最近の私的流行はゲーリックコーヒー。
美味しいと気に入ってストレートで飲んでる酒を、
片っ端から燃やしてコーヒー割り。
バカヤローと声が聞こえてきそうだが、美味しいのだから仕方ない・・・(^_^;)
もともとヘネシーナジェーナで作り出したのも、
そのスムーズな飲み口に惚れての事。
だから、ストレートで飲んでも柔らかいモルト達なら、同じ様な味わいが期待できるはず。
で、その暴挙に出たのは、1979グランレゼルバを空ける時だった。
「この鍋底でゲーリックを・・・」とつい言ってしまったのは、恐い物見たさだけではない。
きっと素晴らしい香りと味わいがあるはずだ・・と半分以上確信していたからだ。
過去に報告した通り、抜群の香りとビロードのようなスムーズさ。
それは期待をもの凄く飛び越える美味しさであり、それからのゲーリックツアーのスタートでもあった。
モレンジ18年(バニラ香強い。モレンジと解りやすく、スムーズ)
モレンジ10年(バニラ香少し。ウィスキーが入ってる・・・とわかるコーヒーを飲んでる感じ)
グレンドロナック15年(シェリー香解りやすい。独特の風味がコーヒーにアクセントをつける)
そして今日の壁の会では、「次に何を燃やそうか?」という話題で盛り上がった。
少し壁が下品だ・・・と感じだしてから、私の壁は5本まで減った。
しかしそのうちの3本はプレミアム・カスク、そして一本はアイラ、
最後の一本は口開けしてないグランレゼルバだから、悩みは大きい。
樽出しの原酒は50%以上のアルコール度数があるから、さぞかし燃えるだろう・・・・
とバカな会話を弾ませながらも、コーヒーにどの味が合うかを想像するのは結構面白い。
コーヒーにチョコレートを加えて飲むようなスタイルも一般的になりつつある今、
邪魔しない味と甘さを飲みながら想像するのは、新しいレシピを考えるような物だろうか。
仕事関係で知り合っても、仕事抜きで酒が飲める事が嬉しくて、
いつの間にか随分な回数を数えるようになった壁の会。
時にはゲストを連れ、時には強引な乱入者を受け入れ、
会話のツマミで相当な量を消費した。
それが、ストレスに音を上げる私にとっては、
かなり有効な薬になっている・・・と気づいている。
今日も、元気に壁の前で飲める幸せは、明日への活力にも変わるらしい。
自分で言った事とその行動が不一致な奴は、好きじゃない。
だから基本的に言葉より行動を見て、人を判断するようにしているし、
「誰それがこう言ってた・・・」というような言動は聞かないようにしている。
でも「方便」という事は多々あるものであり、それにやられてしまっている事は、
身体が強制的に動きを止める現実によって、気づかされていた。
邪気の無い利害関係の無い会話にいると、
本音だけで話ができる幸せにも酔う事ができる。
だから、この会を続けていけるんだろうな・・・・と、少しだけ思う。
「今日は何燃やす?」
「アベラワー」
「え〜、アベラワーっすか?」
「あの優しさは、絶対スムーズなゲーリックになるって」
「ドロナックの方が美味しいんじゃない?」
「実験してないモノの方が、面白いでしょ?」
という会話の後に、アベラワー15年は3つのグラスによって燃やされた。
優しい、甘い芳香が流れ、アルコールは青白い炎と化して消えていく。
そして・・・・
美味ぇ・・・・・・
とメンバーは同時に叫んだ。
グランレゼルバよりはしっかりと姿があるアベラワーだが、
恐ろしくスムースでクセも無く、しっかりと美味さが際立った感じだ。
美味い料理を作る・・と聞いている料理人が、飲んで美味しい酒を使わなきゃ
美味しい料理なんてできねぇよ・・と言った事を思い出す。
飲んで美味しいモノだから、こうやって飲んだって美味くて当たり前。
私にとっては大事な最後の一杯だから、
とびっきりの一杯で飲みたい気持に素直になっただけの事。
誰もそんなバカな飲み方をしないからと言って、それを否定する意味は無い(^_^;)
芯がしっかりしてる酒は、
間違えた合わせ方さえしなければどうやって飲んでも変わらない。
その芯が解っていれば信じても良い。
宣伝文句に踊らされ、その価格に自惚れて、
本質を正視しないような人間にはなりたくない。
そうは言っても情報が片道で判断不明なら、
せめて宣伝文句の中の嘘を見抜き、その本質を想像できる人間でありたいと思った。
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