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誕生日、おめでとう。
幾つになったんだっけ？
そうか、君はもう、歳を取らなくなったんだよね。
俺？
相変わらず。
毎日、時間が変わらずに流れてるだけさ。
解ってるって、飲みすぎって事は。
でもさ、寂しさを紛らわすためだけに飲んでるんじゃない。
やっぱり美味しいし楽しい時間だから、つい・・・飲んじゃうだけさ。
君は、酒飲むと辛くなるって言ってたよね？
飲み過ぎて、自分を見失ったから・・・かな？
俺は、見失うほどは飲めないよ。
そんなに体力も財力もないからね。
だから最近は、食べる方にシフトしてる。
勿論、コストパフォーマンス重視でね。
今のところ生きていられるのは、
きっと誰かが必要としているからだと思ってる。
例えそれが相手にとって都合の良い関係だったとしても、
俺が生きて頑張っている結果で、ソイツの力の一部になっているのなら、
俺の価値って、どっかにあるわけじゃん・・・。
その行動の意味だって、ちゃんとあるわけじゃん・・・・。
だから、君だって気にする必要はなかったんだ。
気になるなら、いつか支えてくれれば良いし、
実際君は、別の意味で俺を支えてくれていたんだから。
もう随分経つよね、会えなくなってから。
最近はちっとも顔を出さなくなったよね？
何か変な気を使っているのかな？
今日はせっかく寄ってくれたのに、
他の人間といるから・・と顔も見せずに帰っちゃうのかい？
影だけは見えて、ちゃんと気づいたんだゼ
寂しいのは、実は苦しくないよ。
死んじゃいそうに寂しくても、
そんな今をどうにかしよう・・と頑張る気になるからね。
苦しくも、悲しくもならなくなったら、
きっとそのままボケてしまうだろう・・・・ね。
生きている意味なんて存在しないって思うけど、
感じて記憶して、そして何かの力にはなっていけるはず。
だから、毎日を前へ足を出すのさ。
来年また、君の誕生日に、ささやかなお祝いをしよう。
歳の変わらない君のお祝いと同時に、
お祝いできる俺への労いみたいなものだと思ってよ。
今度、気が向いて顔を出したら、ちゃんと声かけろ・・・よな。
楽しみにしているから・・・さ。
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