひっくり返す。

返った麺を見れば、綺麗に焼き色がついて確かに黄色く見える。
焦がさないように上手く焼いた証拠は、香ばしさを想像させて美味しそうだ。

そして同じように油を足しながらもう片面を焼き上げ、もう一度ひっくり返すし、
溶き卵を焼きそばでできたの円の外側を固めるように流していく。

カメラで追いながら見たその作り方は、噂に聞いた「両面黄」の作り方のアレンジに見えた。


上海料理の店だから「両面黄」を作る事は、あって当然。
そして、昔、美味しいと通った店のスタッフが作っているなら期待ができる。

こりゃ、食いに来なきゃなぁ・・・(^_^)


「セッカク作ッタノデ、食ベテイッテクダサイ」

と声がかかったので、これ幸い(爆)
と数年ぶりの本店スタッフが調理した「梅蘭焼きそば」(850円)を味見した。


外側はパリッと硬く香ばしく、中はシットリと柔らかく、
辛さも丁度良くて玉子も焦げてない。

美味い!

懐かしい・・・・・

そんな想いが交錯するが、紛れもなくあの「梅蘭」味である事は間違いない。

今まで、本店の場所に新館スタッフが入るような入れ替え劇を見た事が無かったので、
本店の味は消えてしまった・・・と勘違いしていたようだ。


消えゆく本物ばかりを見せつけられていた日々は、
再発見という形で終止符が打たれたらしい。

失われた・・・と勘違いしている物は、よく見直せばあるのかもね(^_^)


「梅蘭 市場通り店」(ばいらん いちばどおりてん)
 045-651-6695
 横浜市中区山下町133-10
 11:30〜15:00(LO)
 17:00〜22:00(LO21:50)
 土日祝11:30〜22:00(LO21:50)

 
 
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