調子が悪いので、まる一日寝てる・・・・
でも、当然腹が減る・・・・
で、蕎麦屋に食事に出る・・・・
蕎麦屋に着くと、すっごい歳の婆ちゃんが一人で給仕している
耳が遠いから呼んでも気づかない
でも、腹が立たないのは、しょうがないと諦めているのだろうか
後から入ってきた人の注文を先に聞いてしまうので、
手を振って「注文まだだよ〜!」と叫ぶ。
何だか可愛い笑顔で婆ちゃんがやってくるので
こっちも自然に顔がほころぶ
人間、可愛さは歳じゃないんだな・・・と少しばかり感動しつつ、
こんな調子じゃまともに料理出ないな・・と計算する
「久保田・千寿」(500円)と「うざく」(450円)、
「鴨せいろ」(800円)を頼んだのは、順番がグチャグチャでも同時でも
酒が楽しめる・・・・って考えたから
先に蕎麦が出ちゃったら、熱い鴨汁だけ残ってもつまみになるし、
蕎麦さえ食べちゃえば後は酒が出るまで待ってもよいだろう・・・と
店の片隅にある、電動石臼。
黙々と回り、蕎麦粉を製造している。
昔ながらのどこにでも有りそうな蕎麦屋なのに、
ここの蕎麦が一味違うのはこの石臼のせいだろうか・・・・
マイペースで給仕する婆ちゃんを見ていると、
相当な年齢でもちゃんと働ける力と、客を納得させてしまう強さを感じる。
背伸びしよう・・・なんて考えないから、
彼女はのびのびと仕事ができるのかも知れないね
会社に居れば、いつも自分の能力を十二分に発揮したくなる
だから、必要以上に背伸びしたり無理したりするんだな
そんな風にさえ感じさせられて、しばし婆ちゃんの仕事ぶりを見学してた
「お待たせ〜」と婆ちゃんは
ちゃんと徳利に酒を入れて持ってきてくれた。
凄い!
ちゃんと酒が最初だ・・・
じゃぁ、次に「うざく」が出るのか?
と思ったら、本当に「うざく」が出る。
こんな風に出るんだったら、もう一つつまみを頼んで、
最後に「せいろ」でも嬉しかったな・・・
「無理して元気出す事はないけど、自分のペースで走れば良い・・・」
婆ちゃんの仕事っぷりがそう語っている・・と感じる。
蕎麦屋の食事に諭された日、
少しだけ肩の荷が下りたように思えた。
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