暖かさが少し顔を出し、陽が明らかに伸びてくると、
バイクの数もジワジワと増えてくるようだ。
車に乗っていても、まだまだルーキーの域を出ないライダーが多く目に入り、
誰かじゃないけど「ヘボ!」叫びたくなったりする。
が、それも今は微笑ましく見ていられる自分がいて、少しだけ歳を食ったようにも感じられた。
深夜にまで及ぶ仕事を終え、久々に観光コースを流しながら帰る事にする。
山下公園前を通り、赤レンガの脇を抜け、mm21からポートサイド地区へ走るのだ。
随分前から山下公園前では、2重駐車ナンパによる渋滞が深夜に起きていた。
混んでいても何となく通りたかったから向かったが普通は絶対通らない道が、
今日は何故か空いている・・・・
あれ?
一車線になってる・・・・
片側二車線ある道の真ん中には意味の無いゼブラゾーンが作られて、
海側の車線は一車線に制限されていた。
これじゃ、観光客の駐車に影響が出るよなぁ・・・と見ると、
走行車両はゼブラを車体半分以上跨いで走っている。
2重駐車を取り締まるために車線を狭めるなんて本末転倒もいいとこだが、
それほど深刻な問題であったのだろう。
少なくとも今日は、渋滞を作ってはいない。
暴走族もナンパ族も、路上で飛び跳ねるアメ車族も、
他人の迷惑顧みず・・・が、唯一自分を持ちあげられる行為だと知って、
その快感を支えに愚行を続ける日々を過ごす。
その精神的貧しさに気づけないのは、即物的な社会が生んだ必然かも知れない。
だから、相手にする事はバカバカしく、意味も無い事だと知っている。
が、こっちの行く道を妨害するのなら、ちょっとだけ遊んじゃお・・・と思ったりする。
赤レンガの脇を通り過ぎると、10台位のバイクが信号待ちをしていた。
なんの気無しに通り過ぎパンパシフィックホテルんの前で信号待ちしていると、
下品なアクセルミュージックが近付いてくる。
どうやら、さっきの信号待ち軍団らしい。
うるさい音を撒き散らしつつ走ってきた彼等は、
当たり前のように車列をすり抜けて一番前に出て止まった。
見れば、無理矢理カチ上げたマフラーをつけた族車が数台と、
テールランプをクリアに改造した250スクーターが数台。
格好はちょっとアメリカンが入ったチーマー風で、鉢巻&特攻服の族ではないようだ。
が、下手くそなレーシングを続ける族車乗りは、格好こそ違えども間違いなく族のノリ。
なのに、交差点で信号を待っているから、邪魔でしょうがない。
久々に遊ぶかな・・・・・(^_^;)
青信号とともに走り出した彼等は、千鳥を組んでのスロー走行。
もちろん可愛いスラローム付きだが、スクーターはそれもしない。
バイクならあっけなく抜いて終わりだが今日は車だ。
で、一台ずつ丁寧に抜いていく事にする・・と、
交差点で停まった時、抜かれたバイクは大人しく後ろについた。
信号を守り、制限速度を超えずに走っている・・・だけ。
ただ、うるさい音と抜きにくいスラローム走行はする。
これを暴走族と言ってはいけないかも知れないな(爆)
ジャックモール前のストレートで殆どのバイクを抜き、
リングだらけの右手を窓から出してサインを送ると、抜かれたバイクは一台も前には出なかった。
形だけちょっと変なツーリングクラブを虐めちゃったかな・・・と思いつつ、
ポートサイド前のストレートでキッチリ踏むと、前には似て非なる集団が・・・・
勢いに任せて4車線スラロームで千切らせて頂くが、
信号無視はできても速度超過は苦手な集団らしい。
東神奈川先まで一京で遊んだが、信号待ちする私は抜けても、
千切られても抜き返す努力をしてくれなかった。
まるで、集団で走るという形にだけ拘っているように見える彼等は、
集団の中をスラロームする異物を排除する事なんてどうでもよいのだろうか?
大事なのは、その形だけ・・・・か。
ならば「迷惑」という意味すら理解できない・・・・かな?
今の風潮を垣間見た気がして、自分の感覚と世間とのズレを感じる。
が、わざわざそのズレを埋める気なんて、毛頭ない。
そんな薄っぺらな人生なんて、ちっとも面白くないって知ってるからだ。
しかし、今日は「そういう日」・・・なのかなぁ・・・?
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