久々に「纜」へ行く。
寒くなるとこの店では鍋物が出るからだ。
「水炊き」「鶏団子鍋」「湯豆腐」・・・
それらが一人分として丁度良いサイズで、しかも卓上七輪で供される。
何が嬉しいって、この一人分サイズが嬉しいのだ。
冬に付き物の鍋物ほど一人で食べたい時に困る物はなく、
結果、それらは選択肢の中から外されるしかない。
「ふぐちり」「すき焼き」「ちゃんこ鍋」・・・・
ふっと食べたくなっても一人じゃなぁ・・・と悩むそれらは、
一人前で出してくれる場所でしか食べられないのだ。
「纜」(ともづな)
045-314-8648
横浜市神奈川区泉町3-7
17:30〜24:00(LO 23:30)
この店、実はかなり懇意にしている。
何が良いって、飲物が安い(^_^)
黒木本店の「百年の孤独」(800円)・「中々」(380円)、「十四代本丸」(680円)など
好みの酒がリーズナブルに揃っているから、それらが飲みたくなるとつい・・・・
調子が今一歩だから、和風でするっといきたい・・と思えば、
湯豆腐に日本酒がいいな・・となったわけで、
自宅でデカイ土鍋で一丁の豆腐を食べるのはつまらないから・・と考えたら、
「纜」のカウンターの端に座っていた・・・・と(爆)
ここの「湯豆腐」は、小振りの鉄鍋に絹漉し豆腐と野菜が入った、見た目豪華な一品で560円。
土佐醤油かポン酢で食べるのだが、鰹節がのっているので土佐醤油で食べるのが私流。
そこに焼鳥を三本程度も追加すれば、後は呑むだけの安上がりコースの出来上がり(^_^)
この店を見ていて不思議だ・・・と思う事は、
今時の若者達がスタッフの殆どを占めているのに、統率が綺麗に取れている事。
(人気ある店に共通する事ではあるが・・)
この店は良質な物を安く提供するためか客層もかなり若く、
それ故不作法な客も多いのだが実に礼儀正しく応対している。
それは見ていて清々しささえ感じるが、店長がどうやって教育するのかは興味があった。
で、店長を観察してみて気づいた事は・・・
寡黙で無駄な動きはせず、乱暴な命令は出さず、
どっしりとした芯を感じさせる空気を持っている事。
そしてよく見ると、ただならぬ筋肉の鎧をダボシャツの下に隠している事もわかった。
こういうのと喧嘩になると、ヤバイな・・・と感じさせる何かが見える。
恐怖ではないにしろ、命令に従わせる強さを雰囲気で感じさせるから、
結果的に統率が取れているのだろうな・・・と勝手に想像するしかない。
リーダーシップを取る人間は、共通してある独特な強さを持っている。
天性のモノとして持っているモノもあれば、
経験という長い時間を費やした対価として授かるモノもある。
そしてそれは、持たざる者にとっては恐怖や畏敬の念を生むモノだろう。
形を似せても、態度を似せても、手に入るモノではないが、
その強さへの憧れが持たざる者にとって大きすぎるため、
イミテーションボスを演じる者は後を絶たない。
いささか飲みすぎてトイレに立った時、店の紹介記事が載った雑誌を見つけた。
結構メジャーな店なんだよなぁ・・・と思いつつその記事を読むと、
店長は元ボクシング日本チャンピオンだ・・と紹介されていた。
思わず、わははは・・とトイレで大笑い。
どんな事でもトップを取る事は厳しく大変で、そこに到達できる人間にはその強さが備わるが、
ボクシングのチャンピオンじゃ、実際殴り合いでもトップなわけだ・・・。
じゃぁ、心でも戦闘能力でも、この店では誰も太刀打ちできないじゃん・・・と。
しかし、飲む席で、やたらと戦闘能力の高い人に出会いやすいのは何故だろうね(^_^;)
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