秋になると一回か二回、「椎茸ご飯」なる炊き込みご飯を祖母が作ってくれた。
(松茸であるはずがない(^_^;))
我が家は裕福ではなかったから当時食べていた米は標準米で、
しかも母が朝、一気に焚いてしまうために、夜食べるご飯はいつも蒸かした物だった。
当然、美味しいわけがない。
で、ご飯は美味しくない・・という常識が培われていくのだったが、
その炊き込みご飯だけは別格だった。
以来、炊き込みご飯、茶飯の類は、コンビニのオニギリでも大好きだったりする(^_^;)
ある時、何を思ったか母親が、釜飯屋に連れていってくれた事がある。
(多分、本人が食べたかっただけだと思うが・・)
小さな、だけどちゃんとしたお釜が出てきた時、
その初めて見るお釜に対する興味とその中身に対する期待は一気に膨れあがった。
ご飯がお櫃に入って出てくる事は経験した事があるが、
こんな小さなお釜で出る・・なんて事は、想像がつかなかったのだ。
ど〜やって、この小さなお釜をガスレンジに載せるのだろう・・・とか、
水加減はどうすんだろう・・・とか・・・
(米を研ぐのは私の仕事だった)
しかし、綺麗な木の蓋を母が取った時、
その小さなお釜から溢れんばかりに具がのったご飯が見えたら、
そんな興味はどっかへ消えてしまった・・・
これは・・・
もしかして・・・・炊き込みご飯????
果たして、小さなお茶碗に盛り分けてくれたご飯は茶色いご飯であったから、
それはもう狂喜乱舞のはしゃぎ捲りだったのは言うまでもない(爆)
だから茶飯の中でも釜飯は、今でも私にとって特別な存在であり続けている。
(駅弁でも釜飯があると、ついソレを買う位(爆)
そう言えば、「峠の釜飯」食ってないなぁ・・・・(;_;))
「ゑびすや」
045-663-5030
横浜市中区元町5-218
月定休 17:00〜23:00(22:30LO)
随分前から、元町に釜飯を食わせる店ができた事は知っていたのだが、
何故か行く度に「都合でお休み」というような札が出ていて、ちっとも縁が無い店だった。
気にかけていたのだが、元々見つけにくい所にあるから、
いつしか今度こそは・・・と思う事するら忘れてしまっていたのだ。
そして・・・・
とうとう、営業時間に店にたどり着く事ができたのだ。
店は、麦田町に繋がるトンネルの手前。(バス停の先)
入り口は小さく見落とされても仕方がない感じだが、手前にライトアップされた看板がある。
石が敷かれたエントランスは、昔、質屋だったための目立たなさを上手く利用し、
いきなり別世界に入るような気分にさせてくれる。
引き戸を引いて入ると手前が厨房で、奥にはチャブ台が3つセットされた食堂がある。
蔵だから同じサイズの2階もあり、全部で20名が辛うじて座れる位の狭さなのだが、
妙に落ち着けるのは外の音があまりしない事だと思う。
五目釜飯 1000円
串焼き ねぎま 200円
つくね 200円
厚揚げ 200円
と普通の値段ながら、串焼きは抜群の味・・とは言い難い。
(日頃、焼き鳥を「纜」で食べているせいかもしれない)
でも、私の期待は「五目釜飯」なのだ。
肴は釜飯が来るまでの場繋ぎで、炊きあがった釜飯こそが本日のメインイベントなのだ。
「お待たせしました〜」との声とともに、あの小さなお釜が木の台に載って出てくる。
蓋を開ければ、鶏肉にしめじ、筍などがのった炊き込みご飯が・・・・
味は、関東人向け。
しっかりと、味がついている。
でも、辛すぎる・・という程では無い。
(関内の薄味で有名な某店も、最近は味が濃くなったらしい)
でも、いいんです。
釜飯が食べられれば(^_^)
何だか、回遊先が一つ、
できてしまったような気がしてならない(爆)
|