久々にバイクに乗る。
トルクに乗ってフワフワと漂う。
それは、ヘリコに乗って窓から身を乗り出している気分に似ている。
その先に落ちたら命を失う事を知ってても、そこに身を乗り出す事に恐怖は無い。
風に煽られて翻弄されても、突然ひっくり返って墜落しそうだ・・と感じても、
恐怖より生きている実感を感じて喜ぶ。
中途半端なスライドを、パワーで帳尻合わせする。
頭の芯が共鳴するような吸排気音に浸かって、自分にしか見えないルートを歩く。
そう、これは自分にしかできない事で、自分でしか感じられない快感だ。
何時も必要なものじゃないが、必要な時は必ずあって、
それを使う能力の欠如は、己が力の喪失とさえ思える。
バカだよな・・・・
でも、こうやって乗り続けてきた。
ブランクが何度かあっても必ず復活し、
その都度、一から走り方を学ぶ。
今、学んでいる事は、穏やかな走り方。
掌で地面に触れていくような走り方。
そして、心と身体が近付く落ち着きを感じたい。
今日は、とうとう100マイルまで針が届かなかった。
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