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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

レタスの湯引き

「『大珍樓別館』(12/26「我想食鹹魚鶏粒炒飯」参照)の雑感を読んで、
 どうしても食べたてみたくなったから、今晩連れてってヨ」

「OK 何時頃来る?」

「11時は回っちゃうかな・・・」

「あのね・・・
 それまで、晩飯を食わずに居ろ・・・と言うわけ?」

「付き合ってくれればいいよ、先に何か食べてても」

「それじゃ、オーバーカロリーだ」

「なるべく早く仕事切り上げて行くからね」

「お〜い・・・」


彼女は香港フリークだ。
年に一回以上は香港に飛ぶ。

香港フリークには大きく分けて2種類ある。

「買い物好き」と「食事好き」がそれ。

バブルが弾けてブランド物の買い漁りは減ったが、衣料品や靴、中国茶や独特な文化を反映した雑貨から
漢方薬まで・・と買い物に値する物は山ほどあるから、買い物指向を持つ人の気持ちは良くわかる。

食べ物に至っては、素材の美味さと料理の確かさに加え、
イギリス文化の影響からアジアとヨーロッパ両方の食文化が楽しめる。
それに、贅沢の極みから庶民的な食事までの殆どが抜群に美味しい・・という現実がスゴイのだ。

そのどっちをメインに香港へ行くのか・・・によって大別できるのだが、もちろん私は「食事」組(^_^;)

そして彼女も、どっちかと言えば「食事組」。
だから、「鹹魚(はむゆー=塩魚)」の記載に心穏やかでいられなくなったのだろう。


ハッキリ言って、店内は日本じゃなかった。

大声でひたすら喋る人達が大勢いたが、その言葉はバリバリの広東語。
歌うように語尾の上がる喋り方の洪水は、中華街に慣れている私にとっても新鮮だ。


「鹹魚鶏粒炒飯は基本としてスープと青菜と何か料理を一品たのも・・・」

「じゃ、料理は特製ソースのエビチリにして・・」

「え〜??? エビチリ?????」

「いいから、黙って食え!
 君の想像するエビチリとは全然違う物だから」

「はいはい」

「返事は一回、伸ばさずに!」

「は〜い」


「当店特製お袋のスープ」(1280円)
「野菜(レタス)の湯引き」(980円)
「芝エビの特製チリソース煮」(1800円)
「塩漬け干し魚と鶏肉入り炒飯」(900円)


実は、前回来た時気になっていたレタスの湯引きを、どうしても食べてみたかった。

彼女も、香港の「映月樓」で食べたレタスのスープ煮が忘れられないようで、
青菜炒めの代わりにコレをオーダーする事には何の異論もなかったが、
メニューの写真を見る限りでは、たっぷり醤油がかかっていそうな色合いが不安を呼ぶ。

大珍樓本館で食べた「レタスのスープ通し」は醤油味が強かったので、
もし同じ塩辛さがあれば彼女から不満が出るのは必至だ。

でも、日本人を相手にしないような味付け&材料を売りにしているこの店だから・・・と
腹をくくってオーダーする事にした。(きっと薄味になっているはず)


「これ、海老チリじゃないね・・・確かに・・・。 コレなら食べられる」

「どうだぁ、美味いだろ」


いきなり海老チリを持ってくるとは思わなかったが、彼女の反応は上々。
そして、自分的に一番興味のある「野菜の湯引き」が出てきた。

写真の通り、レタスをスープで煮た物。
味付けに中国醤油がかかっているようだが・・・・

辛くない・・・・・
美味い(^_^)

レタスのシャキシャキ感が残ったまま、適度な塩味とスープの旨味で
いくらでも食べられそうだ。


「『映月樓』とまではいかないけど、この味が中華街で食べられる・・とはね」

「だろう? コレで喜んでたら『鹹魚鶏粒炒飯』じゃ泣くぞ」

「やっぱり臭い?」

「臭い臭い(爆)」


その臭い「鹹魚鶏粒炒飯」と「お袋のスープ」が出てきた。

炒飯は以前食べた物と変わらぬ美味しさがあって言う事無し・・だったが、
初めて食べる「お袋のスープ」にはちょっと驚いた。

おおきなカメに似た器と、スープの具が別々に出てくるのだ。

「この具は、こちらのタレをつけて召し上がりください」と皿に盛られた具は、
蓮根・蛸のゲソ・大豆・骨付き肉他だった。

スープは蓮根の色に似た濁り系の物。
骨付き肉が良い出汁をだしているのか、飽きない美味しさがある。
二人で飲みきるには十分過ぎる量を見て少し料理を取りすぎた事に気づいたが、あとの祭り。


「良い店だね。
 こんな時間に開いてる事の珍しいけど、
 こんなに日本離れした料理が食べられるとは思わなかったよ」

「これで、香港のあの「麺」があったら言う事無いんだけどね」

「ねぇ・・・・、メニューにある「香港式雲呑麺」ってどう?」

「食べてないよ」

「香港直送麺って書いてあるよ?」


えぇ?
え〜??

本当に、雲呑麺のところだけ香港直送麺と書いてある。
もしかして、あの噛み切れないような細くて固い麺なのだろうか???

日本ではあの麺は食べられない物・・・と諦めていたのに・・・
あの麺が食べたくて香港まで行ってるようなものなのに・・・・


「今度、調査しといて」

「あの麺だったら、また食べに来るって?」

「あったり前でしょ」

「夜中に?」

「たぶんね(^_^;)」

 
 
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