「よくお洒落なバーに熱帯魚っているよね?」
「あぁ・・・ありますね。
あれって、精神安定剤みたいなもんですよ」
「へぇ・・・どういう意味?」
「人間って、暗くて何も動かない所に居ると落ち着かないんですって。
アロワナみたいな魚がゆったりと泳いでいるだけで、
落ち着いたり癒されたりするから腰を落ち着けてもらえるって事らしいですよ」
確かに何も動かない暗い部屋は「不安感」が生まれるかも知れない。
ぼやっとしか見えない室内で何も動かなければ、
現状認識さえままならない苛つきと、安全を確保できない恐怖が湧くだろう。
それを補うのが、動くもの・・・・か。
しかし、長きに渡って不眠症と戦ってきた私にとって、
完全な暗闇の中では楽に睡眠誘導できる事にも気づいている。
学生の頃、授業をサボって暗室の中で居眠りすると
気持ちよく眠れる事にきがついて、自分の部屋を暗室同様に遮光してみたら・・・・
目を開けても何も見えない事に頭が諦めたのか、あっという間に眠りに落ちる事に気がついた。
だから完全なる暗闇は、私にとっては落ち着く場所になるのだが・・・・
就寝部屋をそうすると色々な不具合がある。
例えば、
(1)現在時間の喪失=思いっ切り生活時間がずれたりする=遅刻必至
(2)部屋がいつでも真っ暗=掃除しにくい=食事する気にもならない
=寝るためにしか使えない
(3)空気も動かない=空調に頼る必要がある=季節感の喪失
という具合だ。
だから、酒を飲んだり薬を飲んだりするのだが、
これも効きすぎて起きられない事あって常用できない。
「そう言えば、暗い店でも落ち着けるのは、
ココみたいに外が見えたり、鏡などで廻りの動きが目に入るって、
有るかもしれない・・・・」
「客が来ないと、ぼ〜っと外の道路見てるんですよ。
で、その人の流れで入りを予測したりするんですけど・・・」
「今日は、空気凍ってるよね?」
「えぇ・・・。
閉めて帰ろうかな。」
眠れぬ日々を過ごすのは、私だけに限らないんだな・・・・(^_^;)
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