再見

何年かぶりで再会した人。

過ぎ去った年月がお互いの風貌をそれなりに変えても、
大好きだった笑顔が変わらないのを見て、ほっとする。

巷は忘年会の人出で騒がしく、どこへ顔を出しても騒がしい。

しかし今日は、話がしたくて再会したのだ。
だから、回りの雑音は無視しよう・・・

色々な事があった事を思い出し、
違う道を歩き続けてきた事を確認し、
今のお互いの生き方を再確認する。

切れない絆も、何時かは切れる。
変わらぬ想いも、届かなければ意味もない。

そして確実に、日々、新しい道を一歩ずつ歩いている。

そんな当たり前な事を、会話の中から理解しなおし、
そして遠い昔にした約束を一つ果たした事に、満足した。

「いつかこうやって、二人でお腹一杯食べたいね・・・・」

そんなささやかな約束を。

誰かを恨む事、誰かを裏切る事、誰かを傷つける事・・・
自分がそうするくらいなら、される方がまだマシだ。

そう考え、気を使って生きていても、無意識にそうしている事はある。

だからといって、今の生き方、考え方を、変える事はできそうにない。

例え一人きりで走る事しかできない・・としても、
同じ速度で、同じ感覚で、同じ理解で走れる人間としか
命のやり取りはできないから・・・・。

信じる事でしか前へ出られない私は、時にはお人好しのバカ者と言われるけど、
結果的に誰かの役に立っている事で、生きている意味を感じている。

きっとこれからも、そんな不器用な生き方しかできないんだろう・・・・