昼飯を食いに外へ出る。
夜しかやってないそこそこ人気のあるバーが、
昼からランチをやっていた。
不景気なんだな・・・・
恨みの「カレー饂飩」リベンジを考え蕎麦屋へ行くが、いつもの店は満席。
味はちょっと落ちるがその分を量でカバーする別の蕎麦屋へ行くと、空席が目立つ。
不景気・・・じゃなかったっけ?
と突っ込まず「カレー饂飩」と言いそうになって、
「今年も新蕎麦打ってます」という張り紙を見つけた。
「も」ってなんだよ? 「も」って・・・・(^_^;)
と突っ込みたくなる誘惑をなだめつつ「それじゃ『もり』」と頼んでしまう自分。
勿論、同時に「肉じゃが」+「ビール」をオーダーするのは忘れないが(爆)
いつもの蕎麦じゃない・・・・
マジ、まともな蕎麦。
ちょっとクタッとしそうな感じでも、ちゃんと蕎麦の香りがして
しっかりとした歯応えと喉越しの良さが揃ってる。
いつもこんな蕎麦出してたら、この店も繁盛間違い無し(爆)
普通の蕎麦屋の蕎麦なのに、妙に美味しいって感じは、嫌いじゃない。
有名店での「せいろ」も美味いが、高すぎるので興醒めだ。
蕎麦なんて庶民の食べ物に、妙な高値をつけるのは理解に苦しむって物。
酒1合と「もり」で1000円って感じであって欲しいのさ(^_^;)
(何故か今年は、行きつけの蕎麦屋2軒で、そんな理想が現実化してる)
見上げれば、空には重い色。
予報通り数時間後には雨が来そうだ。
と思ったら、無性にバイクに乗りたくなった。
目眩は無い。
ガソリンも無い。
ガソリン入れに行って、少しだけ回してやるか・・・
こんなに、バイクが特別なモノになるとは考えてもみなかった。
大事なのは、バイクに乗って何処かへ行く事であり、
見知らぬ場所で、土地の物を楽しめれば良いと思っていた。
だから、ちゃんと走りさえすれば、良かったのだ。
しかし今のバイクは、もっともっと特別な物。
心を開放し、感覚を励起し、細胞を活性化する不思議な乗り物。
それを知っていて封印するのは、煙草吸いに煙草を止めさせる事より難しい。
満タンにして5分後、スピードメーターは100マイルを超えていた。
自ら壁を作って、意識の外に追いやって、そのくせ忘れる事もできないモノがある。
その壁は、向こう側から破られて欲しい・・と望んでも、決して破られはしないのだ。
だから、自ら壁を乗り越える無意味な考えに捕らわれるが、
どう動いても満たされる事は無い事も解っていた。
無になる時間を楽しむ事は、忘れていた欠落を埋める行為なのかも知れない。
何が埋まったのかは解らないが、穏やかで満たされた感触がある。
ほんの20分間の走行。
それだけの事なのに、どうしてこんなに満たされるんだろう・・・
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