サイト内検索
AND OR
Photo Essay
Text Essay
Desktop Gallery
Guestbook
Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

カレー饂飩

「腹減ったんでなんか食べようか?」

「いいですね。
 丁度その茶屋に饂飩がありそうですよ」

「観光地値段かも知れないが、背に腹は代えられないしな」


それはもう25年も前の事。

奈良のとあるお寺で着物の撮影が終了した時、
行く宛も無かった私と師匠は、駐車場に隣接する茶屋で食事をする事にした。


「おばちゃん、何が一番腹にたまる?」

「天麩羅かカレーやね」

「じゃ、カレー饂飩二つ!」

「あいよ〜」


ドン!とばかりに出てきたカレー饂飩を見て、師匠と私は少しばかり悩んだ。
饂飩が隠れるほどカレーがかかったソレは、おばちゃんの好意で盛りが良かったのだが、
カレー饂飩につきものの汁が入ってないのだ。


「おばちゃん、大盛りありがと〜
 だけどこれって、汁は入ってないものなの?」

「そうよ〜
 ウチはずっとこうやって出してるのよ〜」


そうですか・・・解りました。
カレーは好きだし、饂飩も美味いし、文句はありません。
でも、カレー饂飩はやっぱり微妙に汁に溶かれているカレーが美味いんだけどなぁ・・・・

以来師匠と食事する時、カレー饂飩をメニューにみつける度に
店の人にその話をするようになったが、汁無しカレー饂飩に出会える事は無かった。
(別に、汁無しカレー饂飩が食べたいわけじゃない)


先日、ランドマークに通っている人間から「カレー饂飩専門店」があると聞いた。

カレー饂飩と聞けば「汁無しカレー饂飩」を思い出す私だが、
「カレー饂飩」だけしか無い店というのは聞いた事がない。


「古奈屋・ランドマークプラザ店」
 045-228-6221
 横浜市西区みなとみらい2-2-1 横浜ランドマークプラザ 1F
 11:00〜22:00
 
プラザの一階、ウェンディーズの傍に位置するこの店は、
店前に置かれた紹介記事や情報によれば、巣鴨に本店を持つ行列のできる店らしい。

しかし、仕事始めの日という事もあってか、訪れた時は店には一人の客も居なかった。

店舗は恐ろしくお洒落に作ってある。
オブジェを囲んだ円形のカウンターや対面型の机席等が揃い、さながらバーの様だ。

テーブルの上にはステーキハウスによくあるような紙のエプロンが置かれ、
カレーが飛ぶ事への配慮が心憎い・・と思った。

ただ、店員の態度もとても親切なのだが、ちょっとばかりそれが過ぎるような気もする。
しかしそれよりもメニューを見て、少なからず驚いた。

カレーうどん 1000円
もちカレーうどん 1150円
えび天カレーうどん 1350円
えびもちカレーうどん 1500円
もちカレー雑炊 1200円

ただのカレー饂飩が1000円だと・・・?
どれほどの物なんだ??

これは、相当な自信がある、と見るしかない。

カレー饂飩に海老の天麩羅をのせたら、油でシツコイだろう・・と思うので、
「カレー饂飩」(1000円)をオーダーした。


「お待たせいたしました。『カレー饂飩』でございます。」


深々と頭を下げてからウェイトレスがサーブする。

器も割り箸もレンゲも、全て高価な感じが漂う。
そしてカレースープが饂飩を隠すほど多く盛られた饂飩は、
調度や店構えに負けない雰囲気を持っていた。

1000円のカレー饂飩はどんなだろう・・・・

スープは丁寧に炒められ飴色になった玉葱の存在が解る程度で、まさにスープのみ。
饂飩は想像以上に細く、少し縮れた感もあるが量が少な目に見えた。

スープを啜ると、確かに美味しい。
けど、どこかで食べた事があるような味で、決して重いイメージはない。

饂飩はどちらかと言えば柔らかく、存在感が薄い感じがするが、
後味になんとも言えない甘さが見え隠れして、私としては不快に感じてしうのだ。

ココナッツミルクと言うより脱脂粉乳に近いテイストと気持ち悪い微妙な甘さが、
饂飩という物を食べている感覚を鈍らせていく。
と言うか、ハッキリ言ってスープに負け過ぎで美味しくない。
気がついたら既に饂飩は無く食べた気がしないから、その量も少ないという事か。

腹が空いているから残ったスープを啜っていたが、
このスープに中華麺を入れたい欲求に駆られて苛ついてきた。

アッ・・・
この味って、カップヌードルのカレー味に似ているだ(^_^;)
だから、中華麺を入れたくなったんだ(爆)


確かにコレなら、海老天をのせたり餅を入れたりしたくなる量だろう。
そして店としては、饂飩よりスープに命をかけたのかも知れない。

でも、カレースープだったらもっと美味しい店(スープカレー「らっきょ」)がある。
カレー饂飩と言うなら、もっと饂飩にも工夫が欲しい。


「1050円になります。」


外税なんだ・・・この店。

1050円払っても、ちっともお腹いっぱいにならなかったから、
店を出てそのまま「ウェンディーズ」に入りたくなった。

でも「えび天カレーうどん」なんて頼まなくて良かった。
(間違いなく「ハードロックカフェ」でハンバーガーを食べた方がマシって思う)

ランドマークプラザの家賃の高さを割り引いても容認できないコストパフォーマンスの悪さは、
間違いなくオーバークオリティの調度やスタッフ数が影響しているのだろう。

こっちが一人で食べている時、ヒマを持て余したスタッフの談笑を聞かされていたから、
余計に経営者の神経を疑うのだろう。


たかが「カレー饂飩」だぜ?
お洒落して初デートに行くため店みたいな造りは意味がないだろう?

久々に「二度と行かない店」に指定したい気分に、させていただいた・・・とさ(-_-メ)

 
 
サイト内の画像・テキスト等の無断利用・転載は禁じます。
Hisashi Wakao, a member of KENTAUROS all rights reserved. / Web design Shigeyuki Nakama
某若夢話は横浜飛天双○能を応援しています。