サイト内検索
AND OR
Photo Essay
Text Essay
Desktop Gallery
Guestbook
Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

酒BAR雪

「申し訳ございませんが、当分の間カウンターの営業を見合わさせてください。」

「改装が済めば再開できますか?」

「・・え・・と、今の時点では何時と申し上げられません。
 しかし、テーブル席での営業は今まで通りですので・・・」


一仕事終えた仲間をねぎらうには久々の贅沢もいいな・・と「山田屋」に電話をしたら、
いつも席を取り仕切ってくれるマネージャーの申し訳ない声。

どうやら、「ザ・ホテル・ヨコハマ」のアコーグループとの提携に関わる改装が、
あの山田屋にも少なからず影響しているらしい。

板長による「河豚チリ」も「どうしたらこういう発想ができるの?と悩む握り」も,
今秋の改装後まではお預けの可能性が出てきたようだ・・・・(;_;)


凄いショックだ・・

私にとっては横浜で一番ワガママが言えて、
一番コストパフォーマンスの良い店を失ったような物。

凄く落ち込む・・・


しかし今日は、仲間の労いの宴だ。

だから落ち込んでなんていられない・・・と、
久々に「亀の翁」一本買いをするべく野毛に向かった。


酔い心地の良い「亀の翁」も瓶の色が緑色になって、少し変化が出てきたようだ。
すっきりとした飲み口と穏やかの酔いの間に、少しだけソッポを向くような顔が見える。

それが何かが解らないのは、廻りの賑やかさと大事なモノを失った悲しみと、
いささかこの酒に慣れすぎてしまった・・という事が絡み合った結果かも知れない。


「河岸変える?」

「なんで?」

「いや、気になってる店があってさ。
 どうせなら一緒に・・と行かずに我慢してたんだ」

「へぇ」

「なんか、凄い酒がありそうなんだよね〜」

「行く! 今行く!すぐ行く!」

「お勘定〜!!」


居酒屋独特の喧噪の中から飛び出すと、野毛の町並は妙にひっそりとしていた。
さっきまでとはあまりに対照的で、耳が少し遠くなったのか・・と錯覚すらする。

目指す店は道一本で辿り着ける距離だから、迷わずタクシーに飛び乗った。


「酒Bar雪」(「お酒ギャラリー 亀井」内)
 045-311-0332
 横浜市西区岡野1-13-11サンエースビル1F
 酒屋の営業時間は10:00〜20:00 だが、客が居るとやってるらしい
 定休日曜


「ここだよ〜」とヤツが入っていく店は、どうみてもただの酒屋。

いや、入り口にズラッと並ぶ日本酒は
全て冷蔵庫に入っている・・・・から、普通の酒屋ではない・・か。

Barと言うからには日本酒を出す小洒落た店だろう・・・と想像していた私としては、
小洒落た立ち飲みコーナーにしか見えない店内に少しばかり拍子抜けしてしまった。

壁には肴が貼りだしてあるが、随分安い。

店主の手打ち蕎麦が580円で高い部類で、おでんセットが250円とある。
その横にはおでんの具が並んでいるが、推して知るべし・・の値段になっている。
(なれ寿司なんて珍しい物まである)

へぇ・・・と思っていると、店主が「お薦めです」とメニューをくれた。

おっ、臥龍梅があるじゃないか・・・
それも新酒だ。

値段が書いてないが、これは飲むでしょ(^_^)

酒米が醸す味に酸味がバランスよくのって、フルーティーであってしかもしっかり日本酒。

下手な有名ブランド酒なんかより美味いかも知れない・・・
と思いながら気持ちよく飲んでいて気がついた。

今日は「亀の翁」を二人で一本飲んできたって事に。

これってマズイぞ・・・
あの酒の後に飲んで美味しいって事は、かなり凄いぞ。

って、幾らの酒飲んじゃったんだだろ・・・(^_^;)


その事実に愕然としつつ日本酒のリストを見ると。この店の特異さが解ってきた。
飲んだ事の無い酒が多く、しかも古酒がかなり多く揃っているのだ。

「達磨正宗」「寝越庵」・・・
それも5年古酒なんてかわいい物。15年なんてものまである(2700円)

ふっとテーブルの上を見れば貴醸酒なんて滅茶苦茶珍しい酒まで置いてあって、
入ってはいけない店に来た事を理解した。


「すいませんが、この15年古酒を・・・」と店主に声をかけると、
ニコニコ笑いながらグラスに注いでくれたが、その色はマッカランも真っ青な色。

これが日本酒か???

と二人して目を丸くしたが、飲んでみれば解る事。


すいません。
恐れ入りました。

美味しいです。
でもこれは、日本酒ではありません。

ポートワインと言って出されたら信じます・・・・
といった味だった。

感動とも呆れともつかない感情の変化を察したか、店主が勝手に別の酒を注いでくれる。

「これは特別な生酒ですけど、貯蔵するとこうなるって面白いものなんですよ」・・・・と。

笑った。
これも日本酒の味じゃない。

なんと、プリンのような味がするのだ。


この時点で、自分達の犯したミスに気がついた。
良すぎるお酒は飲み過ぎる・・というミスに。

これ以外にもシャブリ・・・と言ってたお酒を飲んで、
あまりにフルーティーさに爆笑していた事は覚えているのだが、
気がついたら「ロブロイ」でブランデー1滴入りコーヒーを飲んでいたのだ。


やっちまった。
また記憶が無い(^_^;)

でも、二人で6000円でお釣りが来た事だけは覚えているような・・・・

 
 
サイト内の画像・テキスト等の無断利用・転載は禁じます。
Hisashi Wakao, a member of KENTAUROS all rights reserved. / Web design Shigeyuki Nakama
某若夢話は横浜飛天双○能を応援しています。