「調子悪いんだって?」
「う〜ん、目眩が・・・・」
「ストレスならちょっと出かけよ!
往復300キロ位で行きたい所があっから、横乗ってけ」
「そうだね」
「んじゃ、10時過ぎに迎えに行く」
こころみ学園
ワイン醸造場「ココ・ファーム・ワイナリー」
0284-42-1194
栃木県足利市田島町611
1950年代から続く知的ハンデを持つ子供達の施設「こころみ学園」が、
彼等の自立を目指すために1980年代にワイン醸造場を作った。
その醸造場で作られたワイン(シャンパン)が2000年7月の沖縄サミットの食卓を飾った・・・
と言えば、何となく記憶の中からその事を思い出せる人がいるかも知れない。
ここを知るキッカケとなったのは友人の強引な勧めで、たしか98か99年の秋の収穫祭に一度訪れた。
その時、一切の助成を受けず、借金もしないで出来上がったいた施設や醸造所、
大変な苦労で開墾した事が解る葡萄畑などを見て、
また、こんな山奥であるにも関わらず多くの来訪者が居る事に驚いた。
99年にソムリエ田崎真也が雑誌の取材で取り上げた事がキッカケでサミットへの参加が実現したのだろうが、
それももう2年前の事。
そして昨日と今日は「ココ・ファーム・ワイナリー」収穫祭。
だから、そこへ行こう・・という申し出はとても嬉しかった。
そろそろ大騒ぎも収まって、行っても良い頃だろう・・・し、
前回来た時はまだ出来上がっていなかったシャンパンが、今日は飲めるはずだし・・ね(^_^)
湾岸回りで東北道に入り100マイルオーバーで巡航すれば、午後には余裕で到着できる。
助手席でぼ〜としながら空や紅葉の色を楽しんでいるうちに、目眩の事を忘れていた。
やっぱりこの速度は必要だよなぁ・・・と思いつつ、自ら走っていけない時期である事も感じつつ、
生きている・・・という感触を確かめる作業は、やっぱり私にとって大切らしい。
誰かの事ばかりを気にして自分の事を後回しにすると、ロクな事は無い・・・という事か。
久々の「こころみ学園」「ココ・ファーム・ワイナリー」は、こんなに大きかったっけ?と思う程立派に見え、
来訪者の数は恐ろしいまでの人数になっていて、色々な意味で驚いた。
障害児者の施設で、このように多くの人を集められる事実を見るのは、私にとっては初めての事。
この事実を見れただけでも、出てきた甲斐はあったのかも知れない。
入場料1500円を払うと、ワイングラスとコルク抜き、そしてワイン引換券を渡してくれる。
このグラスでワインを買い、試飲しまくれ・・という事なのだが、
引換券ではワイン以外に葡萄ジュースも選ぶ事ができた。
ここのワインは基本的に甘めで、だけど嫌味な後味は無く爽やかなモノ。
勿論価格は高い部類だが、誠実に作られたワインだ・・と考えれば高価だとは言い難い。
ただ私には、ここの葡萄ジュースの方に興味が行ってしまう。
元々葡萄ジュースが好きなのもあるが、
ここの葡萄ジュースはかなり美味しい事を前回知ってしまったからだ。
で、交換所で渡されたジュースは赤が一本と白の炭酸飲料(40%果汁)だった。
前に美味しくてビックリさせられた物に加えて、もう一本ついてくる。
これだけで、来た意味があった・・・と帰りそうに・・・(^_^;)
NOVOと名付けられたシャンパンは、
沖縄サミットで使われたドゥ・ミ・セック(甘口)とセック(辛口)が試飲できた。
(どちらも100ml500円)
美味しい・・・・
単純にそう思う。
嫌な匂いの類は全然感じられない。
ドゥ・ミ・セックはかなり甘い印象があるが飲みやすく、ベタベタしない不思議な物。
セックはすっきりとした辛口で、ピュアの酒だ・・・と一口で理解できる物だった。
日本を代表する発泡ワインとしてフランスの大統領にも飲ませられる品質は、後味の良さで想像がついた。
土の匂いと美味しい空気。
紅葉の始まった山の色。
歩けば土の軟らかさがあって、美味いワインがある・・・・。
日頃忘れているだろ・・・・と暗に友達に言われているようで、
連れてきてくれた事に感謝した。
来年は、バイクで来るのもいいかもなぁ・・・・
(壊れてなければ(;_;))
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