深夜、腹が減って・・と言うか、今日は午前中にひっくり返っていたため、
何も食べていなかったから、久々に「吉野家」に行った。
結構な時刻なのに、若者からサラリーマンまで至る所に陣取っての繁盛ぶり。
安く空腹を満たすのにも好都合な物だと思うが、実はコレも好きな食べ物の一つなのだ。
「牛丼 頭の大盛り」(440円:ご飯は並で肉だけ大盛り)
「卵」(50円)
これにビール(440円)といきたいところだが、車を路駐してビールはいくらなんでも・・と自粛。
でも廻りを見ると、牛皿とサラダをつまみにビール飲んでる連中もいた(^_^;)
昔は並を頼むと肉の量が少なくて、紅生姜を山ほどのせて食べるしかなったような記憶があって、
ある時「肉だけ大盛りにできないの?」と尋ねたら「頭の大盛りですね〜」と返されて以来、
吉野家ではこの肉のみ大盛り丼を食べるようにしている。
だから記憶の中の吉野家の味は、紅生姜とあまり辛くない七味の味。
それでは飽るから・・と、卵をかけるのがちょっと贅沢出来るとき。
後は、肉を一気に食べてしまわないように気を使いつつ、
足りなければ生姜&七味を加えつつ食べていた。
紅生姜や七味を多く使わせるのは、匂い消し(生姜)と食中毒予防(七味の中の陳皮(みかんの皮)
は健胃薬効がある)を狙っての事・・とさえ噂されたが、確かに吉野家の七味は陳皮が多すぎる。
でも、たっぷりかけて食べられる楽しさを覚えてしまうと、これもまた吉野家の味なのだろう。
最近、並盛りでも肉の比率が上がっているように見えるが、気兼ねなしに食べたい私は
今でも基本的に「頭の大盛り」オーダーしている。
卵を箸でかき混ぜ、牛丼の上にドバッとかけ、紅生姜をのせたらビビンバよろしく混ぜた後、
おもむろに七味を、それ以外何も見えなくなる位、ふりかける。
そのブツブツ感というかザラザラ感はもう、一つのトラウマなのかも知れない。
何だか汚らしい食べ方は、私にとっては何故か美味しい。
だから、下品だと解っていてもそうやって食べるのだ。
牛丼屋で上品もクソも無いじゃん・・と、
気兼ねなしにパクつくのもまた、快感の一つなのだろう。
「おい!兄ちゃん! ちょっと来い!」
「はい!」
見れば、ちょっとヤクザっぽいオヤジが叫んでる。
その声に、気の弱そうな店員が駆け寄った。
「俺に出した牛丼、ちゃんと肉入れたか?」
「はい!」
「はい・・じゃねぇだろ! 見ろよ!これ!!
玉葱ばっかりで肉なんて無ぇじゃんか!」
オヤジ、お前さっき肉喰ってたじゃないか・・・
「この店は何だ? 牛丼って言いながら肉入れないのか?」
「そんな事はございません」
「何だとぉ? じゃぁ何故玉葱ばっかりなんだよ?」
「申し訳ありません」
気の弱そうな店員は、米つきバッタのようにお辞儀をすると、
食いかけの並盛りの丼にたっぷり肉を入れて持ってきた。
「最初っからこうやって出せばいいんだよ!」
「申し訳有りませんでした」
「わかりゃいいんだよ・・・」
そのオヤジはニコニコ笑いながら肉を頬張り、ご機嫌で並の料金を払って帰っていった。
それは、昔まだ深夜営業のレストランが少なかった頃の事。
深夜の吉野家で起きた情けない恐喝事件(それほどのモノではないけど)。
そのやりとりは、私以外そのオヤジしか居ない状況で起きたのだが、
それだけ人が居ない状況においては、そんな因縁も付けやすいのかも知れない。
不景気な今(ほぼ満員の店で)そんな事件が起きたらどうだろう?
全員で身勝手なオヤジを叩き出すか、俺も俺も・・と全員で恐喝に入るか・・・(^_^;)
誰かが携帯で110番通報し(面白がって)誰かが「いい加減にせぇよ・・・」と嗜め、
きっと多くの人間が無視して、結局店の通報で警察が来て終わりって事で落ち着くのだろうか・・・?
牛丼の並を頼んでおきながら脅してたくさん食べる位なら、
暗い夜道で200円恐喝した方がまだマシって思う。
でも、その200円を払いたくない現状は、その頃よりも厳しい。
大盛りを食べられる事に感謝しつつ、本日の最初のご飯を美味しく頂いた。
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