蒸し鶏、クコの実、ナツメ、朝鮮人参、生姜・・・・
「人参鶏湯」と名付けられたスープは、この店では薬膳料理として扱われていた。
小さな蓋付きの器にはそれらの具が所狭しと詰められ、本来味わうべきスープはその量が少し淋しい。
しかし、一目でただ者ではない・・と思わせる何かが、その料理にはあった。
「青葉本館」
045-641-5101
横浜市中区山下町164
11:30〜23:00 金土11:30〜24:00
無休
中華街では少ない部類となる台湾料理専門店。
中でも「青葉」は本格的な台湾料理を食べさせる店として有名で、
高級料理と薬膳料理はかなりのレベルを持っている。
家庭料理として食べるなら「秀味園」に行くが、お客を連れて行くなら「青葉」。
それが私の常識として今も生きている。
この店へ会社の仕事で訪れた時
「絶対の自信を持ってお薦めする」と店主に言われた一品がコレだ。
3品の料理を紹介する・・という事で選んだ物のうちの一つだが、
圧倒的に美味そうな雰囲気を持っていた。(他の2品は「豚の角煮」と「切り干し大根の卵焼})
直径15センチ位、深さ5センチ程度の円筒形の器に、
大きく膨らんだナツメと人参が派手に鎮座し、
蒸し鶏はその下にこれでもか・・・と入っている。
その隙間からレンゲを差し込みスープをすくうと、
澄んだ少し茶色いスープにはキラキラ輝く脂が浮いている。
その様は、脂ぎったスープなんかには絶対に見えないほどの美しさ。
それだけでも、このスープにかける手間と神経が想像できるが、
どんなに綺麗でも美味しくなければ意味が無い。
まして、薬膳と称する事で味を蔑ろにされてもたまらないから、見惚れずに飲んでみた。
う・・・・・・・・まい!!
久々に「美味い!」と叫べるスープに出会った。
「このスープ飲んだら、今年風邪引かないヨ」
「そんなに効くんですか?」
「それはそうでしょ。 こんなに贅沢に材料使っているのヨ。
時間もたっぷりかけてスープにしているから良いのヨ。
薬膳と言っても料理だから、美味しくなきゃダメよ。
コレ、絶対ね!」
そんな店主の説明を鵜呑みにしてもいいかな・・・と思う位、このスープは美味しかった。
ただし、お値段2500円也(税別)
これだけが、唯一のネックである(;_;)
しかし、台湾料理と言われてもコレがそうだ・・・と思える料理は少ない。
記憶の扉を開いて探してみても、
「魯肉飯」(豚の角煮や煮卵をのせた丼)
「炒米粉」(焼きビーフン)
「菜脯蛋」(切干大根のオムレツ)
辺りしか思い浮かばない。
後は腸詰めやら烏賊の炒め物などが専門店のリストに載っているが、
台湾ならではの物はあんまり思い当たらないのは、それだけポピュラーでは無いという事か。
そんな中で、唯一これは好き・・・といえるのが「秀味園」の「魯肉飯」(500円)
豚の角煮と煮卵、高菜と赤葱と挽肉の煮込みがドチャッとのった庶民的な丼物で、
高級店ではリストに載っていても(載ってない事もある)上品過ぎて美味しくない。
吉野家で食べる位ならこの500円丼を・・という気分にさせられる程、
味とボリュームとバリューのバランスが秀逸である。
と感じる私は、結局高級中華料理より庶民的中華料理が好きって事かもしれない。
「秀味園」
045-681-8017
横浜市中区山下町134
11:00〜21:00
月休
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