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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

アンバランス

食事をする時、何を第一に考えるべきだろうか・・・・

味? 雰囲気? 質? 客層?

私にとっては色々と判断基準が存在するが、
基本はゆっくりと美味しく食べられるために・・・必要なモノを考える。

でそれは、その日の気分によって大きく変化したりするものだ(^_^;)


NEW'S
045-662-1013
横浜市中区山下町106-35
17:30〜25:00


その店は、10月初頭からひっそりと営業していた。

非常に目につきにくい店構えで、しかも裏通りで人通りが少ない場所(近くにはラブホテルなんかもある
商売を捨てたようなロケーション)にあるので、まだ全然メジャーな存在になっていない。

窓が無く、入り口から辛うじて店内がうかがえる造りは、中華街の外れにあるとは思えない渋さを持っている。
店前には「品書き」すら置いてなく、小さな看板とちょっとしたライトアップが無ければ、
営業している事さえ気がつかないだろう・・・・。

で、そういう隠れ家的な店は、当然興味が沸くし入りたくなるってモノ。

会社の近く・・というのが「夕食には向かない」という気分を煽るが、
知らない限り辿り着けないだろう・・・とも思えるので、行ってみた。


八名程度が座れるカウンターと、四人掛け+二人掛けのテーブルがあるだけ。
カウンターの中には板さんが一人(多分店主)で、給仕担当の女性がいるだけの、こじんまりとした店だった。

カウンターは2組の客が居たため、テーブル席を占領する。

店内には低くジャズが流れ、明かりは暖色系で柔らかく、
落ち着いた空気が流れていた。

この雰囲気は、これだけで十分価値がある。


料理は、基本的に和食。

季節の魚と総菜で構成され、コース(3600円:2種)もある。
飲物は500円均一で、中国茶から酎ハイまで色々あった。

こういう場合、私は店の考え方を探るためにもコースを頼む事にしている。

生湯葉
水菜の煮浸し
刺身
ブリの照焼
牛タンの煮込み
ご飯(小さい釜でテーブルで炊く)
お椀
コーヒー


「お酒は何がありますか?」

「冷酒ですと日によって違いますが、今日は『八海山』になります。
 よろしければ一口だけビールをサービスいたしますが」

「ありがとうございます。 いただきます。」


こんなちょっとしたサービスが嬉しいもの。
「結構当たりかも知れない」と思うが・・・・・

出てきた日本酒は純米酒で、しかも朱泥の中国茶器(直径および高さが7センチ程度の大きさ)を小皿に置いて、
溢れる位に一升瓶から注いでくれるスタイルだが、どうみても一合あるかは疑わしい。

これで500円だと、いささか高い値段設定だと感じてしまう。(吟醸酒だったら許せるが)


あ〜あ・・・まただよ。
よく有るんだ・・・こういう「酒と料理のレベルが合わない」ってパターン・・・

料理を作る舌と酒を味わう舌は別物なのか?
何故、味わう・・という観点で、どっちも客観的に見れないんだ??

魚をメインとする和食を出す店である以上、多少高くてもマトモな吟醸酒ぐらいは置いてくれぇ!


料理は全般的に少な目であるが、少し砂糖の使い方が派手に感じる。
出汁の具合は悪くないのだが、何となくバランスが悪い気もする。

でも味的には、まぁ許せるレベル・・・かな? と思うが、酒が料理を引き立てる事はなかった。


いつも思う事だけど、
美味しい料理を出す店にはそれに見合う素晴らしい酒が無く、
素晴らしい酒を出す店にはそれに合う美味しい料理が無い事が多い。

だから、両方揃う店は名店となり
そのバランスをどのレベルで取るかで、店のレベルが決まるのだ。


料理の量が少なくそのワリに高い料金は、結果的に子供が入る事を避けさせる。
質を求めない客もまた、常連となる事を拒むはずだ。
その結果、客の質は上がり、より心地よい落ち着いた空気が生まれていく。

この店はまさにそのパターンで、大人向けの隠れ家として成り立たせる要素は見事に揃っている。
(事実、店には子供っぽい若者は入ってくる素振りも見えなかった)

だから、惜しい・・・・と思うのだ。

悪くは無い肴があるのに見合う酒が無く、テーブル上で炊くご飯も今一歩(かなり固かった)で、
最後に出してくれたコーヒーにはダスキンのクリームとスティックシュガーが添えられた。

ここまで雰囲気作って良い食器を使っても、どっかでツメが甘く、最後でブチ壊しになっている。
そしてそれがこの店のレベルを決めてしまう・・・


まだ、開いて1ヶ月経っていない。
だから、慌てる事は無い。

次に行く時は、スターターとして食事をメインに味わい、
美味い酒は別の店で楽しむ事としよう。

化けるかどうかの判断をしつつ・・・・(^_^;)

 
 
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