広島で食べるお好み焼きは、横浜で作られる広島風より確実に「そば」が美味い。
ちゃんと茹でるからか調理が上手いからかはわからないが、
ソースに負けない「そば」の味がするものだ。
風味の出し方がそれぞれの店の技なのだろう。
一軒目で食べた「お好み焼き」も、ちゃんと「そば」の味は存在感を持っていた。
「何か・・軽かったっすよねぇ」
「そうだねぇ・・
やっぱりさぁ、観光客なんて来ない店で食べたいよなぁ・・・・」
「次、行きます?」
「今すぐ食べられる・・・と」
「行けますよ〜(^_^)」
と煽られつつ次なる店を探してみるが、意外に地元民が行きそうな店は見つからない。
カウンターだけの小さな店で、席は5・6人で埋まる位。
なのに、お客がいっぱい入っているような・・・・
横浜ではまず見ないうどん屋やイタ飯屋は多いのに、望むような店は見当たらない。
「おたふくソース」のノボリを見つけて行ってみても、テイクアウト店だったりする。
できる事なら、住宅街の外れにチョロッと存在するような小さな店が良いのだが、
どうやら探している場所が悪いらしい。(繁華街のど真ん中で若者だらけ)
そういう時は飲屋街方向を目指せば、きっと昼間からやっている店があるだろう・・・
と歩いていたら、赤い暖簾のかかった飲み屋だかラーメン屋だかわからない店を見つけた。
入ってみると、6・7人しか座れない店なのに、席は二つしか空いてない。
見つけた、
こんな感じの店に入りたかったんだ(^_^)
「夢屋」
中区三川町10-20
082-541-6333
11:30〜21:00
日曜 休
「肉玉そば」600円
「夢焼き」900円 (烏賊・海老・もち・ねぎ)
お〜いそんなに生地が小さいのか〜?
と突っ込みたくなるほどの台は、直径12センチ位。
山のようなキャベツに細めのモヤシと少量の玉葱が混じった野菜に、
天かすをかけたらその上には豚肉を並べる。
それを器用にひっくり返すと小さい台が河童の皿に見えてしまう・・・
それじゃ、お好み焼きじゃなくて野菜炒めじゃないか・・と苦笑しつつ眺めていたら、
前の「へんくつや」とは随分違う作り方が見えてきた。(チェーン店と一緒にするな<店長)
鉄板で水分が飛んだ野菜のボリュームが落ちる頃、
奥の鍋で固めに茹でたそばが鉄板に移される。
と同時に油?を上からかけ軽く炒めて丸く広げたら、そのまま「そば」を放置した。
それをひっくり返した時、その意味がわかった。
「そば」は、片面だけ焼きの入った中華街で見るような「焼きそば」になっている。
これは香ばしくて美味しいかも・・・・
と思っていると、友人の頼んだ「夢焼き」バージョンには、蒸し焼きにされた餅が
その固くなった「そば」の上で広げられ、塗り込められた。
「お皿でいいですか?」と店長が尋ねる。
隣のオバサンみたいに鉄板の上に置いて食べるのがいいかな・・とも思うが、
若干猫舌の自分としてはヘラでそのまま食べるスタイルは火傷必至だ。
で、皿で出してもらうように頼むと、店長は皿にソースを薄く塗った。
放置したそばの上に野菜&台をのせ、同時に卵を鉄板で焼く。
黄身の盛り上がり方がスゴイ卵は白身が焼けているあいだに潰されて広げられ、
間髪入れずにそば&野菜他がのせられた。
返して、ヘラで切れ目を入れて出来上がり・・・だが、
友人の方は卵無しのまま同様にされる。
どういう物が出来るんだ・・・とメニューを見直すと、烏賊や海老がまだだった。
普通お好み焼きで色々な具が入る場合一緒に焼かれる物と思っていたが、この店は違っていた。
手際よく、むき海老と生烏賊を鉄板で焼き、長葱を混ぜて溶いた卵をかけてさらに焼く。
その卵がトロトロの状態のまま、見れ目の入れられたお好み焼きの上にのせられた。
美味そう・・・だが、餅のボリュームが 凄そう・・・
前の店と同じ物(肉たまそば)を食べるつもりだったので考えなかったが、
美味しそうで腹持ちが良さそうだから昼飯に一食だったらアリ・・・だな(^_^;)
先に出来上がった「肉玉そば」には、
仕上げにコショウ・少しすった白ごま・青のりをかけてあった。
暖かいうちいただくと・・・・・
同じ様な値段の食べ物とは思えない。
香ばしく焼かれた「そば」はクリスピーな食感が素晴らしく、
キャベツ&野菜の甘さが食欲をそそり、塗りすぎないソースの味とトッピングが調和されている。
そのビールに合う事と言ったら・・・・・
来た甲斐が、ありました。
こんな素敵な昼食、ありがとうございました。
ただひとつ、心配な事があります。
二度と横浜で「広島風お好み焼き」が食べられなくなったような、気がするのです。
ご馳走様でしたm(__)m
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