櫃まぶしを食べて思ったのは、茶漬けの類をあまり食べていない事。
と言うか、水分でふやけた飯が嫌いだから、その手の料理を最初から否定しているのだ。
何故かと言えば、これはもう親のせい。
とにかく柔らかい米が好きなのか、単純にたくさん炊いて後で蒸せばいい・・と考えるのか、
子供の頃食べたご飯と言えば、蒸しすぎのお粥一歩手前の物ばかり。
そしてそれが、標準米という炊きたて以外に美味しく食べる方法が無さそうな米の飯。
美味いワケがない=水分の多い米は美味しくない=その手のご飯は食べたくない、となるのだ。
しかし、飲み屋で食べた「海苔茶漬け」がメチャクチャに美味かったのをキッカケに、
その手の料理にも目が向くようになった。
雑炊、茶漬け、粥・・・・
それらは、どうしたらこんなに美味くなるのだろう・・と、私を魅了した。
でも、それでもやっぱり、自分から進んでは食べようと思えないようで、
櫃まぶしや河豚雑炊などを除き、余程の事が無い限りオーダーはしない。
やっぱり汁に浸みた飯の食感が、昔を思い出させるからだ。
だから、牛丼屋の「つゆだく」も好きじゃない(^_^;)
老正興菜館
045-681-3222
横浜市中区山下町144
11:30〜翌4:00(LO翌3:30)
無休
この店は夜中までやっているので有名だが(中華街で21時以降までやっている店はとても少ない)
排骨麺を初めて紹介した店としても有名な店である。
しかしこの店は、老舗らしく構えていず、常に観光客受けするメニューを開発する事をやっているので、
たまに変な物が無いかと・・と調査に行く事が多いのだが・・・・
上湯炒飯?
スープ炒飯・・・・??
何だそりゃ???
中華街では「福建炒飯」という名のあんかけ炒飯が何店かで見られるが、スープ炒飯は初めて見るものだ。
青椒肉絲をのせた「肉絲炒飯」、牛バラをのせた「牛肉炒飯」、排骨をのせた「排骨炒飯」と、
炒飯のバリエーションは多く存在するし、自分で「麻婆豆腐」を頼んで上にかけてしまう荒技を使う事もある。
(個人的には、カレーをかけても美味しいと思うのだが)
しかし、スープをかけて食べる事は・・・・ない
から、食べてみる事にした。
考えたものだ。
(もちろん最初に考えた人がエライ)
下手な料理人が作った炒飯だったとしても、スープによって茶漬け状態になるから
炒め方の良し悪しはあまり気にならないはず。
しかも、全部スープに浸かっているわけじゃないから、ドライとウェットが両方楽しめたりする。
ここの「上湯炒飯」(850円)は、炒飯のまわりに苦菜をあしらっているが、
少々塩辛い味付けがその風味を少し損なっていた。
でも「ひつまぶし」に似た食感はなかなか楽しい。
そして、炒飯とは別の食べ物として考えれば、これもまたアリ・・・か(^_^;)
大いなる邪道ではあるが、歯ごたえのない食事が受ける今において、
若者を主体とした人気を得るだけの事はある・・と感じた。
現在、豊と言われる社会は、全てにおいて「楽」を売り物にしている。
「楽」ができる物に対して購買意欲は発生し、その結果さらなる「楽」を現実化すべく技術は進歩し、
より「楽」ができる商品が生まれてゆく・・・・・。
その結果、体力の無い人間が増え、アレルギーに悩む人も増え、
豊かさの実証としての細い身体がもてはやされたりするのではないだろうか?
どうしても体力が必要で、判断力と忍耐力が問われる乗り物(バイク)なんて、
若者の必須アイテムから外れていくのは、当然の帰結なのだ。
最近のバイクに乗らない若者達は、固い物なんて噛んだ事ありませんって顔してるからなぁ
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