会社の同僚と簡単な新年会という名の飲み会を開いた。
と言っても派手な催しでなく、単に酒飲むだけの事(^_^;)
どこへ行こうか・・と相談しても思い当たる店はなく、
思いついたのは最近ご無沙汰の蕎麦屋だった。
「汐汲坂 まつむら」
045-662-4613
横浜市中区元町3-141
11:30〜15:00 17:30〜21:30(LO 20:00)
ご主人は脱サラ組だが、その腕は決断が正しかった事を裏付けするほど。
蕎麦も美味いが饂飩もいける隠れ家的な店で、蕎麦屋で一杯飲むには都合が良いのだ。
この店の「更級そば」は、ちょっと他では出会えないほど香りが高い。
(ここで更級を食べるようになってから、普通の店の更級がそうめんに感じられるようになった)
ただ、更級は変わり蕎麦の中の一品なため、必ずしもあるわけじゃない。
だから店に来ると、今日は「更級そば」があるかな・・・と
張り出されるメニューを見ながら席につくクセがついてしまった。
蕎麦屋の使い方は難しい。
いや、見極めが難しい。
滅茶苦茶美味い蕎麦を食べさせる店や、炒飯やラーメンまで置いてある食堂的な店はまだ解るが、
中途半端にお洒落で高そうな店だと、どう使うのが利口か判断しにくいのだ。
中途半端に高そうな店の特徴としては、
(1)ご飯物が無い
(2)「もり」「ざる」がなく「せいろ」となっている
(3)店内がお洒落に造られ、高価な什器を使っている
(4)店員がお洒落なユニホームを着ている
といったあたりがあげられる。
で、こんな店に入ってしまった場合まずはメニューを覗いて、
蕎麦以外のメニューがどれだけあるかをチェックするのが私のやり方だ。
肴となる料理が多ければ飲むための店。
食事となる料理が多ければ、和食を楽しむ店。
殆ど料理がなければ、その店では蕎麦以外は頼んでも無駄な店だろう。
しかし、そうやって客を悩ませているうちは、
まだ店側としても方向性を見出していない証拠なのだ。
その店の悩みは、酒のメニューを見れば簡単にわかる。
酒のコスト設定と品揃えで店に集まる客層が決まってくるから、
その客層に見合う料理があるかを判断すれば、バランスの良し悪しが見えるのだ。
この「まつむら」は、まさにこの中途半端に高そうな店になる。
だから初めて入った時は、蕎麦を食べるべきか飲むべきか・・・と悩んだ。
酒の種類はそこそこあったが、スゴイ酒があるわけではなく安い酒も無い。
料理は肴となるそうな物が多いのだが、蕎麦屋でしか食べられない物は少ない。
14名しか入れない店だからコストは高く、蕎麦だけで腹を満たすのは難しい。
で、必然的に飲む店という扱いをした。
ここで軽く飲んで、蕎麦で腹を作って、本格的に飲む店に移動する・・という使い方に。
「あけましておめでとうございます」と挨拶を交わし、
まずは「立山」(900円/一合)をオーダーする。
と、もずく、海苔の佃煮、蛸の桜煮が入った小鉢が出た。
メニューを見ると、無理に多く並べていた料理が整理され、
それでいて必要十分な肴が揃っているではないか。
どうやらご主人は、しっかり飲める店へと方向を定めたらしい。
不景気の中で生き残っていくには、しっかりと方向を決め無駄を省き、
得意分野を十二分にのばし、しかも天命を待つものなのだろう。
無休で孤軍奮闘している「まつむら」が安泰なのは、
そんな基本をちゃんと押さえているからか・・・。
自分の生活の中に存在する無駄を省くのは難しいけど、
心が痛まない程度にシェイプアップする必要を感じた。
でも、無駄な物って減りにくいんだよなぁ・・・・(^_^;)
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