「鮮蝦雲呑麺$17」と書かれたメニューを指さす。
日本円にして270円位のソレは、プリプリの蝦が詰まった雲呑がたっぷり入った麺で、
潮州料理店(粥や麺等を主に扱う飲食店)ではまず確実に存在する物だ。
香港に行くと最初に食べるのも、コレ。
上湯の美味しさと蝦雲呑のプリプリを楽しみ、そして・・・・
細いクセに恐ろしく腰が強くて、噛み切る事にも難儀する麺を味わう。
「食いづれぇ〜」と、ちょっとだけ悪態をつくものの、表情はニヤケっぱなし。
説明のつかない快感が口の中で暴れるのだ。
そうめん位の太さしかないゴムの様に弾力のある麺は、
残念ながら、香港以外では出会えていない。
横浜中華街にあったら、どんなに嬉しいだろうか・・・と探し回ったが、
製麺所の経営している食材屋でも似て非なる物しか手に入らない。
青山に「糖朝」ができれば飛んでいって「蝦雲呑入り香港麺」を食べてもみたが、
やっぱりあの麺には遠く及ばない細麺に泣いた。
だから、日本でその麺を食す事自体を諦めていたが・・・
大珍樓別館
045-661-0077
横浜市中区山下町151
月〜金 17:00〜02:00(L.O.01:15)
土・日・祝 12:00〜01:00(L.O.24:15)
無休
前に紹介したこの店には「香港直送麺」使用と書かれた雲呑麺がある。
その「香港直送」の文字が気になって仕方なかったから、「ダメもと」で出かけてみた。
「雲呑麺!」とオーダーすると、それだけかい?という顔で見つめられる。
イ〜んです!
今日は、雲呑麺を食べに来たんです!
とはやる気持を押さえるためにビールを一本オーダーするが、今日の興味は「香港直送麺」。
それがどんな物であるかだけが大事であって、腹一杯食べる事は眼中にも無い。
「おまったセしまシタ」とちょっと変な日本語を投げられながらサーブされたソレは
まさしくあの雲呑麺と同じ上湯で作られている。
が、雲呑があまりに少ない。
そして麺は・・・・
何だよ〜これ?
コレが香港直送麺だって??
その麺は、少し不思議なかん水の香りを伴う、平打ち系の麺であった。
食べてみると、日本製ではないんだろうな・・・と思わせる感触と香りはあるが、
期待が大きすぎただけにショックを隠せない。
美味しいんだ・・と思うのだが、いつもの分析なんてできもしない。
残念だ・・・・と思うあまり、冷静な判断もつかなくなったのだろうか・・・。
あれ?
この麺、確かに香港で食べた事がある・・・
何の料理に使ってたっけ・・・???
と突然記憶の彼方をから蘇る物は、
カオルーンホテルの朝食バイキングにあった「焼きそば」だった。
この妙な格好をした少し歯応えのある麺を、ソースらしき色とソースらしからぬ味付けで調理したソレは、
間違いなく今食べている雲呑麺に使われている物。
だから、何となく香港直送麺なんだ・・・と納得できたのだろう。
店の名誉のために言っておくが、この店の中ではかなり安い料理にはいるこの雲呑麺が、
日本の物とちゃんと一線を引いた出来であり、美味しい物であるのは紛れもない事実だ。
だから今度は、余計な期待をしないで食べてみよう・・と思っている・・が、
壁に貼ってある堡仔飯(中華風炊き込みご飯)が気になっている。
何故なら「酔湖海鮮酒家」(香港:ちょいうーほいしんちゃうがー)で食べた、
「鹹魚鶏粒堡仔飯」が忘れられないからだ。
鹹魚が出す塩気だけで味付けしたソレは、鶏肉のスープも出て抜群に美味しかったのだ。
この店では「鹹魚鶏粒堡仔飯」は無さそうだが、土鍋で作られる独特の炊き込みご飯には興味がある。
ちょっと鍋底がお焦げになって香ばしさを纏い、淡い塩味と素材の旨味が浸みたご飯は
土鍋で直に炊かれる事もあってかいつまでも暖かくそして優しいのだ。
今、麺を食べたばかりなのに、次を考えている・・・・
これじゃ、痩せるワケはないね(^_^;)
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