ちょっとした記事を書くために、昼からまともな中華料理を食べる事にした。
と言っても、コース料理じゃなく「飲茶」。
香港じゃ当たり前に飲茶が楽しめる店が多いけど、横浜中華街ではそうでもない。
飲茶専門店と銘打っても、普通の料理を出すのが当たり前だから、
中華街で飲茶をする感覚は独特なモノとなる。
「大珍樓本店」
045-681-3277
横浜市中区山下町202
11:00〜22:00(LO21:15)
無休
この店は、中華街に於いては「飲茶」の基準店と言える。
品揃えの良さ、質、中国茶の揃い具合。
そのどれもが程良いバランスを保っている。
そして、店の造りもキレイで落ち着ける・・・よ言うか、
空間を贅沢に使っている気がする。
12時過ぎに店に飛び込んだからか、随分ゆったりできる・・・という感想を持った。
お茶は、安渓産の黄金桂、台湾産の凍頂烏龍、雲南産のポーレイ、そして緑茶の龍井
(各400円:茶こし付きマグでサーブされる)等、マトモなお茶がある。
これは、「お茶はただ」という感覚を持っている日本においては結構な挑戦だ・・とも思うが、
「飲茶」と言う以上コレくらいあって当然の事。
そしてそれを飲んでみれば、400円に見合うだけの味がするので、
ちゃんと「飲茶」をするぞ・・・・という気分が盛り上がってきた。
「芝海老の蒸し餃子」(600円)
「蟹子焼売」(500円)
「海老の紙包揚」(200円/本:2本オーダー)
「レタスのスープ通し」(1000円)
「海老とニラの蒸し餃子」(500円)
「大珍炒飯」(800円)
「中国茶」(400円:マグサービス)
何?
レタスのスープ通し??
何でこんな物がここにあるんだ???
それは「映月楼」(香港)での「飲茶」を楽しんだ時出会った、素晴らしい料理と同じ物。
彼の地では必ず一品青菜の料理を取るのだが、
季節野菜を選んで茹でたりスープで煮たりし、それにオイスターソース等をかける物が主流だ。
で、「映月楼」ではその野菜の中にレタスもあったので試してみたら・・・
ちゃんとシャキシャキ感があって、スープが葉の中に染み込んで、
ソースとスープのバランスが素晴らしくて・・・・
コレがもう・・・・滅茶苦茶美味しかった。
中華料理にレタスを使う?
サラダじゃなくて?
そう考える人もいるかもしれないが、レタスだって立派な青菜の一つ。
美味しければ、炒め物にも汁物にも当たり前に使うのが中華料理だろう。
炒飯にレタスを入れるのは香港では常套手段だが、その歯触りの良さが一味も二味も加えるのは有名で、
中華街でもレタスを入れた炒飯を出す店が増えてきた。
しかし、この「レタスのスープ通し」がメニューにあるのを見たのは、今日が初めてだったのだ。
「お待たせしました〜」とウェイトレスが持ってきたのは、間違いなく香港で見た物と同じ。
絶対、香港と同じ味わいがあるわけはない。
それは、スープが違う事と、レタス自体の美味さが違うからだ。
しかし、そう解っていても、やっぱり心が躍った。
スープの味が濃い・・・というか辛い。
しかし、この暖かく柔らかく、しかしシャキシャキとした食感の残っているレタスは、
やっぱりあの料理にを思い出させるに足る美味しさを演出していた。
これでスープが美味かったらなぁ・・・・
そう嘆いても仕方ない。
使っている食材に差が有りすぎる。
特にスープを取る鶏の味に、違い過ぎる程の差があるのだろう。
中華街で香港と同質の上湯(透き通ったガラスープ)に出会えない事が、それを裏付けている。
標準的な点心を食べ、コストパフォーマンスの良さを感じられるお茶を飲み、
午後の日差しを楽しみながら、付き合ってくれた友人と一時を過ごす。
ランチタイムの飲茶は、仕事に苛ついた神経を上手く弛緩し、
蓄積しそうなストレスさえ何処かに捨て去ってくれそうだ。
「レタスのスープ通し」を食べて香港を思い出し、
その食感に香港の空気を疑似体験できたから、
きっとまた、こんな「飲茶」を楽しむような気がする。
しかし、ストレス解消のために食べばかりいると、
間違いなく太るよなぁ〜(^_^;)
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